フリー転身後も人気衰え知らず…加藤綾子特集

2018年5月9日更新

現在放送中のTBS日曜劇場『ブラックペアン』に女優としては初めてのレギュラー出演をしているフリーアナウンサーの“カトパン”こと加藤綾子。2008年のフジテレビ入社以来、女子アナとして不動の人気を獲得し、16年にフリーへ転身した以降も視聴者やテレビ関係者から絶大な支持を受けています。アナウンサーとしてのこれまでの活躍や人気の要因などをまとめてみました。

話題のドラマで活躍中の女優・加藤綾子

『ブラックペアン』でドラマ初レギュラー出演

本作で本格的に女優デビューを飾る加藤は、治験コーディネーター・木下香織を演じる。
加藤が扮(ふん)する香織は、新薬や新機器開発の治験の窓口となる人物。“神の手”を持ち絶対的権力を持つ東城大の佐伯教授(内野聖陽)や、“オペ室の悪魔”と呼ばれ、皆に恐れられている渡海といった面々と対等なやりとりをしていく。さらに、帝都大の刺客として東城大にスナイプを導入しようとする高階(小泉孝太郎)にも接触するなど、自分の信念を貫いて医療業界をけん引する。
本作において、香織は物語を引っ張る重要な人物となる。

出演が決まり「がむしゃらに新人のつもりで」

「出演依頼をいただいたときは、(連続ドラマのレギュラー出演が)初めてのことでドラマの現場にいる自分が想像できなかったですが、新しいことにこのタイミングで挑戦させていただけることは本当にありがたいことで、がむしゃらに新人のつもりで吸収できるものはすべて吸収して取り組みたいと思います。木下香織という役は内に秘めた強さがあり、しっかりとした女性だと思いますので、その香織のイメージをしっかり表現したいです。一生懸命逃げずに頑張りたいと思いますので、ぜひご覧いただければと思います」

共演者は「エロい」「女優さんですよ」と絶賛

舞台あいさつでは謙遜していたが共演陣は加藤を褒めまくった。加藤浩次が「カトパンもよかったです。エロい感じ出てましたよ~」と言えば竹内涼真も「エロいですよ、ホントに」と絶賛。加藤綾子は照れるばかりだった。
また、内野聖陽からは「女優さんですよ。この先も女優を続けるんですよね。カトパンさんのシーンだけ“女優ライト”あります。もう、すごいですよ」と暴露すれば、二宮は「たぶん調子ノッてます」とイジり、加藤は「そんなことないですよ」と大慌てだった。

批判もありつつ評価は上々

「アナウンサーがぬぐい切れていない」「演技ヘタクソ」と批判の声も当然あるようですが、「違和感がない」「元アナだけあってセリフが聞き取りやすい」など評価もなかなかのようですよ

視聴者からも称賛のコメントが寄せられています。

初回を観た視聴者からは、「加藤綾子さんお芝居うまいよ。無表情なハラに何か隠している野心家感がいいよ」「あまり期待してなかったんだけど、思ったよりずいぶんよかった」といった称賛コメントがTwitterにも寄せられた。

NHK連続テレビ小説『半分、青い。』にも出演

アナウンサー役で登場

加藤は永野芽郁演じるヒロイン・鈴愛が憧れるカリスマ少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)の出演するトークショーで司会を務めるフリーアナウンサー役。

90年代の女子アナ役での出演に「違った自分」

「いつも見ていた朝ドラに私、本当に出るの?という不思議な気持ちです。アナウンサー役という事でいつも通りという気持ちで挑みましたが、90年代のバブリーな髪型、服装でカメラの前に立った事はこれまでのアナウンサーのお仕事の延長では無く、違った自分で出た気分でとても楽しかったです!」

過去には短編ドラマやCM、コントにも挑戦

昨年の『世にも奇妙な物語’17秋の特別編』(フジ系)で、女優デビューしていますし、CMなどでも演技は経験済み。『志村けんのバカ殿様』(同系)で、何度も志村とコントを演じており、その勘の良さを志村も絶賛していました

