特集2018年2月23日更新

視聴率・満足度は? 2018年冬ドラマ中間チェック

2018年1月からスタートした民放テレビ各局の冬ドラマもすでに後半戦に突入。視聴率の良し悪しをベースに好調・不調なドラマ、さらには視聴者満足度が高いドラマやネットで話題になっているドラマもピックアップしてみました。

目次

99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ

このドラマは、松本演じる一風変わった弁護士・深山大翔をはじめとした個性的な刑事事件専門の弁護士たちが、逆転不可能と思われた事件に挑んでいくリーガル・エンターテインメントドラマ。
タイトルの「99.9」は、日本の刑事事件における裁判有罪率(起訴された際に裁判で有罪になる確率)から来ており、 有罪確実に思われても残り0.1%に真実が隠されているかもしれない…と、弁護士たちが最後まで諦めずに奮闘していく。

冬ドラマ全作品の中で平均視聴率トップ

1月スタート連続ドラマが概ね折り返し地点を迎え、ここまでの全話平均視聴率トップは、5話平均で16.6%をマークしている松本潤主演『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』(TBS系、毎週日曜21:00~)となった(視聴率の数字は、ビデオリサーチ調べ・関東地区 ※以下同)。

初回満足度も1位

毎日2400人から視聴調査を行っている「テレビウォッチャー」のデータ(1月22日集計分)によると、初回満足度も1位という結果に。

満足度ランキングでも「99.9-刑事専門弁護士-」が1位にランクイン。接触数と満足度の2冠を達成した。初回満足度3.97は、前クール放送の「ドクターX~外科医・大門未知子~」の初回満足度3.92を上回っており、今後の満足度上昇も大いに期待出来る数値となった。

今作も健在 “おやじギャグ”と“プロレスネタ”にネット沸く

前作で話題となった深山や佐田の“おやじギャグ”は今回も健在。深山がサンドウィッチを食べる際に「いただきマングース」と言う場面が流れると「待ち遠しかった!!」「めっちゃ反応しちゃった」「帰ってきたーーーーー」などのツイートが多数投稿され、本作の放送を待ちわびていた視聴者の歓喜の渦がネット上に巻き起こる。
またプロレスネタが豊富なのも本作の特徴。「田口ジャパンが会社名で出たり印刷会社の名前にプリンス・ディビットの名前をモジってブッこんだところを密かに評価したい」と細部のこだわりに気付いたファンからの反応も。

随所に散りばめられた「小ネタ」の数々も人気の要因

勧善懲悪のストーリー展開、異色のキャスティング、テンポの良いセリフ回しなど、ドラマの魅力は挙げればキリがないが、大きな要因の1つはドラマのここかしこに隠された「小ネタ」だ。
第1話では、敏腕弁護士の佐田篤弘(香川照之)の仕事部屋でのシーンで、佐田が所有する競走馬サダノウィンが優勝した「咲雷賞」の優勝レイが映し出された。「さくらいしょう」と読めることから、松本と櫻井翔(36)の“共演”だと「嵐」ファンを喜ばせ、「咲雷賞」がSNSのトレンドワードに。

アンナチュラル

同作は、『逃げるは恥だが役に立つ』『重版出来!』の野木亜紀子氏が脚本を手掛け、日本に新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台に1話完結で描かれる法医学ミステリー。石原さとみ演じる“法医解剖医”の三澄ミコトが、中堂系(井浦新)や久部六郎(窪田正孝)らクセの強いメンバーたちと共に、"不自然な死(アンナチュラル・デス)"の怪しい死体に向かい、さまざまな死因を究明して未来の誰かを救命する。

ザテレビジョン「視聴熱」ランキングで4週連続1位

ザテレビジョンがSNSや独自調査を集計して発表している指標「視聴熱」では、初回放送の週に1位を獲得。翌週は『BG』初回放送などの影響で3位に後退するも、さらに次の週から2月19日発表の最新分まで、4週連続で1位となっています。

1位に輝いたのは、2月16日に第6話が放送された「アンナチュラル」(TBS系)。ミコト(石原さとみ)と東海林(市川実日子)の絆が描かれたストーリーや、仮想通貨詐欺という時事ネタが盛り込まれたことも話題になり、55,612ptを獲得。4週連続の1位となった。

回を重ねるごとに安定的な人気を獲得

12日の放送開始後、ビデオマーケットの週間ランキングでは、4位(1月19日~25日)、3位(1月26日~2月1日)と週を追うごとにランクアップ。視聴率も初回12.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)以降その前後を推移するなど安定した人気を保っている。

番組プロデューサーも驚く「M3層」の支持

視聴率のデータを分析すると、「ドラマを観る層は、F2(35歳~49歳の女性)、F3(50歳以上の女性)といわれる女性が中心。しかし、10%を越えるには、F1(20~34歳の女性)や男性にも観てもらえるかどうかが鍵。テンポが良く50代以上の方も観て分かりやすい作品にしようと思っていました。蓋を開けたらF1がかなり観てくれていることに加え、M3=50代男性がものすごく高い。こんなに観てくれているのかと驚くらいの高さ。F1からF3、そしてM3の4つの層に支持されている」と新井P。

