SG会田アンダースロー(グローバル)景気下押し圧力の緩和と物価上昇圧力の押さえ込みの難しいバランス

ZUU online / 2018年10月10日 13時20分

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SG会田アンダースロー(グローバル)景気下押し圧力の緩和と物価上昇圧力の押さえ込みの難しいバランス(画像=PIXTA)

シンカー: PBOCが預金準備率を引き下げる金融緩和に踏み切った。今回の動きは流動性には中立要因で、人民元下落圧力は強まらないとみられている。一方、5,000億ドルを超す中国から米国への輸出の全額に、25%の関税が課される恐れが出ている。このため中国がこうした関税引上げの影響を相殺するには、対ドルで25%の人民元切下げが必要になるのか、という疑問がマーケットに生じている。実際には、それほどの人民元の下落にはならないとみられる。しかし、下落圧力がかなり高まれば、物価上昇が加速し、財政政策などによる景気下支えが困難になりかねない。中国の政策当局は、貿易紛争などによる景気下押し圧力の緩和と、物価上昇圧力の押さえ込みの難しいバランスを保たなければならなくなっているようだ。関税の引き上げを含む物価上昇圧力にどれだけ政策当局が寛容でいられるかが、各国の経済・マーケットのパフォーマンスを左右していくように思われる。

■最新のSGグローバル・レポートと要約

●中国経済(10/9):預金準備率引下げ…元安圧力にならないと当局はみるが

https://doc.sgmarkets.com/en/3/0/685432/225972.html?sid=f243ba1c10459910b991f94099f33db0

PBOCは、預金準備率を100BP引下げる(10月15日から実施)と発表した。ただしこれは、中期貸出ファシリティを通じた資金の引き揚げにより一部相殺され、ネット(純額)の流動性注入効果は7,500億元になる見込み。PBOCでは、今回の動きは流動性には中立要因で、人民元下落圧力は強まらないとみている(ただ弊社は、必ずしもそれには同意できない)。いずれにせよ今回の動きは、景気減速抑制には(手助けとはなるが)不十分だとみられる。

●中国経済(10/4):米国の関税と人民元下落による経済への影響は

https://doc.sgmarkets.com/en/3/0/685432/225724.html?sid=1d76af63ced0a5b844a1b2578061aaca

5,000億ドルを超す中国から米国への輸出の全額に、25%の関税が課される恐れが出ている。このため中国がこうした関税引上げの影響を相殺するには、対ドルで25%の人民元切下げが必要になるのか、という疑問が生じている。だが、弊社はそうは考えていない。(忘れがちであるが)貿易加重ベースの人民元下落で、多くの貿易相手国に対して中国の価格競争力は上昇するからだ。本レポートでは極めてシンプルな枠組みを通じ、関税と為替変動が原因の相対的な価格調整から生じると見込まれる、経済への潜在的なインパクトを示したい。

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