メルカリ、東証マザーズの「巨星」が急落 証券アナリストが見落とした「死角」とは?

ZUU online / 2018年8月19日 17時0分

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(画像=Getty Images)

「おい、平田、相場に絶対はないんだぞ!」筆者が証券マンとして駆け出しの頃だった。高架下の薄暗い居酒屋でテーブルを叩きながら先輩にそう怒鳴られたことがある。なぜ、怒鳴られたのかは覚えていない。高架を走る電車がうるさかったのか、それともトレードで失敗したのか……。記憶に残っているのは先輩の目が異様なほど鋭かったことだ。怖い先輩だった。これまで何度、その先輩の言葉を思い知らされたことだろう。フリマアプリ最大手のメルカリ <4385> の株価急落も、先輩の言葉をあらためて想起させる出来事だった。

証券アナリストの強気レポートが相次ぐ中、メルカリは上場後初となる決算発表を迎えた。だが、決算発表後のメルカリ株は、そんなアナリストたちをあざ笑うかのように急落した。決算発表後の下落率は20%を超え、6月19日の上場来高値からの下落率は約40%に達したのだ。

東証マザーズ市場の上場企業の中でも、ひときわ光り輝く「巨星」のようにもてはやされ、話題を呼んだメリカリ。それがマザーズ指数の年初来安値更新を主導するとは誰が想像できただろうか。今回は証券アナリストが見落としたメルカリの「死角」に迫ってみたい。

■期待された「黒字転換ストーリー」だが

8月9日、メルカリが発表した2018年6月期の売上は前期比62%増の357億円と大きく伸びたが、最終利益は70億円の赤字と前期(42億円の赤字)から拡大した。「成長ステージ」にあるベンチャー企業は足元の赤字自体は大きな問題ではない。固定費は限定的であるため「規模が拡大すれば」利益が出やすい体質となる。

赤字は主に事業拡大のための宣伝広告費や人件費の増大によるものだ。海外事業の拡大で赤字縮小から「黒字転換へのストーリー」が描けるとしてメルカリ株は上場初日から人気化した。実際、アナリストの業績予想の平均であるQUICKコンセンサスでは、2019年6月期のメルカリの最終利益は約19億円の黒字、同じく2020年6月期は約167億円の黒字、2021年6月期は約236億円の黒字となっている。「黒字転換後に大きく増益になる」というのがアナリストのコンセンサスだった。

ちなみに、証券会社のアナリストが新規上場株に関するレポートを執筆して良いのは「上場1カ月後」からと決まっている。レポート解禁となった7月後半以降、7社がメルカリのレポートを発表した。内訳は最上級の「ストロングバイ」級の格付けが3社、「買い」級が2社、「中立」が2社だった。7社のうち5社が強気でその中で一番高い目標価格は6500円だった。その目標価格を示した証券会社は2018年6月期の最終利益を「59億円の赤字」と見込んでいたのであるが、実際の最終利益は前述の通り「70億円の赤字」に拡大したのである。

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