吉田修平弁護士に聞く  2020年4月よりスタート「民法(債権法)改正」のポイント

ZUU online / 2019年10月10日 12時0分

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(写真=Wealth Lounge編集部)

2020年4月より、民法制定以来の大改正が実施されます。これによって不動産売買・賃貸借の実務はどのように変わるのでしょうか? そのポイントを日本不動産学会や資産評価政策学会にて理事を務められる吉田修平弁護士にお聞きします。

■大改正は日本の民法をワールドスタンダードに変える

━━今回の債権法改正は、各種メディアでも大きく取り扱われています。なぜこれだけ注目されるのでしょうか。

まず、1986年に民法が制定されて以来の大改正であるということです。

そもそも日本の民法は、明治時代にボアソナード氏というフランスの民法学者を日本に招いて制定されました。

そのため、フランスやドイツといったヨーロッパの法律体系である大陸法を基に、日本独自の変更を少し加えているという特徴があります。

そしてこの大陸法に対し、世界にはもう1つ大きな法律体系が存在します。それが英米法です。

こちらはイギリスで作られ、アメリカや諸外国で使用されている法体系で、力のある国が採用していることで、たとえば国際的な売買においては英米法が世界の共通ルールとして用いられることが多くなっています。

今回の大改正では、大陸法を基調とする日本の民法を、ワールドスタンダードである英米法に寄せるかたちに直さなければ世界での取引に遅れをとる。そういった考えで、抜本的に改正を行うという背景があると考えられます。

■瑕疵担保責任は契約不適合責任へ改正

━━大改正において、賃貸借契約や不動産売買における大切なポイントはあるでしょうか。

賃貸借契約に関しては、これまで積み重ねてきた判例や条文などで個別対応していたものが明文化されることになるため、実務的な部分に大きな変更はない、と見ていいでしょう。

売買においては、「危険負担」と「瑕疵担保責任」の改正については知っておいていただいたほうがいいと思います。

危険負担とは、不動産のような「特定物」について売買契約が成立した後、引渡しまでの間に売主の責を負わない事由によって引渡しが出来なくなった場合に、目的物の引渡債務が消滅することに応じて、買主の代金支払い義務が消滅するか否かの問題です。民法上はその債務の債権者である買主が責を負うことになり、売買の代金債務は消滅しません。

しかし、目的物を取得できないのに買主が代金支払義務を負うのは不公平との意見も多く、限定的に考えるべきとの説も有力です。そのため、不動産実務上、特約で売主の負担とするのが通例です。

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