インド経済の見通し~農家支援策により消費は持ち直しへ向うも、輸出の停滞色が強まり、緩慢な成長が続く(2019年度+7.2%、2020年度+7.5%)

ZUU online / 2019年3月5日 21時30分

写真

インド経済の見通し~農家支援策により消費は持ち直しへ向うも、輸出の停滞色が強まり、緩慢な成長が続く(2019年度+7.2%、2020年度+7.5%)(画像=PIXTA)

■要旨

インド経済は10-12月期の成長率が+6.6%となり、過去5四半期で最も低い水準となった。高額紙幣廃止や物品・サービス税(GST)導入に伴う経済の混乱からの回復局面が一服するなか、民間消費と政府部門が景気の足を引っ張った。経済の先行きは、消費が農家の所得向上と来年度実施される所得減税の影響で持ち直す一方、輸出と投資が海外経済の減速や公共事業の縮小を受けて伸び悩み、2019度は+7%程度の勢いを欠いた成長が続くと予想する。また足元で軍事衝突が起きているパキスタンとの対立が深まれば、外国人投資家が離れてしまい、投資や通貨ルピーに短期的な下押し圧力がかかる恐れがある。

■経済概況:緊縮財政で政府部門が落ち込み

10-12月期の実質GDP成長率は前年同期比6.6%増となり、10-12月期の同7.1%増から低下した。昨年のインド経済は16年11月の高額紙幣廃止や17年7月の物品サービス税(GST)導入に伴う経済の混乱からの回復局面が続いて4-6月期には+8%成長を記録したが、その後は7-9月期に回復局面が一服、10-12月期に緊縮財政のために政府支出が落ち込むなど、景気の減速傾向が強まっている

GDPを需要項目別に見ると、民間消費と政府部門の鈍化が成長率低下に繋がった。

民間消費は同8.4%増となり、高水準だった前期の同9.8%増から低下した。雨量不足を背景に今年度のラビ期の作付け面積が6,360万ha(前年度比1.86%減)と昨年を下回り、農家の収穫見通しが悪化したこと、昨年の金融引き締めに伴う金利上昇がラグを伴って消費に悪影響を及ぼしたとみられる。また政府消費が同6.5%増(前期:同10.8%増)と低下した。今年度の財政赤字目標の超過を背景に政府が歳出を急速に抑制したことが影響したとみられる。10-12月期の経常支出は同4.1%増(前期:同23.9%増)と大きく鈍化した。

一方、総固定資本形成が同10.6%増(前期:同10.2%増)と僅かに上昇した。設備稼働率(4期移動平均)は輸出の拡大や旺盛な消費需要などからここ数年間で高め水準にあり、民間投資が押し上げられたとみられる。なお、公共投資については、政府が10-12月期の資本支出を同45.5%減(7-9月期:同3.1%減)と抑制したことから伸び悩んだとみられる。

純輸出については、まず輸出が同14.6%増と、前期の同13.9%増から小幅に上昇し、3期連続で二桁成長を記録した。通関ベースの財貨輸出が鈍化したことを踏まえると、サービス輸出が好調だったとみられる。また輸入は同14.7%増(前期:同21.4%増)と、内需の減速や油価下落を受けて増勢が鈍化した。結果として、純輸出の成長率寄与度は▲0.6%ポイント(前期:▲2.2%ポイント)と改善した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング