特集2017年3月4日更新

ドーナツ離れ?今ドーナツ業界が危機

ドーナツ業界の不況が続いています。ドーナツ市場の9割を占める最大手、ミスタードーナツの売上高は年々減少しており、2006年、日本上陸時に大ブームを巻き起こしたクリスピー・クリーム・ドーナツも続々と閉店する店舗が増えている状況。ドーナツ業界の現状と今後の戦略に迫ります。

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専用の生地をこねて型抜き 「クッキンぷっちん」シリーズ第1弾

J-CASTトレンド / 2017年4月29日 8時55分

バンダイは、クッキング遊びができる玩具「クッキンぷっちん」シリーズ第1弾を、2017年4月29日に全国の玩具店およびインターネット通販などで発売する。 火や油不使用で安全性に配慮 専用の生地をこね、食品の凹凸などを再現した型を使って型抜きすると、本物そっくりの"プチフード"を作れる。 [全文を読む]

ドーナツ業界を取り巻く不況

ミスタードーナツのシェアは市場の9割と最大手ですが、売上は年々減少の一途を辿っています。競合とのシェア争いも一因とは言え、コンビニドーナツの不振、クリスピー・クリーム・ドーナツの相次ぐ閉店から見るに、業界全体が冷え込んでいると考えて良いのではないでしょうか。

市場調査会社・富士経済の調査によれば、13年のドーナツ市場は1137億円だが、そのうちの1030億円をミスタードーナツが占めており、マーケットシェアは実に90%に達する。
米大手のクリスピー・クリーム・ドーナツの大幅な店舗数削減、新規参入したコンビニ各社のドーナツの売上不振など、ドーナツ市場に陰りが見られる
 日本におけるドーナツ市場は縮小傾向にある。公開されているミスドの財務諸表を参考にしてみよう。ミスドの全国チェーン店売上高(国内)の直近5年間は、11年3月期が1198億円、12年が1147億円、13年が1111億円、14年が1030億円、15年が1020億円と一貫して減少している。コンビニエンスストアなど、競合とシェアの奪い合いが起きていることもひとつの要因といえなくもないが、市場環境が厳しいことは間違いないだろう。

ミスタードーナツの経営危機

ミスタードーナツを経営する株式会社ダスキンの株主・投資家情報を見ると全国チェーン店の売上高は2012年が1147億円、2013年が1112億円、2014年が1030億円、2015年が1020億円、2016年はいよいよ1000億を割って915億円と減少の一途を辿っています。

ミスタードーナツを運営するダスキン <4665> は、2017年3月期連結決算の業績予想を見直し、売上高を従来の1665億円から1630億円に下方修正した。事業の中核の担うミスタードーナツの販売不振は深刻で、ダスキンの17年3月期の中間決算では、セグメント別のフードグループで売上高が前年同期比8.3%減の202億8500万円、赤字幅は同1億8800万円増の5億6500万円となった。「クロワッサンマフィン」、「和ドーナツ」、スヌーピーとコラボした「ハロウィーンドーナツ」などの商品を季節ごとに投入したものの、結果的には売上アップにつながらなかった。
恐らく、ミスタードーナツが苦戦する真の原因はドーナツ市場自体の縮小にあるのではないでしょうか。ドーナツのメインターゲットといえば、ファミリー層や女性層です。少子高齢化により、ファミリー層は減少していますし、健康志向の高まりによってカロリーの高いドーナツは女性にも敬遠される傾向にあります。このようにメインターゲットの購買意欲の減退により、市場規模の縮小が顕著になってきているのです。

相次ぐクリスピードーナツの閉店

2006年に一大ブームを巻き起こしたクリスピードーナツですが、ブームの象徴となる長蛇の列を作っていた新宿第1号店である新宿サザンテラス店が2017年1月3日に閉店しました。2010年以降、地方の店舗は閉店が続いていましたが、あれだけの人気店だった1号店までも閉店を余儀なくされることとなった要因は何でしょうか。

