インターネット通販市場の成長と物流施設利用の方向性

ZUU online / 2019年7月29日 19時45分

●年代別にみたネットショッピングの利用状況

総務省「平成30年 家計消費状況調査」によれば、2018年のネットショッピングの利用率は39%となり、「家計消費状況調査」が開始した2002年(5%)の約8倍まで拡大した。年代別にみたネットショッピングの利用率は、「39歳以下」の年代(62%)が最も高く、年齢が上がるにつれて低下する傾向にある。

一方、ネットショッピング支出額は、「50~59歳」の年代(年間41万円)が最も多く、次いで「60~69歳」(年間39万円)、の世代が多い。最も支出額が少ないのは、「39歳以下」の年代(年間(年間34万円)である。ネットショッピングを利用している層に限定してみると、ミドル・シニア層(40代以上)の方が、若年層と比べてネットショッピングの支出額が多い傾向にある。

総務省の調査によれば、ネットショッピングを利用する理由に関して、「24時間いつでも買物ができるから」や「実店舗に出向かなくても買物はできるから」との理由の回答割合は、年代による差が小さい。一方、「買いたいものが検索機能等ですぐに探し出すことができ、時間の節約になるから」や「自宅に持ち帰るのが大変な重いものが手軽に買えるから」といった理由を挙げる人の割合は、年代が上がるにつれて上昇する傾向がみられる。一般的に、徒歩での買い物が可能な範囲は自宅から半径400~500mと言われている。比較的経済力があるミドル・シニア層は、実店舗で買い物をする労力や手間を省くために、ネットショッピングでの購入が多いと考えられる。

前述の通り、若い年代ほど、ITリテラシーが高く、ネットショッピングを利用する人は多い。例えば、現時点で「50~59歳」の世帯のネットショッピングの利用率よりも、10年後の「50~59歳」(現在の「40~49歳」)のネットショッピングの利用率は高いことから、ネットショッピングの利用率は今後、ますます上昇すると見込まれる。

また、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によれば、総世帯数は2023年まで増加し続け、世帯構成は、中高年層の割合が高まる見通しである。今後、ネットショッピング支出の多いミドル・シニア層は現時点より拡大すると見込まれる。

以上の状況を踏まえると、ネットショッピングの利用率の上昇と、ネットショッピング支出の多いミドル・シニア層の拡大に支えられ、インターネット通販市場の成長は継続すると思われる。

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