「これってネズミ講みたいなものですよね?」「…心が痛みます」苦悩する女性行員に思う

ZUU online / 2017年9月20日 17時10分

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「これってネズミ講みたいなものですよね?」「…心が痛みます」苦悩する女性行員に思う(写真=Thinkstock/Getty Images) (ZUU online)

なぜ、こんなに多くの人が証券会社で株を買い、銀行で投資信託を買うのだろう。
なぜ、FP(ファイナンシャルプランナー)と称する人たちは投資の必要性を力説し、政府までもが「貯蓄から投資へ」といったスローガンを掲げるのだろう。苦悩する女性行員のつぶやきにこの国の金融商品販売の本質を垣間見たような気がした。

■誰かが利益を得れば、誰かが損をする

「これってネズミ講みたいなものですよね?」新人の女性行員がつぶやいた。「お客さんが買った投資信託は、もっと高い値段で買ってくれる人がいなければ損をする。相場は永遠に相場が上がり続けることはないから、いつか必ず誰かが貧乏くじを引いて大損をする」

世代の違いだろうか。最近の新人は時々ぶっ飛んだことを言う。「ネズミ講」という表現が適切かはともかく、苦笑するしかなった。

「でも、あながち間違いじゃない」私はそう言った。「相場というものは、ある意味『リスクの押し付け合い』の側面がある。確かに、セールストークで巧みにリスクを押しつけ合っているようなところもある」そう、我々が真剣に取り組んでいるこの仕事も、結局のところはネズミ講に過ぎないのかも知れない。

もちろん、多くの人は決してそうではないと反論するだろう。しかし、長らく金融商品の販売に携わってきた私にとって「投資」はまさにネズミ講のような世界だ。あるいは「ゼロサムゲーム」と言えば良いだろうか。

誰かが利益を得れば、その分誰かが損をする。

あなたが得た利益は誰かの損失のもとに成り立っている。マーケットに資金が流入し続ける限りはそれが表面化しない。しかし、一旦資金の流入が止まってしまったなら、あなたは身をもってその意味を知ることになる。

永遠に上昇し続ける相場はない。ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショック。忘れた頃にマーケットは必ず投資家に「それ」を思い出させることになる。

■システムを維持するために必要なこと

こうしたシステムを破綻させないためには何が必要か。マーケットに資金を注入し続けるしか方法はない。

だから政府は「貯蓄から投資へ」といったスローガンを掲げる。証券会社や銀行は「老後の生活には運用が欠かせない」と投資に興味がない人の危機感をあおる。公正中立であるべき独立系FPまでもがその片棒を担ぎ「おすすめの投資信託はこれだ」なんて言い出す。そして、あろうことか日銀がETFを買う。年金が株を買う。ずっとこれを続けなければならない。そうしなければ、そのシステムは破綻してしまうのだ。

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