デジタルトランスフォーメーションで変貌する海外金融機関と2025年の次世代金融シナリオ

ZUU online / 2019年9月2日 18時40分

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デジタルトランスフォーメーションで変貌する海外金融機関と2025年の次世代金融シナリオ(画像=PIXTA)

■要旨

  1. デジタルトランスフォーメーションには「ミッション」「ビジョン」「バリュー」「戦略」、さらには企業DNAまでも、すべての刷新が必要とされる。その目的は、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供し、その結果として「顧客との継続的で良好な関係性」を築くことである。
  2. シンガポールのDBS銀行は、デジタルトランスフォーメーションに際して、「会社の芯までデジタルに」「自らをカスタマージャーニーへ組み入れる」「従業員2万2000人をスタートアップに変革する」という三つの標語を掲げた。DBS銀行にとってのデジタルトランスフォーメーションとは、バックエンド、フロントエンド、人・企業文化の三位一体の変革・刷新である。
  3. 米国では、新たなフィンテック企業が新たな価値やサービスを生み出している中、JPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスや代表される有力な既存金融機関がデジタルトランスフォーメーションを進めながら、金融の周辺領域で生まれるフィンテックを垂直統合し発展していく可能性が高い。
  4. 欧州では、オランダING、英国バークレイズ、スペインBBVAといった有力な金融機関に加え、2009年設立のドイツのデジタルバンク「Fidor Bank」などがBaaSを通してオープンバンキングを推進し、「顧客との継続的で良好な関係性」の構築を狙っている。
  5. 次世代金融シナリオの策定に際して、顧客が法人か個人かの分類、顧客に商品・サービスを提供するプレイヤーの「サービス提供者」と「顧客接点」の分類、プレイヤーがテクノロジー志向か関係性志向か、プラットフォーム志向か否かという分類は重要な基軸となる。金融機関はどれに注力すべきかという選択を迫られ、今こそ「選択と集中」が求められる。

■なぜ今、金融のデジタルトランスフォーメーションが求められるのか?

●テクノロジー企業が金融業界へ参入

いま、旧来の金融業界が破壊され、次世代金融産業が誕生しようとしている。キャッシュレス決済をはじめとする、テクノロジーを活用した革新的な金融商品・サービス、すなわちフィンテックが私たちの暮らしをより便利で快適なものに変えつつある。そこでは、アマゾンなどのテクノロジー企業が金融産業へ参入し、「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」という新たなゲームのルールを持ち込んでいる。そうしたなか、テクノロジー企業との競争にさらされる多くの既存金融機関がデジタル変革、いわゆる「デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」と言う)」をメインテーマとして据えてきている。

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