特集2018年2月17日更新

安くてオシャレで大人気! 進化系カプセルホテル

以前までは「終電を逃したサラリーマンが宿泊する場所」というイメージがあったカプセルホテル。しかし近年では、さまざまな趣向を凝らした“進化系”カプセルホテルが増え、男性はもちろん、女性や外国人観光客の間でも人気が高まっています。

目次

カプセルホテルは日本生まれ

歴史の始まりは1979年開業の「カプセル・イン大阪」

世界初のカプセルホテルは、『カプセルホテル・イン大阪』(ニュージャパン観光)で、1979年に誕生している。ベッドと棚などを必要最小限にまとめた空間は、終電を逃したサラリーマンがタクシー代を節約するための宿泊施設として、爆発的ブームになった。

大阪万博の“ある建築物”が誕生のヒントに

建築家・黒川紀章氏による「住宅カプセル」

黒川紀章さんは1970年に大阪万博で、斬新な「住宅カプセル」を発表します。カプセルの中に各種の機能を盛り込んだ生活空間で、カプセルを持ち運べば、そのままカプセルの設置場所が居住スペースになるという優れものですね。

そして、その後に黒川氏が発表した「中銀カプセルタワービル」。この2つの建築物からカプセルホテルへとつながったようです。

1972年には実際に、その画期的なカプセルを有機的に積み上げたような中銀カプセルタワービルという建物が、東京の銀座に誕生しました。
こうした流れにヒントを得たニュージャパン観光という企業の社長が、黒川紀章に話を持ち掛け、世界で初めて『カプセル・イン大阪』というカプセルホテルを1979年に誕生させたのだとか。

“バブル崩壊”を受けてカプセルホテルが減少

一時は500軒ものカプセルホテルがありましたが、バブル崩壊とともに減少。1990年代後半には200軒を割り込むまでに。

2009年に次世代型カプセルホテルが登場

2009年からは、女性客もターゲットにしたり、施設などにエンターテイメント性を持たせたりする「次世代型」「進化系」のカプセルホテルが新たな息吹をもたらし、再びカプセルホテルに注目が集まるようになります。

先駆けとなった『ファーストキャビン御堂筋難波』が、それまで定番だった2段式の客室をやめ、女性専用フロアを設けて注目を集めると、多くのホテルがこれに追随。女性客を見込んだホテルが次々登場。さらに、ベッド素材も大きく変化。当初主流だったFRP強化プラスチック製から、アルミやスチール製に変わり、設置や取り外しも簡単になった。

進化系カプセルホテルが発展した要因

進化系カプセルホテルが発展した要因としては、女性専用エリア需要の高まり、LCCや格安高速バスといった低廉な移動手段の発展、インバウンド需要の高まりなどと密接な関連がある。女性需要という点では、従前の男性専用施設をリニューアルし女性専用エリアを設ける施設が目立つ中、女性しか利用できないカプセルホテルも誕生している(「NADESHIKO HOTEL SHIBUYA」「秋葉原BAY HOTEL」など)。

次のブロックでは、そんな「次世代型」や「進化系」などと称されるカプセルホテルをいくつか紹介していきます。

話題の「進化系」「次世代型」カプセルホテル

豪華カプセルホテル 安心お宿プレミア 新橋汐留店

「男の秘密基地! 進化系カプセルホテル」をキャッチフレーズに、ミニコワーキングスペース付のカプセルとして、ビジネスデスク&高級チェアを配したビジネスプランの新設など、ビジネス街という立地に根ざしたコンセプトを打ち出す。

業界初の“loTスマートカプセル”を標榜

カプセル業界初の“loTスマートカプセル”を標榜する。専用タブレットで、カフェや浴場 トイレの混み具合が一目でわかる。安心お宿では全店で、ビットコイン電子決済を導入するなど、様々なトライがみられるブランドだ。

「統合IoTデバイス」による新サービスとは

「統合IoTデバイス」による新サービスは以下のようになっているそうです。

1. カプセルルーム内のタブレットで館内設備の利用状況を把握
カプセルルームで利用できるタブレットで、大浴場やトイレ、ラウンジなどの利用状況が把握できるほか、フロントへのオーダーも可能になります。

