ソフトバンク・ビジョン・ファンドが狙う近未来社会の覇権

ZUU online / 2019年8月27日 13時0分

これはIT企業がライドシェアや自動運転の市場をターゲットに自動車データを狙っているからです。

つまりAIにはビッグデータが欠かせず、孫社長も2018年夏から「AIを制するものが未来を制する」と発言しています。年齢や性別、収入や購入履歴などの豊富なデータがあるほど的確なターゲティング広告や需要の見通しを立てやすくなります。

つまりデータ覇権こそ、今後のビジネスで勝ち残るカギとなり、その中でも車は半導体の塊であり究極のIOTと位置づけています。

またGAFAを明らかに意識しており、グーグルやアマゾン、フェイスブックのAIは彼らの産業の範囲内(検索、eコーマース、SNS)と発言しています。

ソフトバンクは各産業のAIのトップと組むことでIT大手との明確な違いを示しており、これを「AI群戦略」と呼んでいます。

今後もこの成長サイクルは加速していくことが予想されます。

とはいえ、自動車関連のAI群戦略によって各企業が収集したデータをどのように活用するのか、まだ明確にはなっていません。

またデータ以外の技術で連携する可能性も考えられます。

AIをどのように活用していくのか、目が離せない展開がしばらく続きそうです。

■ TOYOTAと手を組んだソフトバンク

異業種との連携を急拡大させているソフトバンクですが、今回の提携はトヨタ自動車からと言われています。

なぜなら自動車業界は100年に1度の変革期と言われる時期にあり、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)を軸にした異業種との激しい覇権争いが続いているからです。

事実、トヨタ自動車の豊田章男社長は「生きるか死ぬかの戦いが始まっている」と2018年の秋頃に発言しており、危機感を強めていることが伺えます。

2019年1月には、テクノロジー企業が集まる展示会として有名な米国のエレクトロニクスショーで「トヨタ自動車は車を造る会社からモビリティサービス会社に変わる」と発言しています。

象徴的なのがTRI(トヨタ・リサーチ・インスティチュート)です。

そして招聘したTRIのトップであるギル・ブラッド氏はAI分野の世界的権威であり、世界中から優秀なエンジニアを集めています。

またTRIの東京支社(TRI-AD)では、グーグル出身のジェームス・カフナー氏がCEOに就任し、現在のエンジニア270人を1000人規模に拡大させようとしています。

なぜならADは同じトヨタ系列のグループ会社であるアイシン精機やデンソーが出資する形で、トヨタと3社共同で3000億以上の技術開発が行われるなど、前例がなかった主力サプライヤーを巻き込んで次世代車に向けた技術開発が進められており、エンジニアの確保が生き残りの必須条件だからです。

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