特集2018年2月21日更新

カフェにネイルにヨガ?最新コインランドリー事情

最近、コインランドリーの新規店舗を見かけることが増えました。出店数でコンビニを上回っているという統計もあるそうです。また、カフェが併設されているなど新しい形のコインランドリーも増えているとか。最近のコインランドリー業界の動向と、進化を見せるコインランドリーのサービスについてまとめました。

目次

近年活況を呈するコインランドリー業界

コインランドリーは年々増加

共働きや独身者の増加などが原因となり、コインランドリーの需要が増加傾向にある。厚生労働省が発表している「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生実態調査」によると、その営業施設数は96年以降、年々増加を続けているようだ。

出店店舗数はコンビニを上回る

業界推計の数字によると、2015年度時点で1万8000店舗が全国にあり、出店店舗数ではコンビニエンスストアの新規出店数を上回るという。急増の背景には、単純に需要増加による供給増加という構造がありそうだ。

コインランドリーが増加している理由

共働き世帯の家事の時間短縮に

女性の社会進出により、共働きの兼業主婦ができる限り家事の時間を短縮したいので、通勤の帰りにちょっと立ち寄るといったケースが増えている。また、高層マンションなどの集合住宅に住んでいると、部屋干しなどをすると臭いがついたりするため、わざわざコインランドリーに行き大型乾燥機を使うということも増えているらしい。

布団やカーペットの洗濯ニーズ

「共働き世帯の増加で、毎日洗濯をする余裕がないうえに、天気が心配な日はベランダに洗濯物を干して出掛けるのも気が引けるという人が多い。そこで、週末にまとまった洗濯物をコインランドリーに持っていけば、短時間で大量の洗濯・乾燥ができます。
また、花粉やダニ、PM2.5、ペットの毛などが気になり、布団やカーペットを常にきれいにしたいとのニーズが増えています。コインランドリーはそうした家庭では洗濯できない大きな物も丸洗いできるので便利なのです」

クリーニングよりリーズナブル

何よりもコインランドリーは経済的だ。料金は洗う重要によっても異なるが、洗濯だけなら500円~1000円、乾燥機は100円で5、6分は回る。布団も2000円もあれば洗濯・ふわふわ乾燥まで仕上がる。クリーニング業界が苦境に喘いでいるのは、手軽なコインランドリーに顧客を奪われているからに他ならない。

投資の対象になっている

個人投資家の間では、コインランドリーは利回りのよい投資案件と見なされており、投資をアレンジしたり、フランチャイズ展開する企業も増えている。
コインランドリー投資が一般的な不動産投資に比べて初期投資が少なく、軌道に乗れば利回りが高くなることだ。コインランドリーのオーナーになれば、年率15%以上のリターンが狙えると人気となっている。

大手4社がけん引するコインランドリー業界

上場を果たしたWASHハウスと追随する3社

コインランドリー市場を牽引しているのは大手4社だ。業界初の上場を果したWASHハウス同様、FC方式で全国に勢力を広げているのは、マンマチャオを展開するエムアイエス(389店=17年8月時点)、コインランドリーデポを運営するランドリーデポ(196店=16年10月時点)だ。また、FC展開はしていないが、オーナーが希望すればホワイトピアの店舗ブランドを使用できるFujitaka(233店=16年12月時点)がWASHハウスの後を追う。

副業狙いのサラリーマンもオーナーに

コインランドリー増加の理由とも連動しますが、初期投資金さえ用意できれば、手間もかからず、サラリーマンの副業としてオイシイ商売になるようです。

コインランドリーのビジネスモデルは、コンビニと同じくフランチャイズ(FC)方式が主流になっているが、オーナーの募集には副業狙いのサラリーマンの姿もあるという。
「初期の投資額は1000万~2000万円。コンビニや飲食店と違って、コインランドリーは人件費がかからないうえ、売り上げの管理から機械の動作状況、店内の防犯カメラまでスマホと連動させて確認できるため、空いた時間で経営できるのがメリット。そして、店が繁盛すれば年間で700万円超の売り上げも夢ではない」(経営コンサルタント)

ニーズに合わせ変容する街のコインランドリー

ここからは、最近増えてきた新しいタイプのコインランドリーを紹介していきます。

滞在型コインランドリー

「滞在型コインランドリー」とは?