短編ドラマ『世にも奇妙な物語 '17秋の特別編』

短編作品『女子力』で、Instagramに写真をアップする、女子力高めな会社員の女性を演じているという。加藤アナは出演オファーを受けた時の心境を「不安はありましたが、尺が短くセリフも少ない作品だったこともあり、アナウンサー業の幅を広げるためにも、新しいことに挑戦してみようと思った」と振り返っている。

テレビCM「スマートフォン『AQUOS』」

CM撮影秘話を聞かれると「生活の1シーンと切り取る感じだったので、自然体って意識すると自然体じゃなくなるし、どうしようって。自然体は難しいですね。でも、現場の雰囲気も軽くしていただいて。監督さんも良く褒めてくださって、褒められてだんだんと気持ちよくなって撮影しました」と初の企業CMに緊張しながらも楽しめたと語り「褒められて伸びるタイプなんです」とアピール。

フリー転身後のカトパンの活躍

『MUSIC FAIR』で仲間由紀恵の代役として司会を務める

女優の仲間由紀恵が2日収録、28日に放送されるフジテレビ系音楽番組『MUSIC FAIR』(毎週土曜 後6:00)の収録をもって産休入りし、代役としてフリーアナウンサーの加藤綾子が同局・軽部真一アナウンサーとともに司会を務めることがわかった。
加藤はこれまで、『FNS歌謡祭』、『FNSうたの夏まつり』、『FNSうたの春まつり』などの音楽特番で司会を担当した経歴はあるものの、レギュラーの音楽番組は今回が初めて。

『世界へ発信!SNS英語術』にてNHKで初レギュラー司会

「世界へ発信!SNS英語術」(Eテレ、毎週木曜 午後11時30分~)では、スタジオにSNS系メディアで活躍する専門家や著名人を迎え、気になるトレンドや社会現象を幅広くピックアップ。「旬の英語表現」と「SNSでの発信術」を学んでいく。加藤アナは、「海外に行った時に友達任せなところがあったので、自分でもしっかりコミュニケーションを取れるように勉強したい」と意気込みを語った。

アナウンサーでありながら意外にも英語が苦手で、SNSが未経験という加藤。この番組を通して新たな挑戦に立ち向かう姿が見られそうです。

「アナウンサーは英語をしゃべれる人が多いのに、私は全然しゃべれない。いよいよ“頑張らなきゃな”と切羽詰まった感じなんです」と苦笑い。また、SNS経験がないそうで、「本当に色々初挑戦なんです」と緊張気味に明かした。

2016年には雑誌グラビアやモデルに挑戦

『週刊文春』でグラビアに初挑戦

2016年5月26日発売の『週刊文春』では「原色美女図鑑」でグラビアデビューを飾っています。

『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)で、司会の明石家さんまに『週刊文春』のグラビアに出演したことをイジられると、彼女は大笑いしながら「本当にすみません!」と恥ずかしそうにコメントしたのだ。

『Oggi』でファッション誌デビュー

上記の『週刊文春』の2日後、5月28日に発売された『Oggi』で女性ファッション誌に初登場。“モデルデビュー”を果たしています。

逸話とともに振り返る加藤綾子ストーリー

プロフィール

生年月日1985年4月23日
出身地埼玉県
血液型O型
身長166cm

幼少期からピアノが好きで音大出身

NHK初出演の番組でピアノの腕前を披露

NHK初出演はピアノを題材にしたドキュメンタリー番組のメインリポーター。収録後のインタビューで、ピアノに対する自身の思いを語っています。

幼稚園生の頃から始めたピアノが大好きで、音楽大学出身の加藤はBSプレミアムのインタビューで「ピアノをやっていたことが生かせるお仕事と巡り会えたのが、とっても嬉しかったです」と喜び「じっくりと、一つのものの歴史を探る旅に出るのは初めてでした。高校から(音大の)付属に通っていましたが、ここまで深くピアノについて知る機会、触れる機会はなかったです」と今回の番組出演で新たな発見があったことを語った。
番組では「アナウンサーのお仕事より、ピアノの方がずっと緊張します」という加藤のピアノの腕前も披露している。

