中小企業を襲う人材と労働の「5重苦」とは? その5 不払残業の社会問題化

ZUU online / 2017年11月13日 8時40分

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中小企業を襲う人材と労働の「5重苦」とは? その5 不払残業の社会問題化(写真= wavebreakmedia/Shutterstock.com) ((ZUU online))

サービス残業という言葉がごく普通に使われていますが、賃金不払い残業は労働基準法違反となります。厚生労働省は解消に向けた取り組みとして2001年に「労働時間適正把握基準」を発表し、遵守徹底に努めてきました。しかし、15年以上たった今でも残業の不払い問題は解消していません。また、2017年以降には、不払い残業の返還訴訟が社会問題になると言われています。

■「不払い残業代返還請求」が司法書士事務所、弁護士事務所のビジネスに

消費者金融法の改正が行われ、多くの過払い金返還請求が2017年に時効を迎えます。過払い金返還請求とは、消費者金融やクレジット会社のキャッシングで、利息制限法の上限金利に違反する高い金利で貸し付けを受けていた場合に払い過ぎた利息を取り戻すための請求です。企業経営とは何も関係ないように思う人もいるでしょう。

個人では消費者金融やクレジット会社に対して過払い金返還請求ができない場合がほとんどであり、実は多くの司法書士事務所や弁護士事務所がこの返還請求を積極的に行っており、倒産する消費者金融もあるほどです。

さて、この訴訟の多くが時効を迎えることになりますが、これまで返還請求を行ってきた両者にとっては大きなビジネスを失うことになります。そこで、次に考えられるのが、「不払い残業代返還請求」です。多くの司法書士事務所、弁護士事務所が厚生労働省の取り組みによっても減ることのなかった、賃金不払い残業代返還請求を新たなビジネスとして捉えていると言われています。

実はすでに、不払い残業代返還請求の訴訟ラッシュは始まっています。「不払い残業代請求」でWeb検索をすると、たくさんの司法書士事務所や弁護士事務所がヒットします。これは、すでに不払い残業代返還請求をビジネスとしている事務所があることを示しています。

■不払い残業代返還請求とは

不払い残業代返還請求とは、その名の通り、残業をしたにもかかわらず割増賃金が払われていない事実があった場合に、その不払いとなっている残業代を過去にさかのぼって支払ってもらうように請求をすることです。

不払い残業代返還請求をビジネスとしている司法書士事務所や弁護士事務所のwebサイトを見ると、訴訟は成功報酬で、着手金はゼロとなっているところがあります。また、付加金は2倍となっています。「不払い残業代の2倍まで取ります。遅延損害金は14.6パーセント」とまで明記されています。実際、内容証明郵便のひな形をワンクリックで印刷できるなど、こうした訴訟は一般の人にとっても、すっかり普通のことになっているのです。

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