5月の原油安で急落した石油株3銘柄の見通し

ZUU online / 2019年6月9日 15時0分

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出典:Getty Images

モトリーフール米国本社、2019年6月5日投稿記事より

米中貿易戦争激化への懸念が石油需要へ悪影響を及ぼし、原油価格が5月に大きく下落しました。この影響は石油株へ波及し、S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスによれば一部の石油銘柄は5月に10%以上下落しました。中でも大きく下落したのがヘス(ティッカー:HES)、マラソン・オイル(ティッカー:MRO)、コンチネンタル・リソーシズ(ティッカー:CLR)です。

3社の見通しを解説します。

■ 5月の状況

米原油市場で指標となるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、5月に16%下落し、2月中旬以降の最安値となる53.50ドルとなりました(訳注:6月に入り、WTIは一時51ドル台へさらに下落しました)。原油価格を圧迫したのは、エスカレートする米中貿易戦争による世界経済の成長減速への懸念でした。原油安は石油株を直撃し、コンチネンタル・リソーシズとマラソン・オイルの株価は約20%下落し、ヘスの株価は11.5%下げました。

市場は、原油安が3社のキャッシュフローに短期的な悪影響を与えるとみています。

コンチネンタル・リソーシズの場合、原油価格が1バレル60ドル超であればフリーキャッシュは約9億ドルですが、5月の価格水準の場合には、2億5,000万ドル~5億ドルに減少します。しかし、それでもキャッシュは十分な水準です。そして、同社は6月上旬に配当開始と10億ドルの自社株買いを発表したため、株価は急騰し、5月の下落分をかなり取り戻しました。

時価総額が150億ドルのコンチネンタル・リソーシズは、もし原油価格が今後5年間平均60ドルで推移した場合、フリーキャッシュの累積額は40億ドルとなります。

マラソン・オイルの場合、原油安はキャッシュフロー創出力に大きな影響を及ぼします。原油価格が1バレル60ドルを維持した場合、同社は2020年末までに累計22億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと予想され、時価総額110億ドルの石油会社としては相当な額となります。しかし、原油価格が平均50ドルで推移した場合、累積額は7億5,000万ドルに減ってしまいます。

ヘスの場合、フリーキャッシュフローは赤字状態です。同社は、南米ガイアナの大規模海底油田開発プロジェクトへの投資が続いているためです。しかし、来年には原油生産を開始する予定で、投資が結実します。原油価格が60ドルの場合、ヘスは2025年にかけて170億ドルものフリーキャッシュフロー創出の可能性があります。

ヘスの現在の時価総額が170億ドルであることを考慮すると、巨額のキャッシュです。原油価格が50ドル台前半で推移した場合、フリーキャッシュフローは減りますが、それでもコンチネンタル・リソーシズやマラソン・オイルよりも多額のキャッシュを生み出すでしょう。

■ 今後の見通し

原油価格の変化は石油会社のキャッシュフローに直接影響を与えます。このため、先月の原油価格下落は、石油会社の株価を圧迫しています。なお、今後のキャッシュフロー創出力の観点からは、ヘスが突出しています。

これは、来年ガイアナでの原油生産が開始予定で膨大なフリーキャッシュフローが見込まれているからです。このため、今後のキャッシュフローの可能性を考慮すると、ヘスの下落局面は投資機会との見方もあります。(提供:The Motley Fool Japan)

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