最近、コインランドリーにもさまざまな形態が登場しており、テレビなどのメディアでも紹介されています。
その中でも人気なのが、「滞在型コインランドリー」と呼ばれるタイプです。
洗濯物を洗ったり乾かしたりしている時間を、別のことをしながら時間をつぶせるのでとっても便利。
たとえば靴もいっしょに洗えたり、Wi-Fiやスマホ電源などを提供しているなど、終わるまでの待ち時間を有効に使えるので人気上昇中です。
コンビニエンスストアが単に物を売る場所ではなく、公共料金を払ったり、荷物を発送する場所になったのと同じで、コインランドリーも単に洗濯をする場所ではなく、時間を有効に使えるという価値を付加することで、需要の拡大につながったのだ。

洗濯中はカフェで過ごしてスマホで終了時間を確認

店内にはカフェスペースが併設され、ユーザーはいちいち帰宅せずにすみ、快適なカフェスペースで待ち時間を満喫できます。カフェメニューは本格的なドリップコーヒーをはじめ、ホットドッグ、トースト、マフィンなどを提供いたし、洗濯しながらモーニング、ランチ、ディナーを楽しめる店舗となっております。
また、設備はインターネットと連携したIOTデバイであり、わざわざカフェスペースからランドリースペースに移動しなくても洗濯-乾燥の終了時間をスマートフォンで確認できます。

洗濯中にジェルネイル

まだまだ数は少ないですが、最近はこの滞在型コインランドリーに、ネイルサロンが併設されたところも登場し、人気を博しています。
もちろん人気のジェルネイルもできますし、値段もお手ごろなので、コインランドリーを普段利用している人はぜひ活用してください。

2016年11月22日放送の『マツコの知らない世界』(TBS系)でも、コインランドリーでネイルの施術が受けられることが放送されていました。

洗濯代行も…進化系コインランドリー

洗濯代行サービスを取り入れた「WASH&FOLD」

こだわりのカフェ? セレクトショップ? “オシャレすぎる”と評判の進化系コインランドリー『WASH&FOLD』(アピッシュ)が全国に増殖中。
元々カフェを経営していた代表の山崎美香さんは、コインランドリーにカフェのようなオシャレな空間と、アメリカ型の洗濯代行サービスを取り入れた。広報の久湊良子さんは、「洗濯物は専用の袋に詰め放題、デリバリーも行う洗濯代行は、現在会員3万人に。忙しい主婦の方に支持されています」と話す。
同店のシステムは、専用のランドリーバッグに詰め放題(Tシャツ約60枚分)で水洗いから乾燥、たたみまで仕上げてくれるというもの。また、集荷配送と持ち込みが選べ、香りがチョイスできる柔軟剤サービスや、色分け洗濯のオプションも充実している。

靴を洗えるコインランドリーも

「靴が傷んでしまう」「汚れの落ちが甘いのではないか」などの心配する声も聞こえてきそうだが、今回検証で使った靴では、痛まずキレイに仕上がった。
洗濯後は家に持ち帰ってから天日干しても問題ないが、すぐに履きたければ乾燥機も使用できる。
40分も乾かせば、カラッカラになって湿気も残らないため、そのまま履いて帰ることも可能だ。

宅配便ロッカーを設置

24時間営業しているコインランドリーへ宅配便ロッカーを設置することで、ご自宅を不在にすることが多い方に対して、生活に必要なサービスとして利便性、快適さを提供し、社会的な諸課題の解消に寄与することを目的としております。

