SG会田アンダースロー(G)金融政策はデータに対応する形から期待形成を促す形に変わっている(2019年7月16日)

ZUU online / 2019年7月16日 11時10分

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SG会田アンダースロー(G)金融政策はデータに対応する形から期待形成を促す形に変わっている(2019年7月16日)(画像=PIXTA)

シンカー: 足許の経済指標は改善の兆しを見せ始めている。中国の4-6月期のGDP成長率はリーマン危機以来の低成長となったが、同時に発表された月次データは堅調な動きを見せており、政策支援の効果が表れ始めていることが確認された。米国でも6月の雇用統計は反発し、米国の労働市場は引き続き堅調であることが確認された。しかし、主要国中央銀行は経済見通しに対するリスクはが強まっているということを理由にハト派的な政策バイアスを維持している。パウエル議長の議会証言やFOMC議事録でも、経済見通しに対するリスクに重きが置かれ、足許の指標が強くても、予防的な意味合いを含め、緩和策を実施する必要性が重要視されているようだ。足許のデータに対応する形で実施されていた金融政策は、マーケットの期待などをもとに今後の期待形成を誘導する形に変わってきているようだ。

■グローバル・フォーカスの解説

●FOMC議事録とパウエル氏の議会証言

6月18-19日のFOMC議事録では、経済見通しに対するリスクに対し、FEDが近いうちの利下げに傾いている可能性が改めて示された。会合で金利は据え置かれたものの、経済についての不確実性や下振れリスクが“著しく高まった”と判断され、"多くの参加者が最近の動向が長期化し、経済成長の重しとなり続けた場合、近いうちの利下げが正当化される"としている。このミーティングで25BPの利下げを主張したのは1名だけだったが、数名の参加者は近いうちの利下げは“将来起こり得る景気へのショックを和らげるのを助ける可能性がある"として、前向きな姿勢を示した。一方、"一部の参加者は、FF金利の適切なパスが以前想定されていたよりもフラットになると判断しているが、利下げに動く強い論拠はまだ見られない”と慎重な姿勢を示しているメンバーもおり、意見の一致が取れているわけではないようだ。パウエル氏議会証言(下院)では、“強かった雇用統計による政策の変更はない”とされ、経済への不確実性、下振れリスクを背景に“より緩和的な金融政策の必要性が高まっている”と述べた。2日目には、経済は良好な立場にあり、消費支出も堅調な状態が続いているが、貿易摩擦を巡る不確実性が見通しの重しになっていると発言。企業の投資が弱くなってきていることを指摘し、“多少ではあるが一段の金融緩和が適切になる可能性があるとメンバーの多くが考えている”とした。さらに“2%の物価上昇率を大きく下回りたくない。後手に回らないようにするのが、日本から得た教訓だ”とも述べ、早期の利下げに傾いていることを示した。中立金利について、”以前考えられていたより低いことが分かりつつあり、自然失業率も従来の想定を下回っている”ことから“金融政策はこれまで考えられていたほど緩和的ではない”とし、緩和の余地があることを示唆している。

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