オーソライズド・ジェネリックの拡大-後発薬市場の活性化は進むか?

ZUU online / 2019年5月17日 20時0分

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オーソライズド・ジェネリックの拡大-後発薬市場の活性化は進むか?(画像=PIXTA)

■はじめに

増大する医療費の有力な抑制策の1つに、後発医薬品の利用促進が挙げられる。政府は、これまで、後発医薬品の普及等に向けて、数値目標を示してきた。「経済財政運営と改革の基本方針2017」(骨太の方針)では、2020年9月までに、後発医薬品の使用割合を80%とし、できる限り早期に達成できるよう、更なる使用促進策を検討する、としている。近年、後発医薬品のうち、オーソライズド・ジェネリック(AG)の参入が相次いでいる。さまざまな医薬品分類において、新薬メーカーと後発薬メーカーを巻き込む形で、後発薬市場が活性化している。

本稿では、AGをはじめとした後発医薬品の動向について、みていくこととしたい。

■後発薬使用割合と調剤医療費の推移

まず、後発薬使用割合と調剤医療費の推移をみておこう。近年、後発医薬品の使用割合は、徐々に上昇している。2018年11月には、76.7%に達した。また、調剤医療費をみると、2016年度以降、毎月6,000億円前後の概ね横這いの水準で、抑制的に推移している。

■オーソライズド・ジェネリック

ここで、AGとはどういうものか、簡単にみておこう。

●AGは、新薬メーカーが後発薬市場を囲い込むための手段

新薬メーカーにとって、後発医薬品への置き換えは、新薬である長期収載品の販売減を意味し、収益減につながる。そこで、新薬メーカーは、オーソライズド・ジェネリック(AG)という対抗策を打ち出している。

AGは、新薬の特許期間中に、新薬メーカーが関連会社を通じて新薬と有効成分が同じ医薬品を、新薬よりも価格の安いAGとして発売し、市場に浸透させるものである。AGの製造会社は、先発医薬品の特許期間中、新薬メーカーにロイヤリティーを支払う。

仮に、後発薬メーカーが先発医薬品の特許期間中にAGを発売しようとしても、新薬メーカーへのロイヤリティー支払いにより、利益を出すことは困難となる。したがって、後発薬メーカーとしては、先発医薬品の特許切れを待つしかない。しかし、先発医薬品の特許期間後に、後発医薬品を発売しても、AGと価格面で大きな差はない。このため、市場への浸透は見込みにくい。

即ち、AGは、新薬メーカーが先手を打って後発薬市場を自社グループで囲い込む戦略といえる。また、AGは、製造特許を引き継いでいるため、医薬品の安全性や有効性について、患者や医師の懸念点が少なく採用されやすい。こうしたことから、近年、AGの市場投入は拡大している。

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