ドイツ発の「フレディ レック・ウォッシュサロン」

フレディ レック・ウォッシュサロンは、「洗濯の時間を使い、楽しいコミュニティの場をつくること」という発想から生まれたドイツ・ベルリンにあるコインランドリーで、利用者同士のコミュニケーションが生まれるソーシャルなコミュニティスペースやこだわったインテリアや内装が特徴です。

コインランドリーに水槽?「AQUARIUM LAUNDRY」

2017年9月2日(土)に、都営新宿線「瑞江」駅より徒歩8分の場所に、「AQUARIUM LAUNDRY」がオープンした。「AQUARIUM LAUNDRY」とは、約40坪のコインランドリー店舗内に、約2.5mの大型水槽が設置され、洗濯の待ち時間を癒しの時間にできる新感覚な空間だ。カラフルな熱帯魚がまるで、店舗内を自由に泳ぎ回っているかのような錯覚にとらわれる幻想的な場所だ。

「AQUARIUM LAUNDRY」にはレンタル収納スペースがあるのも特徴的です。

当コインランドリーの後方スペースは全28区画のレンタル収納スペースとなっており、室内面積に応じて5タイプからレンタル可能です。24時間空調管理、防犯カメラ設備、また、レンタル収納スペースは契約者様のみ通行可能なオートロック設備と各室内施錠のダブルロックでセキュリティも万全です。
当社の既存コインランドリー店舗のお客様より、「季節ごとの衣服や布団は、押入にしまっておく時も、出して使う時も洗濯したいから、いっそのこと、お宅で預かって欲しい」といった冗談から、コインランドリーにレンタル収納スペースを併設させることを決めました。

女性専用のコインランドリー

「小柴クリーニング八幡2丁目店」は、女性専用のコインランドリーとしてオープンした。足元が見えなくする、スマホの充電器や膝掛けを置くなど、ターゲットのニーズに合わせたサービスを実施している。

洗濯から洗濯物のたたみまで

2号店では、定額制によるランドリーの使い放題サービスに加えて、洗濯から畳みまでのすべてをお任せできる、洗濯の預け放題サービスを提供いたします。どちらのサービスも月額期間内であれば、24時間いつでも・何度でもご利用いただくことができます。

預け放題プランと使い放題プランの2種類の使い放題サービスがあり、預け放題プランは洗い、乾燥、たたみまでの洗濯代行サービスで、専用のマイロッカーで24時間受け渡しが可能。使い放題プランは24時間いつでもコインランドリーを利用できるそうです。

世界初のマルチ決済「コインレス」ランドリー

株式会社TOSEI(本社:静岡県伊豆の国市)は2017年9月26日(火)、世界初となるマルチ決済『コインレスランドリー』のモデル店舗を東中野にオープン(店舗名「TOSEI Laundry」)。
コインレスランドリーとは、今までのコインランドリーのように、洗濯機、乾燥機1台ごとにコインを投入するコインセレクターがなく、集中精算機により決済する方式。従来のコインランドリーではできなかったマルチ決済が可能となり、現金はもとより、電子マネー、プリペイドカードでの決済の他、領収書発行も行える。さらに、無人店舗の遠隔監視を行う機能や洗濯の終了を電話で通知してくれる機能も搭載。

インテリアデザイナーのプロデュース

OKULABの主要事業であるコインランドリーサービスにおいて、9月29日(金)に三軒茶屋にオープンするBALUKO LAUNDRY PLACEの店舗デザイン、国内外の人気ブティックデザイン、内装を数多く手掛け、多くの著名人の自宅など様々な空間を演出するインテリアデザイナー笠原英治氏がトータルプロデュースいたしました。

スマホでコインランドリーを利用

これまでのコインランドリーに設置された洗濯乾燥機の窓は「透明」でした。これは、中が見えることで洗濯物が入っているか、使用中であるかを判断するためには必要ですが、下着など人目に触れたくない洗濯物が他人に見えてしまう事態はさけることができませんでした。そこで「Smart Laundry」では、洗濯機窓にスモークをかけることができるようにしました。使用中であることは判るのに、プライバシーは守ることができます。 ※洗濯乾燥機のみの仕様です
洗濯機窓ブラインドも、ドアロックも、お客様のスマホから操作します。スマホアプリ「Smart Laundry」から、洗濯物のプライバシーを守る機能はもちろん、空き状況の確認、運転終了のメール通知、領収書の発行、クレジットカード決済などができるので、スマホひとつでコインランドリーが利用できます。

2017年ヒット予測7位の「都市型ソーシャルランドリー」とは?

