インターネット通販市場の成長と物流施設利用の方向性

ZUU online / 2019年7月29日 19時45分

■ラストワンマイルにおける人手不足

●人手不足の現状

インターネット通販は、「モール型」と「直販型」のビジネスモデルに大別される(4))。「モール型」のビジネスモデルは、ネット上にモールを開設し、複数のネットショップを誘致して、出店料や売上手数料等を収益源とする。自社による仕入れおよび在庫リスクがなく、多くの商品を取り揃えることができる。一方、「直販型」のビジネスモデルは、自社で仕入れを行うため、大きな利益を期待できる半面、多くの在庫を抱えることはできないことから、商品を豊富に取り揃えるは難しくなる。

各社のインターネット通販市場の売上高を示したものである。国内でのインターネット通販事業の売上高が2,000億円を超える企業は、アマゾン(約1.3兆円)、ヤフー(約6,000億円)、楽天(約4,000億円)、アスクル(約3,000億円)である。

これまで、アマゾンとアスクルは直販型、ヤフーと楽天はモール型の代表格とされてきた。しかし、最近では、アマゾンの売上高に占めるモール型(「Amazonマーケットプレイス(5)」)の割合が増加している。モール型の割合を増加することで、商品の品揃えを増やし、利用者の利便性向上を目指していると考えられる。一方、モール型の代表格であるヤフーや楽天では、直販を強化している。即時配送が求められる中で、配送を柔軟にコントロールしやすい直販の利点を重視しはじめたと推察される。このように、大手インターネット通販事業者は、「モール型」と「直販型」を融合したビジネスモデルに向かっている。

インターネット通販の物流は、「モール型」、「直販型」いずれのビジネスモデルにおいても、消費者への配達部分(ラストワンマイル)は宅配便事業者に依存している。そのため、宅配便取扱個数は、インターネット通販市場の拡大とともに、大幅に増加しており、2017年度は約42.5億個に達した。宅配便取扱個数の事業者別割合をみると、上位3社(ヤマト運輸㈱・佐川急便㈱・郵便事業㈱)の寡占化が進んでいる。日本郵便「ゆうパック」と日本通運「ペリカン便」が統合した2010年以降は、3社で9割以上のシェアを占めており、2017年度は94.4%に達した。

大手3社とも通販市場拡大に伴う需要増大に伴い、宅配便ネットワーク体制の整備を進めてきた。ヤマト運輸は、集荷した荷物を夜間にまとめて幹線輸送していたが、東名阪にゲートウェイターミナルを設置し、日中からゲートウェイ間を多頻度運行することで納品時間を短縮した。佐川急便は、ローソンと合弁会社「SGローソン」を2015年に設立し、ローソン店舗を起点とした配送および御用聞きサービスを開始している。日本郵便は、総額1800億円を投じ、全国20カ所に大規模物流拠点「メガ物流局」を新設する。

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