2006年の参入以降、行列必至の専門店として約60店まで拡大させてきた「クリスピー・クリーム・ドーナツ」(創業は米国)が、あちこちで撤退を始めている。広島、京都、福岡……立地のいい東京でも閉店を余儀なくされる店舗が出ている。
苦境の大きな原因とされているのが、コンビニの台頭だ。
「米国チェーンのドーナツは、砂糖たっぷりで甘いだけの“大味”というイメージが強く、クリスピー・クリームもそう。購入時、並んでいる間に試食させてくれるドーナツは温かくて美味しいが、持ち帰ると食感がまるで違い、そのギャップが大きい」
出店当時は、クリスピーの商品は「話題性のある流行スイーツ」というのが買い手の認識でした。ところが、同チェーンは全国的に規模を拡大することで「いつでも買える」という印象を植えつけようとしました。その結果、日本人にとっては甘すぎる味と他社よりも割高な価格帯がネックとなり、競合のミスタードーナツやセブン‐イレブンで売られているドーナツと比較のうえでの魅力を訴求できなくなってしまいました。さらに、「いつでも買える」ためにウリであったプレミア感も失いました。

コンビニドーナツの現状

発売当初は大きな話題になったコンビニドーナツでしたが、最近は話題に上がることも少なくなりました。購入する人も年々減少しているようです。

■コンビニエンスストア利用者のうち、コンビニドーナツ購入者は45%、週1回以上は8%。コンビニドーナツ購入者のうち、直近1年間に購入していない人は15%で2015年より増加
■コンビニドーナツ利用意向者は3割。女性や若年層で高く、コンビニドーナツ購入経験者では6~7割。非利用意向者は4割で2015年よりやや増加
 100円コーヒーで激化したコンビニエンスストアのレジ横をめぐる争いで、またもセブンが口火を切った。2014年11月、レジ横で100円ドーナツの販売を始め、15年8月には取扱店を全国1万8000店に広げた。ファミリーマートは全12種類というバリエーションの豊富さで勝負、ローソンもコンビニドーナツ市場に参入した。コンビニ各社とミスタードーナツによる「ドーナツ戦争」が話題となった。
 コンビニ大手5社の15年度(16年2月期)のコンビニコーヒーは19億杯となる見込みだ。ドーナツはコーヒーと相性がいいとしてセットで売れるとの皮算用だったが、期待外れに終わった。
 原因は、ドーナツでは淹れたてコーヒーほど価格差が出ず、お買い得感がなかったからだとされている。

なぜ、不況になっているのか

健康志向の高まりでドーナツ離れが加速

 ドーナツそのものへの消費者の敬遠志向も逆風となっている。ドーナツの調理で使用する植物性ショートニングにより発生するトランス脂肪酸の摂取が健康に悪影響を及ぼすという認識が昨今広まっている。クリスピーのドーナツも例外ではなく、「低トランス脂肪酸」とうたうことすらできない。また、ドーナツは一般的に高カロリーなため、健康意識が高まっている近年では悪者扱いされやすい。

クリスピー・クリーム・ドーナツは、日本よりも先に糖質制限ブームが起きたアメリカ本国ではすでに経営破綻しており、同じことが起きているだけという意見も。

 そもそも、最盛期にはアメリカだけで400店舗以上を展開する巨大チェーンだったクリスピーだが、04年以降は健康志向の高まりなどの影響で経営が悪化、06年に経営破綻している。その後、08年までに半数以上の店舗を閉鎖しており、現在はスーパーマーケットへの卸売などが主で、無店舗販売が中心となっているのだ。
 そして、今や日本でも糖質制限ダイエットがブームになり、「脱脂質」「脱糖質」の傾向が強くなっている。店舗数の激減には、そういった事情もあり、アメリカで起きたことと同じ現象が日本でも起きているわけだ。

