AI・IoTの利活用の在り方-米メジャーリーグの「データ革命」に学ぶ

ZUU online / 2019年7月17日 20時35分

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AI・IoTの利活用の在り方-米メジャーリーグの「データ革命」に学ぶ(画像=PIXTA)

■はじめに

「AI(人工知能)は雇用を奪う」とのAI脅威論は根強い。一方、筆者は、「AIを活用した未来社会がどのようなものになるかを決めるのは、AIではなく、それを開発・進化させる科学者・開発者やそれをツールとして社会に実装・利活用する経営者など、人間自身であるはずだ。AIを単なる人員削減のための道具ではなく、人間と共生する良きパートナーと位置付けるべく、ビッグデータから人間では気付けない関係性やわずかな予兆を捉えるなど、AIにしか出来ない役割や、画像認識など既にAIが人間の能力を上回っている機能をAIに担わせるように、人間自身が強い意思を持って導くことが重要である」と考えている(1)。AIに関わる科学者・開発者や経営者には、AIの開発・実装において、このような理想的なAIの在り方を目指した、明確な「哲学」や「原理原則」を強く持つことが求められるのではないだろうか(2)。

このような考え方を実践していく上で、米メジャーリーグ(MLB)で今起きている「データ革命」に学ぶべきことが多々あるように思われる。MLBでは、この4~5年でグラウンドでのビッグデータの収集・分析が進み、これをうまくプレーに取り入れた選手やチームが躍動し、科学の力がベースボールを新たな時代へと導いた、と言われている。

そこで本稿では、MLBのデータ革命を概観した上で、そこから得られる、AI・IoT(モノのインターネット)の産業・社会利用へのインプリケーションについて、産業界の視点から考えてみたい。

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(1)AIの利活用の在り方に関わる筆者のこのような考え方については、拙稿「製造業を支える高度部材産業の国際競争力強化に向けて(後編)」ニッセイ基礎研究所『基礎研レポート』2017年3月31日( https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=55389?site=nli )、同「AIの産業・社会利用に向けて」ニッセイ基礎研究所『研究員の眼』2018年3月29日( https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=58276?site=nli )、同「AI・IoTの利活用の在り方」ニッセイ基礎研究所『基礎研レポート』2019年3月29日( https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=61213?site=nli )を参照されたい。
(2)現在実用化されているAIは、特定のタスクしかこなせない「特化型AI」である一方、人間のように多様なタスクをこなせる「汎用AI」は、現在のテクノロジーの延長では実現しないとされる。今は多くのブレークスルーがなければ実現しない汎用AIについても、科学技術力の維持・強化のために、最先端のAI研究分野として一定の研究者が研究に取り組み続けることが勿論重要である、と筆者は考えている。

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