インターネット通販市場の成長と物流施設利用の方向性

ZUU online / 2019年7月29日 19時45分

■インターネット通販の成長分野と物流施設利用

前述のとおり、インターネット通販市場の拡大は、ネットショッピングの利用率上昇と、支出の多いミドル・シニア層の拡大に支えられ、継続すると思われる。ただし、ラストワンマイルを支える宅配便における深刻な人手不足等が阻害要因となり、市場の成長スピードが鈍化することも懸念される。

そこで、本章では、インターネット通販市場において、成長余地の大きい分野に着目し、物流施設利用の方向性を考察する。

●成長余地が大きい分野

(1) 食料品を取り扱うネットスーパーの成長可能性

今後、インターネット通販の市場において、どの分野の成長余地が大きいだろうか。市場規模とEC化率(12)の関係を示したものである。「食品・飲料・酒類」(市場規模;約64兆円、EC化率;2.6%)は、市場規模が大きく、かつインターネット通販による購入が浸透していないことが分かる。また、消費期限の短い「食品・飲料・酒類」は、そもそもあまりシェアしないので、シェアリングエコノミー拡大の影響は受けないと思われる。こうした観点から、「食品・飲料・酒類」は、インターネット通販の成長余地が大きいと考えられる。

「食品・飲料・酒類」を取り扱うインターネット通販の事業主体の1つに、ネットスーパーがある。一般的に、ネットスーパーの特徴は、1) サービスの範囲が実店舗近辺に限定されていること、2) 取扱商品は「食品・飲料・酒類」のほか日用品などの生活必需品が中心であること、3) 注文された商品の配達は即日・翌日が大半であること、4) 主な利用者は、共働き世帯や子育て中の主婦層であるといった特徴が指摘される(13)。

現在、主なネットスーパーとして、イトーヨーカ堂が運営する「イトーヨーカドーのネットスーパー」(サービス展開地域;24都道府県)、イオンの「おうちでイオン イオンネットスーパー」(45都府県)、等が挙げられる。

「平成30年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によれば、ネットスーパーの開店率(14)は、全体で17.7%であるが、51店舗以上の店舗を展開している企業では54.3%に達しており、店舗数が増えるほど開店率が上昇する傾向にある。今後の開店意向に関しても、51店舗以上の店舗を展開している企業の34.4%が「積極的」と回答しており、多店舗数運営の企業ほどネットスーパーの新規開店に積極的なようだ。

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