顧客ニーズの変化への対応が遅れた

スイーツにおいても流行の移り変わりは激しく、顧客のニーズもどんどん変化していきます。ブームによる好調な業績に甘え、ニーズの変化に気づくことができなかったのも一因ではないでしょうか。

「これまでは、並ぶのに適したレイアウト、そしてできるだけ早く商品をお渡しできるような”スピード”を重視した店舗やサービスを展開してきた。長時間並ぶ、顧客にとってそれが時代のニーズだった」(岡本社長)
スイーツブームの変化は目まぐるしく、新しい業態が次々と生まれていく。一定の熱狂的なファンは残ったが、これからの成長を考えた時にはより「居心地の良さ」や「また来たい」と思えるような店舗づくりやサービスに転換する必要があった。
顧客層や時代の変化にあわせた店舗再編だ。これが、ミスドの反撃が遅れた最も大きな原因だった。ミスドの既存店の課題は①全店、店で作っているドーナツを提供しているのに、その認知度が低い②ドーナツの売り上げが減少しているのに、ドーナツを作るキッチン設備が過剰のままで、小ロット生産に適応できていなかった③少子高齢化に対応した快適な店舗やメニューの開発が遅れていた、の3点にほぼ集約される。

参入企業が増えすぎた?

ドーナツ業界の不振はコンビニドーナツ以前からだという分析もありますが、ドーナツ店に比べて低価格、店舗数も多く24時間営業。コンビニドーナツの影響がなかったとは言えないでしょう。

 コンビニエンスストア各社によるドーナツ市場への参入の影響も無視できない。ここ数年、セブン-イレブンやファミリーマート、ローソンでドーナツの販売を開始した。主要価格帯は100~120円程度と、クリスピーやミスドと比べて低価格で販売している。
ミスタードーナツの不振は、コンビニエンスストア各社のドーナツ販売の影響なしには語れない。コーヒーの販売が好調だったコンビニは、暖かい飲み物とセットで食べられるのに最適なドーナツに目を付け、セブンイレブンジャパンが2015年8月に全店でドーナツの取り扱いをスタートさせると、ファミリーマート、ローソン <2651> のライバル社も後追い。コンビニ大手のドーナツ市場への参入は、ドーナツ専門店のミスタードーナツにとっても脅威となった。
セブンイレブンで販売されるドーナツは100円〜138円(税込み)。段階的に値上げを重ねていたミスタードーナツの商品は、コンビニ・ドーナツの登場で、価格競争力を失ってしまった。毎月実施していた100円セールでは、割引対象のドーナツの販売は伸びる一方、セール価格から通常価格にもどると、消費者は高く感じ、買い控えをする傾向が続いたという。
「ポン・デ・リング」や「オールドファッション」など定番商品35種を10~30円値下げ、税込み108円で買える商品が増えた。「ミスド、競争激化で値下げ」「コンビニドーナツに苦戦」――。多くのマスコミはこぞって書き立てた。
しかし、同社の外食事業が営業赤字に陥ったのは今から約3年前。セブンーイレブンを始めコンビニチェーンがドーナツに本格参入してきたのはその後になる。確かにコンビニでのドーナツ価格は100円が主体で、約500億円といわれる市場を作ったが、ここにきてコンビニドーナツの快進撃は急ブレーキがかかっている。