過去にはフジ女子アナ音楽ユニットで作曲を担当

フジテレビアナウンサーがメインの深夜バラエティ番組『アナ★バン!』の企画から生まれた音楽ユニット「Early Morning」に、新メンバーとして2010年に加入。11年にリリースされた3rdシングル『少しずつ 少しずつ』では、カトパンが作曲を担当しました。

入社1年目で番組MCに抜擢など輝かしいフジ時代

民放3社から内定をゲットした“スーパー綾子”

なんと受験した日本テレビ、TBS、フジテレビの全てから内定を得たのである。彼女はその中からフジを選び、晴れて2008年に入社する。
入社1年目から『ショーパン』の後番組である『カトパン』のMCに就任すると、一躍お茶の間から脚光。その勢いを買って、2年目に『ホンマでっか!?TV』のMCに抜擢されると、その変貌自在のアドリブと、女子アナらしからぬ大胆な発言で一躍ブレイク。5年目の2012年には、生野アナの後を受け、晴れて『めざましテレビ』のメインキャスターに。名実ともにフジのエース女子アナになったのである。

入社早々の“茶髪ギャル写真”騒動で退社寸前の過去も

新人ながら朝の生放送番組「めざにゅ~」の情報キャスターに抜擢されたが、入社早々に「FLASH」(光文社)で、学生時代の茶髪ギャル写真が掲載されてしまった。当時、それにショックを受けて退社寸前だったという。
〈私一人の問題なら“まあいいか”と割り切れたと思うんですけど。髪を染めたり、派手な服を着ていたり、私の過去の写真が出回ることで、大切な家族や親戚までもが後ろ指を指されてしまうかもしれない〉
それでも応援する母親に背中を押されて、続ける決意をしたのだとか。

フリー転身を決めたきっかけは“生放送中の退席”

それが起こったのは退社から1年前のこと。その日は風邪気味だったが、番組を休むほどではなかったため出演することに。
実際、番組開始直後は問題はなかったそうなのだが、原稿を読んでいるうちに息苦しくなり、その後、酸欠状態になって気づいたときには倒れていたと言うのだ。
この一件までは、体が辛いと思ったときも「まだいけるという意識で持ち直してお尻を叩いていた」とのことだが、失神してしまったことで「もうちょっと体を優先して考えよう」と思うようになったとのこと。

自身初の著書で笑顔に隠された思いをつづる

2016年に著書『あさえがお』発売

これまでは会社員の立場だったので、聞き役に徹し、自分のことをお話しすることはほとんどありませんでした。そのためか、「カトパンってどんな人なのかわからない」というご意見をいただくことも。そこでこの度、初めて本を書きました。タイトルは『あさえがお』。お世話になった方や応援してくださる視聴者の方へ御礼を込めて、私の気持ちをお伝えできればと思っています。

視聴者・業界関係者どちらからも高い人気

「好きな女子アナ」ランキングで常に上位に君臨

オリコンの「好きな女性アナウンサーランキング」では第7回(2010年)で初のトップ10入り(4位)を果たし、続く第8回と第9回では首位に。第10回からは日本テレビの水卜麻美アナ(のちに5連覇で殿堂入り)に首位の座を譲るも、その後は第13回まで4年連続の2位。最新の第14回では4位に順位を落としたものの、常に上位をキープしています。

また、『週刊文春』による「好きな女子アナ」では、12年に前年の25位から一気にトップに躍り出て、13年は春・秋ともに2位、14年は春・秋ともに4位、16年と17年は2位と、こちらも上位をキープ。06年から17年までの12年間の総合ランキングで堂々の2位を獲得しています。
17年のアンケートでの意見では…

「フリーになってもタレントみたいにならずに真面目に取り組む姿勢に好感が持てる」(62・女性)
「どの女子アナよりカトパンが一番、大御所芸人の扱いが上手」(30・女性)

ただ、「好きな」で上位を獲得する一方で、文春の「嫌いな女子アナ」では3期連続の1位も…。これも高い人気の裏返しでしょうか?

