【アジア・新興国】東南アジア経済の見通し~輸出停滞続くも、政策動員により内需は底堅さを維持、景気下げ止まりへ

ZUU online / 2019年9月21日 20時10分

写真

【アジア・新興国】東南アジア経済の見通し~輸出停滞続くも、政策動員により内需は底堅さを維持、景気下げ止まりへ(画像=PIXTA)

■要旨

  1. 東南アジア経済は、米中貿易摩擦の激化を受けて輸出不振が長引き、内需に悪影響が波及したほか、国政選挙後の新政権発足を控えた投資手控えやエルニーニョ現象を背景とする農業生産の鈍化などから景気の減速傾向が続いている。
  2. 消費者物価上昇率は、食品インフレのリスクが残るものの、成長モメンタム鈍化や国際商品市況の落ち着きなどが物価押下げ要因となり、安定推移が続くと予想する。
  3. 金融政策は減速する国内経済を下支えるため、米国の緩和局面が続くなかで追加的な利下げを実施するだろう。国別に見ると、フィリピンとインドネシアが来年初にかけて2回の利下げ、タイとマレーシアが年内1回の利下げを予想する。
  4. 経済の先行きは、世界経済の減速によって輸出停滞が続くなか、在庫の積み上がった企業の設備投資が伸び悩む一方、国政選挙を前に手控えていた投資の実行や各国当局の景気対策により内需は底堅さを保つため、景気は今後循環的な底入れ局面に入り、来年は横ばい圏の成長を予想する。

■東南アジア経済の概況と見通し

●経済概況:輸出不振の悪影響が内需に波及、景気減速続く

東南アジア5カ国の経済は輸出不振を受けて内需に悪影響が波及するなか、国政選挙を控えた投資手控えなどの国内要因が追い討ちとなり、景気の減速傾向が続いている。

輸出は昨年後半から鈍化し、今年に入って減少傾向で推移している。米中貿易摩擦の激化によって世界経済の先行き不透明感が一層高まるなか、半導体不況が継続し、電気電子製品や資源関連などの輸出が振るわなかった。なお、通関ベースの貿易統計を見ると、米国向け輸出の増加が続いており、低迷する輸出を下支える構図になっている。これは米国経済の堅調な拡大が続いたことのほかに、米政府が打ち出す対中制裁関税により中国からの輸出代替が生じたことも一因とみられる。

4-6月期は内需の鈍化が加速した。まず投資は輸出関連企業の業績悪化や昨年の金融引締めの影響によって伸び悩んだ。またタイとインドネシアでは国政選挙後の新政権の発足を控えた企業の投資手控えや新規のインフラプロジェクトの不足、フィリピンでは政府予算成立の遅れや中間選挙前の公共事業の禁止、マレーシアでは政府債務の膨張が投資の押し下げ要因となった。一方、民間消費は物価の安定や選挙関連支出などから底堅さを保ったが、タイとフィリピン、ベトナムでは干ばつによる農業所得の悪化が重石となった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング