豪ドルとNZドル、2つのオセアニア通貨に違いはあるのか?~それぞれの強みと弱み

ZUU online / 2018年8月1日 20時40分

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豪ドルとNZドル、2つのオセアニア通貨に違いはあるのか?~それぞれの強みと弱み(画像=PIXTA)

要旨

代表的なオセアニア通貨であるオーストラリアドルとニュージーランドドルは日本の投資家に根強い人気がある。今年に入ってからは利上げを続ける米国に追い抜かれたが、両国は先進国の中で相対的に高い金利水準を長年維持していることがその魅力になっている。そうした中で、「豪ドルとNZドルのどちらに投資するか」で悩む投資家も多いようだ。両国通貨はともに高金利・資源国通貨に位置付けられるなど共通点が多く、違いが分かりにくいためだ。そこで、両国通貨の構造的な関係性について改めて俯瞰し、「投資の魅力」という観点からそれぞれの優位性を考えてみる。

豪ドルとNZドルの関係性

●豪ドルとNZドルは際立って連動性が高い

両国の通貨を論じるに先立って、オーストラリア(以下、「豪州」と記載)とニュージーランド(以下、「NZ」と記載)の概要を確認すると、両国の地理的関係は隣り合っており、距離は最短で約2000kmである。これは、ほぼ東京-台湾間に相当し、空路であれば約3時間(1)で往来が可能な距離である。国の規模としては、面積、人口において、それぞれ豪州がNZ(2)の約30倍、5倍と大きな差があるものの、両国共にもともと英国領であったという成り立ち(従って、今も国家元首は英国女王)や使用言語が主に英語である点など共通点は多い。

次に為替について、豪ドルとNZドルの対円レートの推移を見てみると、高い連動性がうかがわれる。そこで、主要通貨の対円レートについて、2016年以降の相関係数を計算してみると、豪ドル円とNZドル円の相関係数は0.86と極めて強い正の相関関係が確認できる。これは他の通貨ペアではなかなか見られない高い連動性だ。

従って、「卵は一つのカゴに盛るな」という分投資の格言に沿って、リスクを分散するという観点から豪ドルとNZドルに分散投資したとしても、分散効果は殆ど期待できない。

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(1)シドニー(豪州)とオークランド(NZ)間の飛行時間
(2)NZの面積は日本の約7割、人口は約4%で、ほぼ福岡県の人口に相当。

●両国通貨の連動性の背景

1)経済の連動性

それでは、なぜ両国通貨には高い連動性があるのだろうか。結論から言えば、経済の連動性が高いためだ。

NZ経済は豪州経済との繋がりが強い。同国の財・サービス輸出に占める豪州の割合は全体の2割弱を占め、国別では第2位の輸出先となっている(一方、豪州の対NZ輸出割合は全体の4%弱に過ぎない)。また、豪州、NZともに中国が最大の輸出先である点も共通しており、両国ともに輸出を通じて中国経済の影響を受けやすい構造になっている。つまり、「中国経済→豪州経済・NZ経済」、「豪州経済→NZ経済」という2つの太い貿易ルートによる影響が豪州とNZ経済の連動性を高めている。

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