相続財産に債務があり、相続放棄をする際の注意点

ZUU online / 2019年9月29日 18時20分

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(画像=ndrii Yalanskyi/Shutterstock.com)

プラスの財産よりも借金等のマイナスの財産が多い場合、相続放棄を検討するケースがあります。プラスの財産を含めて相続しないことを選択するわけですが、相続の放棄をした相続人は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされます。

今回はこの相続放棄が他の相続人等にどのような影響を与えるのか、また相続放棄をする際の注意点等についてお伝えします。

■相続放棄の概要と流れ

相続放棄をするためには、家庭裁判所に申述を行う必要があります。複数の相続人がいる場合、全員の同意などは必要無く、相続人ごとに相続をするのか(単純承認・限定承認)、相続放棄をするのかを選択することができます。

この相続放棄の申述は、自分に相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に行う必要があります。家庭裁判所で相続放棄の申述書が受理された後、家庭裁判所では、申述が本当に本人の意思に基づいて行われたものなのか、書面による意思確認を行います。その後、その相続放棄が有効か無効かの判断が下されます。

相続の放棄は原則3ヵ月以内に行いますが、家庭裁判所に申請することによってその期間を伸ばすことができる場合があります。例えば相続財産が多く、プラスの財産とマイナスの財産の把握に時間がかかる場合や、3ヵ月を経過した後に債権者から催告状が届き、被相続人に多額の借金があった場合等です。このような場合には裁判所が期間の伸長を認める場合があります。

■相続人でなかった人が相続人に

では、債務があって相続放棄が行われた場合、他の相続人等へはどのような影響があるのでしょうか。相続人が妻・長男・長女の3人だった場合で考えてみます。相続債務は金銭債務等、分割できる債務(可分債務)については各相続人の法定相続分に応じて承継することとなっています。

法定相続分は妻1/2・長男1/4・長女1/4ですが、妻が相続放棄をした場合、長男・長女の法定相続分がそれぞれ1/2となり、債務を相続する割合が増えることになります。長男・長女のどちらかが相続放棄をした場合、妻の法定相続分は1/2のままですが、相続放棄をしなかった長男・長女どちらかの法定相続分は1/2に増えることになり、相続する債務も増えることになります。

では、長男・長女ともに相続放棄をした場合にはどうなるでしょうか。法定相続人の順位は一位:子(代襲相続人[孫・ひ孫]含む)、二位:直系尊属(父母・祖父母・養父母)、三位:兄弟姉妹(代襲相続人[甥・姪]含む)となっていますので、子のすべてが相続放棄をした場合には配偶者が2/3・直系尊属が1/3、直系尊属がいない場合には配偶者が3/4・兄弟姉妹が1/4、兄弟姉妹もいない場合には配偶者がすべての債務を相続することになります。

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