「貯蓄型の生命保険は貯金と同じ」と思ったら大間違い

ZUU online / 2019年11月5日 17時40分

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(写真=fizkes/Shutterstock.com)

貯蓄型の生命保険に加入していたり加入を検討していたりする人は、なぜそのタイプを選んだのでしょうか?「掛け捨てだともったいない気がするから」「資産形成のため」「貯金の代わりになるから」などさまざまな理由が聞こえてきそうです。しかしこの考え方には大きな落とし穴があります。

■返戻率と利回りの大きな違い

貯蓄型の生命保険の特徴は、解約したり満期を迎えたりすると一定の返戻率にもとづいた金額を受け取れることです。原則的に返金がない掛け捨て型と比べて「貯蓄性が高い」と考え、資産運用の一環として加入する人も多いのではないでしょうか。返戻率とは、支払い済みの保険料に対する返金額の割合のことです。例えば月払いで保険料1万円の保険に加入し、満10年経ったときに解約するとします。

返戻率が70%だとすると、支払い済みの保険料120万円に対して、返金される金額は84万円しかありません。返戻率が110%なら、132万円が戻ってきます。多くの保険商品は、払込期間内に解約すると100%を大きく割り込みます。保険料の支払いを終えると100%を超える設定になっていることも少なくありません。

例えば15年払いで払込期間終了直後の返戻率が100.5%の保険商品があったとします。0.5%増えているので立派な運用と思うかもしれません。しかしこれを年率換算すると単純計算で約0.03%にしかなりません。低金利時代においても定期預金の年利は、条件次第で0.1%以上になることもあります。先ほどの15年払いのケースよりも定期預金積立をしたほうがお金を増やせるでしょう。

生命保険を資産運用として考える場合、返戻率を1年あたりの利回り(支払ったお金が増える割合)に換算し、預金や他の運用方法と比べてみることがおすすめです。

■差の原因は預けたお金の使われ方にあった

超低金利の時代にもかかわらず、なぜ定期預金の利子が生命保険のメリットを上回ることがあるのでしょうか。その理由は、生命保険の仕組みを考えるとわかります。保険会社の収入源は、加入者から徴収する保険料と運用益です。保険会社はお金を預かる立場なのでハイリスク・ハイリターンな投資はできません。考えられる中でもっとも慎重な運用をします。

保険会社の支出は、他の加入者の支払いに回る「純保険料」と保険会社の経費である「付加保険料」によって構成されているのです。付加保険料は従業員に対する給料や広告費などで預金など他の資産運用ではかからない費用になります。運用の利回りが低く、さらに付加保険料という経費がかかるため、返戻率は低くなりがちなのです。

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