2.カプセルルーム内のタブレットで照明のコントロールが可能に
カプセルルームで利用できるタブレットで、照明のコントロールが可能になります。

3.マルチ言語対応の観光案内
カプセルルームで利用できるタブレットで、日本語をはじめ各国語の観光案内が閲覧できる予定です。日本のユーザーだけでなく、訪日外国人観光客にも「進化系カプセルホテル『安心お宿プレミア新橋汐留店』での宿泊」がそのまま「観光」となる新しいエンターテインメント体験の提供を目指しています。

充実した設備と豊富なアメニティ

The Millennials(ザ・ミレニアルズ)

ajisai17さん(@ajisai17)がシェアした投稿 -

最新のIoT(モノがインターネットにつながること)活用の客室や共有スペースを兼ね備えた、進化系カプセルホテル

iPod touchで客室をコントロール「スマートポッド」

室内の環境はこちらのスマートフォン型の端末でコントロール。ベッドのリクライニング、照明の明るさなどはインターネットを通じて調整。
端末で操作すると、ソファの状態だったベッドがあっという間にフラットに。120cm幅とゆったりしたサイズなので手足をのびのびと伸ばせます。

敷地面積の20%を使用した充実の共有スペース

ホテルの敷地面積の20%を共有スペースにあてているそうで、広々とした空間。使い心地のいいモダンなテーブルや椅子、ソファーが置かれ、ゆったりと寛げるカフェのような雰囲気。至るところにコンセントがあるので何かと便利です。

なお、3月15日には東京都渋谷区に「ザ・ミレニアルズ渋谷」がオープンする予定です。

FIRST CABIN(ファーストキャビン)

「FIRST CABIN(ファーストキャビン)」は飛行機のファーストクラスをイメージして作られたコンパクトなホテルです。
快適性と機能性両方を兼ね備えた2種類のキャビンを用意し、それぞれ飛行機の「ファーストクラス」と「ビジネスクラス」に分かれています。
そして何よりこの「FIRST CABIN」が画期的な点は、その値段の安さ! 飛行機のファーストクラスをイメージした客室が、カプセルホテル並みの料金で宿泊できるというから驚きです。
ゆったりめのシングルベッドとちょっとしたデスク、テレビが。遮蔽性のあるカーテンを閉めると密閉感があるのでぐっすりと休むこともできます。電源もあって各デバイスを充電する際にも安心。プライベートスペースが広く、何をするにしてもくつろげるのが良いところです。

華やかな共有施設

共有施設として豪華ラウンジ、ジャグジーなどのサービスもあるため、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

9h ninehours(ナインアワーズ)

“シンプルタイプ”の代表格は「ナインアワーズ」。カプセルユニットが宇宙船のようなイメージで話題に。シャワーのみの利用や1時間からの仮眠利用など、シンプル・ローコストならではのフレキシブルな利用プランを前面に打ち出す。
高機能かつ高品質な設備で、短期間でも満足のいく時間に。汗を流す(1h)、睡眠(7h)、身支度(1h)をステイモデルとして、最大21h滞在が可能だ。目的に応じた使い方ができる。

宇宙船のようなカプセルユニット

内側からロールスクリーンが閉められるようになっています。カプセル内は思った以上に広く、閉塞感を全く感じさせません。壁や天井が丸いフォルムを描いているからでしょうか、なぜかとても居心地がいいのです。
マットレスは「プレスエアー」という素材が使われているようで、ナインアワーズ専用の特別仕様なのだとか。体全体がしっくりとマットに包まれ、抜群の寝心地でした。

Matt McDanielさん(@seasaa)がシェアした投稿 -

枕の上には寝室環境システムが設置。これは「Sleep」ボタンを押すとだんだんとカプセル内が薄暗くなり、「Set Up」ボタンでセットした起床予定の時刻に合わせてゆっくりと明るくなり、穏やかに目覚められる画期的なシステムなのだそう。筆者は初めて体験しましたがスマホのアラームよりもはるかに心地よい目覚めで驚きでした。

