デジタルトランスフォーメーションで変貌する海外金融機関と2025年の次世代金融シナリオ

ZUU online / 2019年9月2日 18時40分

●アジア、米国、欧州における既存金融機関のDX

以下において、アジア、米国、欧州の既存金融機関がDXを通していかに変貌したかを概観する。

アジアでは、シンガポールのDBS銀行を取り上げる。DBS銀行の主な市場は、中国・香港・台湾・インド・インドネシア・シンガポールである。開発銀行として約50年前に誕生した彼らが、DXに大きく舵を切ったのが2009年である。背景にはアマゾンなどメガテック企業の躍進があった。他の既存金融機関がメガテック企業に脅威を感じつつも、デジタル化に二の足を踏んだのとは対照的に、「避けて通れば座して死を待つのみ」という経営陣の危機感が強かったのがDBS銀行である。

米国では、JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスを取り上げる。彼らは数年前から先行してテクノロジー企業への脱皮を図っているが、単なるサービスのデジタル化にとどまらない進化を遂げている。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは「グーグル、フェイスブックが今後の我々の競争相手になる」と断言し、根源的なDXに取り組んでいる。一方で、ゴールドマン・サックスが、自身のメイン業務ともいえるトレーディング部門の縮小とAI化に踏み切ったのは象徴的である。ゴールドマン・サックスは日本で言えば機関投資家や大企業に特化した証券会社のような投資銀行であるが、2016年に個人向けのインターネット銀行「GS Bank」を設立し、中間層をターゲットにしたデジタル銀行のプラットフォーム「マーカス」の提供を開始した。「ベストインベストバンク」と謳われるゴールドマン・サックスがDXを武器にしてリテールに参入したのは、衝撃的なことである。

欧州では、金融機関が自らのインフラや金融サービスをオープンAPIを通してフィンテック企業へ提供する「Banking as a Service(BaaS)」の動きを取り上げる。金融機関が金融データ処理などバックエンドを担い、フィンテック企業がフロントエンドの顧客サービス、顧客接点を担うのがBaaSである。このビジネスモデルが「ネオバンク」や「チャレンジャーバンク」として提供されている。背景には欧州の既存金融機関が抱く強い危機感が存在するが、どのようにDXが進められているかをオランダのINGを事例にして紹介する。

■DBS銀行の「自らを破壊する」デジタルトランスフォーメーション

●「世界一のデジタルバンク」DBS銀行

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