コインランドリーをコミュニティの場に

「WORLD NEIGHBORS清澄白河」のコンセプトは、「最新型マシンを備えたコインランドリー&カフェでつながる街のコミュニティ」。地域を巻き込んだコミュニティの場として機能するソーシャルランドリーをコンセプトに、最新設備を導入したコインランドリーを1Fに併設。
ランドリー&カフェという構造にすることで、衣類を洗濯することだけを目的とした生活感のある従来型のランドリー空間とは異なる、新しいライフスタイルとして、空き時間を有効に快適につかえる「ランドリーで過ごす時間」を提案している。

日経トレンディが2016年に発表した「2017年ヒット予測」では、「都市型ソーシャルランドリー」が7位に選ばれました。新しい言葉なので明確な定義はないようですが、カフェが併設され、Wi-Fi環境が整うなど洗濯中に安心して待つことができ、また地域の社交場となるコインランドリーを指すようです。

ご近所同士の交流をコインランドリーで

「コインランドリーを、もっと地域に」と題された本プロジェクトは、エニタイムズが運営するご近所助け合いアプリの利用者に、コインランドリーの空いたスペースを無料で提供するというものです。
子供の入園前にバッグの作り方を教わりたい、行事前など手軽にネイルを楽しんでみたい、お弁当におススメのレシピが知りたいなど、ちょっとした日常の困ったをご近所さんのスキルで安価に解決していきます。核家族化が進み、ご近所付き合いも少なくなった現代では気軽にアドバイスをもらったり、お手伝いを頼んだりという人間関係も希薄になっています。
今回のプロジェクトを通して、さまざまな年齢層が助け合い、報酬を得る機会を創出することで、地域コミュニティを強化する一助となることを目指しています。

空きスペースでヨガ教室

コインランドリーのmammaciao(マンマチャオ)と、ご近所助け合いアプリANYTIMES(エニタイムズ)は、コインランドリーの空きスペースを利用した新サービスの提供を開始しました。
エニタイムズの利用者は、マンマチャオの空いたスペースを無料で使って、レッスンなどを開催できるというものです。
今回のサービスは「コインランドリーを、もっと地域に」がテーマ。いまどきのコインランドリーはスペースが広く、明るいのが特徴です。大型のものを洗いたい場合など、家に洗濯機があっても利用する人も増えています。
ご近所さんが集う場所でもありますから、「せっかくの場所を、もっと活用できないだろうか」というアイデアから両社が話し合い、2017年4月より、サービスがはじまりました。

子連れのお母さんが通う「喫茶ランドリー」

洗濯機や乾燥機があると聞くとおそらく「ああ、コインランドリーね」と思うでしょうが、コイン式ではないんです。コーヒーを購入するカウンターで受付と料金の支払いを済ませてから洗濯機などを借りる “有人式システム” となっておりまして、必然的に人と接することになるんですよね。
常連のお客さんで多いのは、子連れのお母さんだといいます。地方出身で近くに親族がいないマンション暮らしのお母さんは、とかく孤独になりがち。特に、マンションの密室で洗濯機を何度も回すのは孤独な作業です。
「喫茶ランドリーに来てもらうことで、洗濯をネガティブなものでなく、遊び感覚で楽しめる場所にしたい」と、田中社長は話します。

最後に紹介した「ソーシャルランドリー」と呼ばれる形態のコインランドリーは、現在は東京を中心に都市部で展開されています。今後のさらなる進化と、全国への展開が待たれるところですね。