視聴者を引きつける魅力とは?

親しみやすく品のある口調で話して絶妙な好感を与える

親しみやすく品のある口調で話し、華はあるがかつての河野景子や有賀さつきほど強烈すぎるわけでもない。実に絶妙な好感を視聴者に与える。
バラエティ番組でも自ら積極的には喋らないが、話を振られれば下ネタにも対応し、「チューしながら喋ったことあります」と自分をさらけ出すことも。

学歴コンプレックスだった過去を明かし視聴者称賛

2015年に『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演した加藤。音楽大学出身の加藤だが、フジテレビの入社試験の際に周囲が慶應や早稲田などの有名大学出身者ばかりだったことに圧倒されてしまったという。「(アナウンサーになるのは)絶対無理」と思い帰宅してから涙を流した加藤だが、結果はもちろん見事合格。この放送を見た人からは「この学歴の人達相手に勝ってるんだよね? すごすぎるよね」「音大は就活大変だからよくやったよ」と称賛の声も上がった。

意外な“ドSキャラ”でも視聴者を魅了?

高校生の頃、当時流行っていた昼ドラマの『牡丹と薔薇』(フジテレビ系)に影響を受けていたという加藤は、小沢真珠演じる香世のセリフ「このブタ!」がいたくお気に入りのようで、誰かがボケたりした際には「このブタ!」と連発して罵倒していたらしい。番組内でも、隣ではしゃぐダイノジの大地に「このブタ!」と一発お見舞いしていた。
『脳活アップデートQ!スマートモンキーズ!!』(フジテレビ系)に出演していた際には「お説教TIME」というコーナーで「なにやってくれてんのよ?」「罰として相方のギャグやりなさい」などの高圧的な発言をメガネ姿で披露していた。これは、あくまでも番組内で設定されたキャラを演じていただけだが、それでもネット上では「綾子Sきたあああああああ」「ドSカトパン、ハァハァ」という声が相次いだ。

業界関係者から見たカトパンの魅力

宮根誠司「パッと出てきて、スッと引いて…」と絶賛

宮根誠司アナも『優秀だと思う女性アシスタント』に加藤の名を挙げており、『パッと出てきて、スッと引いて、またアシスタントのポジションに戻れる。戻り方がめちゃくちゃ速い』と絶賛していました。

稲増龍夫・法政大学教授「何でも自然にできてしまう」

「出過ぎず、かといって引き過ぎず、どの点を取っても目立ち過ぎない。でもいなくては困る空気のような存在。本来求められている最高のアナウンサー像といえます」
「番組の女子アナ料理対決で2連覇を果たしたり、音楽ユニットを組んで作曲をすることになってもそつなくこなすなど、何でも自然にできてしまう。次々と新たな一面を見せてくれるから人気を保っていられるんです」

「バランス感覚が天才的」

以前から『ツッコむところとスルーするところの判断が素晴らしい』と、業界内では高評価でした。前面に出る必要があり、ある程度“我の強い”メインMCと違って、アシスタントは出るところと引くところをわきまえるバランス感覚が必要です。そのあたりのセンスは学んで身につくものではないので、加藤はまさに天才的といえるでしょう

「どんな話題を振られてもキッチリと返す」

「加藤アナはトークでどんな話題を振られても、固まったりすることがない。明石家さんまさんのような大物芸人にいじられてフリーズしてしまう人も多い中、彼女は臆することなくキッチリと返します。
芸人たちからすれば、スベってもいいから何か話してほしいというのが本音。まったく物おじしない度胸のある加藤アナは、芸人からのウケが抜群なんです」(放送作家)

「とにかくアナウンスのスキルが高い」

「加藤さんはお喋りが大好きでアナになった人。だから、カメラが回っていない時もADたちとずっと喋っている(笑)。そんな加藤さんだから、とにかくアナウンスのスキルが高い。インタビューでもぐいぐい話を聞くので、トークも盛り上がります」(バラエティ番組AD)