SG会田アンダースロー(マーケット)近い将来のイールドカーブのスティープ化を考え始める必要があるだろう

ZUU online / 2019年9月3日 12時50分

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SG会田アンダースロー(マーケット)近い将来のイールドカーブのスティープ化を考え始める必要があるだろう(画像=PIXTA)

シンカー:日銀は国内のファンダメンタルスの悪化が確認されたら、直ちに追加緩和策などに動くだろう。ただ、足許では賃金上昇は続き、企業の投資スタンスも大幅には弱まっておらず、日本経済の海外の動きに対する耐性は強まっているようだ。円高進行だけを理由に追加緩和に踏み切ると、今後の日米貿易協議などで、緩和政策で為替誘導を行っていると見なされ、交渉が難航するリスクが高まるだろう。逆に内需や家計・企業のセンチメントが大幅に悪化しない限り、現状の緩和政策を辛抱強く維持すると、日銀の緩和政策は2%の物価安定目標達成へ向けての一環であり、為替誘導の意図はないということをアピールできるだろう。グローバルに金利低下が続く中、円債の魅力は高まっているようだ。為替を考慮すると主要国債券利回りより高いことから、円債にシフトを加速させるだろう。グローバルに不透明感が後退する兆しがない中、目先でイールドカーブがスティープ化に転じる可能性は低いだろう。ただ、ファンダメンタルスが堅調であることや中央銀行の政策スタンスを緩和方向に向いていることを考えると、近い将来のスティープ化も考え始める必要があるだろう。

●堅調な内需環境が維持される中、日本の貿易交渉は実利を優先し、妥結に進んでいるようだ

堅調な内需は世界的な景気後退懸念に対しての耐性を強めているようだ。ただ、外需環境は引き続き不透明感が強い状態が続いている。日米貿易協議では日本が米国産牛肉や豚肉に対する関税をTPP水準まで引き下げる代わりに、米国は日本製自動車部品や工業製品に対する関税の引き下げや撤廃などで大筋合意した。両国首脳は最終的に9月の国連総会に合わせて署名する意思を示している。今回の通商協議では自動車関税の撤廃は見送られた。来年に大統領選を控えているトランプ大統領は米国中西部の自動車産業が盛んな州の支持を維持するためにも、自動車関税に関しては強気姿勢を維持している可能性がある。ただ、日本車でも米国で生産されれば、米国の雇用拡大や景気拡大の力となり、トランプ大統領はそれをもとに支持層へのアピールを強めることができるだろう。トランプ大統領は米国で生産されれば、メーカーが日本製であっても、日本車を問題視する可能性は低いだろう。今回の合意で、トランプ大統領は支持層に日本製自動車に対して関税を維持できたと同時に、国内の雇用拡大の可能性も確保できたとみるだろう。一方、日本政府は自動車関税撤廃を諦める代わりに、部品に対する関税引き下げなどで、米国での生産コストを下げ、国内メーカーの収益性を上げることに貢献できたことをアピールするだろう。ただ、両国に妥協策が見出された以上、自動車関税の交渉は長期化するリスクは高まったとも考えらえる。

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