賃貸用不動産を家族にタダで使わせた場合のデメリット

ZUU online / 2019年11月29日 13時5分

写真

(画像=Evgeny Atamanenko/Shutterstock.com)

賃貸用のマンションやアパートに空室が発生した場合、「空いているのがもったいない。家族にタダで使わせようかな」と思うかもしれません。有効活用に見えますが、税金面を考えるとマイナスです。今回は、賃貸用物件を家族に無償で使わせた場合のデメリットについて解説します。

■「空室を家族にタダで使わせる」は使用貸借

借主が、ある資産を「タダで使うね」「これをタダで使って私が収益を得た後返すね」と約束し、貸主から資産を借りることを「使用貸借」と言います。賃貸物件を家族にタダで使わせる行為は、使用収益です。家族間での使用収益は、多くの場合契約書を作成せず、口約束で行われます。

空室を使用貸借で借りた場合、借主の権利は非常に弱いです。それは、借地借家法による保護を得られないからです。さらに貸借期間の定めがない場合は、貸主から「今すぐ出て行って!」と言われたら出ていかざるを得ません。

収入の少ない子供や老親に、賃貸物件の空室をタダで貸して住まわせるのは一見いいことに見えますが、税金面では複数のデメリットがあり、損をすることになります。

■使用貸借すべきでない理由①所得税

使用貸借をした場合、所得税の面で以下のようなデメリットがあります。

●使用貸借部分についての支出や減価償却費は必要経費にならない

所得税法では、不動産所得は「年間の総収入金額-年間の必要経費の総額」で計算されます。ただし、支出したものすべてが必要経費として計上できるわけではありません。不動産収入を得るために直接必要な費用で、家事上の経費と明確に区分できるものに限定されます。

家族に対する空室の使用貸借からは、不動産収入は発生しません。また、借主が貸主と生計をともにする親族ならば、借主の空室にかかる費用(水道光熱費や損害保険料、固定資産税など)は家事上の経費に過ぎません。つまり、不動産所得の計算上の必要経費として計上できないのです。

また、賃貸借されている建物の減価償却費も通常必要経費に算入されますが、使用貸借部分については除外することになります。

●借主が空室を使って得た収益は貸主に帰属する

また、タダで空室を借りている子どもがその空室を他の人に転貸して収益を得た場合には、その収益は借主である子どもではなく、タダで貸している親に帰属します。つまり、貸している側は自分自身の不動産所得に加え、子どもが得た不動産所得を合わせて確定申告をする必要があります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング