【アジア・新興国】韓国、児童手当や基礎年金等の社会保障関連費用が急増

ZUU online / 2019年5月22日 18時40分

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【アジア・新興国】韓国、児童手当や基礎年金等の社会保障関連費用が急増(画像=PIXTA)

■要旨

  • 文在寅政府は、所得主導成長論に基づいて労働政策と社会保障政策に力を入れており、国民、特に低所得層の所得を改善するための政策が数多く施行された。しかしながら、急な政策の実施により、あちこちで悲鳴が上がっている。
  • 韓国における2019年度予算案の一般会計総額の対GDP比は24.8%で、日本の18.5%より高い。その中で、保健・福祉・雇用関連予算額は2018年度の144.6兆ウォンから2019年度には162.2兆ウォンに12.2%も増加しており、一般会計予算の34.5%を占めることになった。福祉部門だけをみると72.4兆ウォンで、前年に比べて14.6%も増加しており、日本の一般会計予算の社会保障費増加率3.3%を大きく上回っている。
  • 韓国政府は予算を増やしてでも、貧困や格差、若者の就職難、出生率の低下という社会問題を解決したいところであるものの、その効果がなかなか出ないことに非常に苦慮している。しかしながら、政府予算が無駄に使われたケースも少なくない。
  • 今後、日本の事例を参考に社会保障や税の一体改革を実施する必要があるだろう。

■所得主導成長論に基づいて労働政策と社会保障政策に力

2017年5月10日、文在寅政府が発足してから2年が過ぎた。文在寅政府は、所得主導成長論(1)に基づいて労働政策と社会保障政策に力を入れており、国民、特に低所得層の所得を改善するための政策が数多く施行された。

まず、労働政策から見ると、2017年に6470ウォンであった最低賃金は2019年には8350ウォンに引上げられた。また、「週52時間勤務制」を柱とする改正勤労基準法(日本の労働基準法に当たる)を施行することにより、残業時間を含めた1週間の労働時間の上限を68時間から52時間に制限した。労働者のワーク・ライフ・バランスを実現させるとともに新しい雇用を創出するための政策である。

社会保障政策としては2018年から「健康保険の保障性強化対策」、いわゆる文在寅ケアが施行された。ポイントは医療費支出による国民生活の圧迫の主因とも言える保険外診療(健康保険が適用されず、診療を受けたときは、患者が全額を自己負担する診療科目)を大きく減らすことである。また、2018年9月からは児童手当が導入された。対象は満6歳未満の子どもを育てる所得上位10%を除外した世帯であり、子ども一人に対して月10万ウォンが支給された。さらに今年の4月からは所得基準が廃止され、満6歳未満の子どもはすべて児童手当の対象になった。

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