今後の展望

ミスタードーナツ

最大手としてドーナツ業界を牽引する存在。新業態店や新メニューで巻き返しをはかります。

例えばドーナツ以外に飲茶(ヤムチャ)を出している店舗。これ、意外と多いので珍しくはない。では、パスタやホットドッグを出しているミスドって見たことあるだろうか。ほら、あまりないだろ? 実は、このような新タイプのミスドが全国に数店舗存在するのだ。
一つ目は、前出の価格改定による「ブランド価値の修復」。これは戦略の大前提だ。ミスドが本格的に価格の見直しに動いたのは2008年以来のこと。だが、直近の1年間は毎月末の1週間「100円セール」を実施。以前はセールが2週間前後に及ぶこともあった。これで通常期間とセール期間に来店する顧客の間で不平等感が広がってしまったのだ。また顧客に配るクーポンもいつのまにか数十種類にのぼった。売り上げを底上げする武器のはずが、セールが半ば常態化していた。今回の価格改定で「不公平感をなくし、市場価格に近付けた」(宮島賢一専務)。
二つ目は、テイクアウト(持ち帰り)専門店「Mister Donut to go」(ミスタードーナツ トゥゴー)の出店だ。横浜市の中心部から西に約20km、相鉄線沿線の三ツ境駅構内に昨年11月にオープンした「トゥゴー1号店」の三ツ境ライフショップはわずか約8坪。キッチンと呼ばれる調理施設は置かず、近隣店から商品を運ぶ。主に「家族などへの日常の簡単なギフト」「ママ友たちのお茶のお供に」などの目的買いを狙う。
ミスタードーナツの新業態店「Mister Donut to go(ミスタードーナツ トゥゴー)」の第1号店となる「Mister Donut to go 三ツ境ライフショップ」(神奈川県横浜市)が、11月8日にオープンする。
同店は、“大切な人へ、笑顔もお持ち帰りしよう”をコンセプトに、ミスタードーナツにギフト要素をプラスしたテイクアウト専門店。
ミスタードーナツがコンビニ各社に対抗する手段として、店舗で手作りした出来立てのドーナツを提供する強みがある。それを活かすために、約1300店舗のうち半数近くの店内キッチンをガラス張りにして、「手作り」「揚げたて」を来客者にアピールしてコンビニ・ドーナツとの差別化を図る。
新ブランドのスローガン“いいことあるぞ Mister Donut(ミスタードーナツ)”のもと、利用者の声を生かした商品や原材料、素材にこだわった商品の開発、ドーナツを楽しんで食べていただけるサービスを順次導入している同社。今回は“からだにうれしいこと”を考える新商品カテゴリーとして、同シリーズを展開する。
実は並んでいるドーナツには新商品が加わっていたり、同じ商品でも工夫が施された新しいものになっていたりする。個包装を事前にすることで、販売の際の時間と手間の削減もしている。
ただコンビニコーヒーほどは支持されていないという印象は強まっている。販売方法の再考や、オリジナルの人気商品の開発などを実現しなければ、利用者が増えていくとは思いづらい。。

クリスピー・クリーム・ドーナツ

ドーナツブームの火付け役。上陸から10年経ち、ブームも去った今、日本で生き残りをはかるための方針転換をするようです。

ドーナツ市場が多様化する中で、クリスピーが出した一つの答えが、今回の新作ドーナツに象徴される、大きな方針転換だ。“行列のできる店”から“日本で長く愛される店”へと転身を図るというのだ。具体的には、商品・店舗・サービスの3つの要素において大きく見直す計画だ。
代表的なモデルが9月16日にオープンした「クリスピー・クリーム・ドーナツ イオンタウン ユーカリが丘店」(千葉県佐倉市)だ。
同店では主要顧客である20〜40代のファミリー層向けに、落ち着きのあるインテリアや、キッズスペースの配置、また自分でドーナツのデコレーションができる「キッズデコセット」の販売といった工夫を凝らしている。
店舗数については、これまで同社から発表されていた目標「100店舗」を変わらず掲げて行く。ただし、時期については明確にせず、まずはブランド強化を図って行く方針だ。

昔からある身近なスイーツ、『ドーナツ』。シンプルさが魅力のお菓子ではありますが、ここ最近流行っている、インスタ受けするスイーツに比べると、いまいち華やかさには欠けていたのかな?という印象はありました。定番商品として、一時のブームに流されず、しっかり踏ん張って再起してほしいものです。

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