日銀が支える不動産価格 REITと不動産市場のメカニズムを考察する

ZUU online / 2019年11月24日 8時0分

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(写真=WHYFRAME/Shutterstock.com)

国内の不動産市況はここ数年好調を維持し続け、三大都市圏では騰勢をさらに拡大、地方も2019年にはようやくプラスに持ち直しました。

背景には2020年オリンピックを含めた再開発、ネット通販拡大に伴う物流インフラ建設、インバウンドに伴うホテル需要などさまざまな条件がプラスに働いていますが、下支え要因として「日銀によるREIT(不動産投資信託)買い入れ」の存在も忘れてはいけません。一方で、日銀のスタンスには最近変化も見られつつあります。

この記事では、不動産市場におけるREITの位置づけや、日銀の買い入れがREIT相場ひいては不動産市場に与える影響および今度の動向について解説します。

■日銀のREIT買い入れが不動産市場を支えるメカニズム

REITは不動産投資法人が発行する投資証券で、投資法人は発行を通じて不動産ビジネスに必要な資金を調達、一般投資家には賃貸収入・不動産売買による収益が分配されます。

日銀が買い入れているREITは既発のものであり、投資法人のバイイングパワーに直接結びつくわけではありません。それでも、買い入れがREITへの安心感を高めたことで、結果的に投資法人の資金調達を円滑化させ、バイイングパワーを支えています。ちなみに2018年のIPO・増資は0.7兆円と高水準を維持しています。

加えてREIT投資法人がかかわる再開発事業エリアとその周辺で不動産購入を誘発し、価格上昇効果を発するとされています。

■買い入れ残高累計はすでに5,000億円

2008年のリーマンショックに伴う経済危機・金融危機から脱却するため、主要先進国の金融当局は緩和的措置を矢継ぎ早に打ち出し、金利調整だけでなくリスク資産購入といった「未知の領域」にも踏み出し始めます。

日銀も2010年10月に包括的な金融緩和政策を発表、あくまで臨時措置としてETF(上場投資信託)4,500億円およびREIT500億円の購入を盛り込みました。

一時的とされたREIT買い入れはその後アベノミクスに引き継がれ、継続政策に衣替えします。当初年間300億円とされた買い入れ目標額も、金融緩和強化のため徐々に増額、現在では900億円に達しています。

日銀保有のREIT累計残高は時価換算で5,000億円を超え、J-REIT時価総額(12兆円)の4%前後に達しています。

■日銀が買い入れ中止?身構える証券・不動産業界

ここ数年目標額上限(900億円)に張り付いていた日銀のREIT買い入れ額ですが、2018年は550億円と目標額を4割下回りました。

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