3月30日にグランドオープンを迎える「ナインアワーズ竹橋」では、皇居ランナーの「ランニングステーション」としての機能も提供するようです。

皇居ランナーに向けて、シューズロッカーやランニングウェアおよびランニングシューズ等のレンタルも行います。シャワーブースでは、通常のシャワーに加えてTOTOのウォームピラーを採用。特別に制御した身体に沿って流れる水流による高い温浴効果でランニングの疲れを癒してリフレッシュすることができます。

℃(ドシー)

サウナ体験の要である温度を表す単位「ドシー(℃)」をブランド名に据え、“ロウリュ”とウォームピラー(冷水)のセットによるサウナをメインにした24時間型のトランジットサービスを提供いたします。
宿泊・仮眠スペースであるカプセルユニットは従来のものを活かしてリユースし、 そこにクリーンで高機能なサウナを加えました。
宿泊のみならず日中のちょっとした自由時間でも手軽に利用いただくことで、日常をより豊かにするリフレッシュの新たな道具として機能したいと思います。

フィンランドの本場式「サウナ」が体験できる

サウナの本場フィンランドに倣い、室内は高めの90℃前後に定温管理しながら、熱したサウナストーンにお客様ご自身でミント水をかけてじんわりと蒸気浴を楽しむ“ロウリュ”を体験できます。
また、クールダウンには水風呂ではなく、体にまとわりつくように水流を制御した水の柱が頭上から流れるTOTOのウォームピラーを、冷水専用にコントロールして用意。水温は15℃、20℃、25℃、30℃、さらに季節によって温度変化を楽しめる常温(水道水自然温)から好みに合わせて選ぶことができ、ベンチに腰掛けてリラックスしながらクールダウンできます。

ドシー専用のこだわりアメニティ

アメニティのこだわりも嬉しく、ボディソープ、シャンプー、コンディショナーは玉の肌石鹸の「TAMANOHADA 006」をドシー専用で復刻。

global cabin(グローバルキャビン)

グローバル キャビンではコストパフォーマンスの高いサービスにより、
ご宿泊いただいたお客様の翌日のアクションを心地よく進めていただける配慮を心掛けてまいります。
客室設備の特長としては、全室に共通したカプセル型のベッドスペースにデスクスペースを完備しており、
お食事やパソコンワークなどにご利用いただけます。
『美』と『健康』にこだわったサラダ専門カフェ『ギンサイ キッチン』を完備しており、
通称『食べるサプリ』のチョップドサラダを始めとした多彩なベジタブルメニューをご用意しています。

GLANSIT AKIHABARA(グランジット秋葉原)

GLANSIT とは「グランピング」 × 「トランジット」
快適な設備のもと、優雅に自然を満喫できる贅沢なキャンプ「グランピング」
目的地に行く途中で立ち寄ること、中継することの意味である「トランジット」を掛け合わせた造語です。
GLANSIT AKIHABARA は多様な目的を持つゲストの都市活動の拠点として、また安らぎある癒しの空間として新たなホテルの価値を提案いたします。
フレキシブルな滞在プランを導入しており、「宿泊プラン」はチェックイン~チェックアウトの滞在期間を17H、21H、22H、26Hから、休憩・仮眠・シャワーなど短時間利用に最適な「休憩プラン」は1H、3H、5H、8Hから選ぶことができる。

女性も安心のセキュリティ環境

各フロアは、男女別に分けられており、ICドアによる入場制限の設備を完備。ベッドフロアだけでなく、大浴場やラウンジといった共有スペースでも異性を気にすることなく、安心・快適に過ごしていただけます。

半個室の「プライベートカプセル」

なんとスライドドアを開けるとデスク付きの空間が用意されており、まるでビジネスホテルのような利用が可能となっている。ノートPCが手放せない社会人には嬉しいサービスだ。

男女別フロアの大浴場完備

昼の12時~翌朝10時までご利用いただける男女別フロアの大浴場。足を伸ばしてゆったりできる大浴場とシャワーブースを完備。さらに男性大浴場にはジェットバスを備え、快適性を高めました。
また国内ブランドのシャンプー類や、シェービング、ボディータオルも完備。女性には「DHCオリーブゴールドシリーズ」の化粧水・乳液・シャンプー類、ドライヤー、ヘアアイロンもご使用いただけます。