視聴者の心を離さないストーリー展開

初回放送では国内でまだ発症例のない「MERSコロナウイルス」の院内感染を扱った。2話、3話は同じ殺人事件でも凍死、出血性ショックと死因は全く異なる。4話は過労死、5話は溺死と、さまざまな死因を取り上げることで、視聴者を飽きさせない。
見どころを問うと「予想がつかない展開」を挙げ、「王道スタイルだけではなくて、『こう来たか』という変化球もある。きれいにまとめすぎず、思っていた通りにはならない展開を楽しんでいただければ」と説明。9日放送の5話では、殺人の被害者の恋人が、犯人に復讐する衝撃的なシーンが話題を呼んだ。6話以降も視聴者の想像をはるかに超える野木脚本に注目が集まる。

登場人物たちが抱える秘密や事情も気になるポイント

石原演じるミコトには生い立ちに秘密があって、それが彼女を「法医学は未来のための仕事」(第1話より)と駆り立てる。
秘密を抱えているのはミコトだけではない。中堂(井浦)にも秘密がある。そしてその中堂とつるんでいる葬儀屋・木林(竜星涼)、記録のバイトとして働きながらネタを週刊誌(これも今をときめくブラックジャーナリズムネタ)に流している久部(窪田正孝)、天下りなのか志があるのか謎な所長・神倉(松重豊)など、それぞれに抱えている事情が、これから進行上、どのように機能していくかも見どころだろう。

BG~身辺警護人~

木村拓哉の1年ぶりの主演ドラマ

同ドラマは人間ドラマを描く名手・井上由美子が脚本を手掛けたオリジナル作品。木村演じる主人公・島崎章が、民間のボディーガードに新人として復帰し、仲間たちとともに依頼人をあらゆることから守り抜く戦いの日々を描く。また、彼らを取り巻く警視庁SPや警護対象者など、一癖も二癖もある人物たちとの人間模様も描く社会派人間ドラマだ。

冬ドラマ初回視聴率トップの15.7%

木村拓哉主演のドラマ「BG~身辺警護人~」(テレビ朝日系)の平均視聴率が、これまで放送されている1月クールドラマのトップとなる15.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。

以降も好調キープ

『BG~身辺警護人~』(毎週木曜よる9時~)の第5話が15日に放送され、平均視聴率は14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。
同作は初回平均視聴率が15.7%と好スタートを切り、その後も二桁を維持。好調に推移している。

ちなみに、第2話は15.1%、第3話は13.4%、第4話は13.6%という推移になっています。

見どころはキャストらのアクション

本作の見どころのひとつとなっているのが、木村さんが毎回見せるアクション。
今回は“現金一億円を輸送する”という設定上、自身と一億円の入った鞄との繋ぐための長い鎖が付いた手錠を携帯。その手錠をうまく利用し、襲い掛かってくる男たちにひとり立ち向かう、という迫力満点のシーンが撮影された。

木村が語る見どころ

「この先も激しいアクションシーンは毎回出てくると思いますが、僕だけでなく、身辺警護課のメンバーたちのアクションにも期待していただきたいです。僕も楽しみにしているんですよ、みんな激しいトレーニングをしてきているので(笑)」

木村&山口智子が『ロンバケ』以来22年ぶりの共演

テレビ朝日系で放送中の木村拓哉主演ドラマ「BG~身辺警護人~」に、山口智子のゲスト出演が決定。一世を風靡(ふうび)した「ロングバケーション」(1996年、フジテレビ系)で恋人を演じた二人が、およそ22年ぶりの時を経て、元夫婦役として奇跡の再会を果たした。

再タッグ話題の第6話は14.8% 3週連続で上昇

第6話が22日に放送され、平均視聴率は14・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが23日、分かった。

もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~

山田涼介主演のホームコメディ

物語は、山田演じる東大卒のエリート警察官の北沢秀作、波瑠演じる敏腕弁護士の北沢知晶、小澤演じる天才心臓外科医の北沢博文の3きょうだいが織り成すホームコメディー。
法律や常識よりも家族の幸せを最優先に考えるこのエリート3きょうだいが、一家の安泰を脅かす事件のみを全力で解決するという、ちょっぴり馬鹿馬鹿しくなるほどの美し過ぎる家族愛を描く。

初回から4話目まで視聴率は2ケタ台

初回は13・3%でスタート。第2、3話は11・1%、第4話は11・0%と4話連続で2ケタをキープ

しかし五輪の影響で視聴率も低下傾向に

10日にレジェンド・葛西紀明が出場したノルディックスキー・ジャンプ男子個人ノーマルヒルの中継と重なった、ドラマ『もみ消して冬~わが家の問題なかったことに~』(日テレ系)第5話の視聴率が7.1%で前週から3.9ポイントの大幅ダウンを記録した。

そして、第6話ではジャンプラージヒル決勝と重なり、視聴率は8.1%でした。

“ジャニーズ感”は薄くコメディ色が強い内容

今作は“ジャニーズドラマ”っぽさが薄くなっており、波瑠を目当てに観ている視聴者も少なくない。一方でコミカルな脚本はなかなか秀逸で、視聴率を狙いにいっている感があります。

主演・山田のコメディ演技が視聴者から高評価

初回放送から、山田の“変顔”が注目されていたこのドラマ。コメディ的な演出が多く、これまでの山田とは違うキャラに、ファンも大喜びしているようです。兄や姉だけでなく、執事見習いなどにもバカにされており、秀作のキャラがかなり“犬っぽい”とも話題になっています。

視聴者の評価は2つに分かれる

好意的な反応としては〈何も考えずに笑えるのがいい〉〈もみ消して冬死ぬほど好きだわ〉〈今期のドラマはもみ消して冬がいちばんだな〉といったツイートがSNS上で見られるのに対し、内容に失望する視聴者からは〈ドラマではなくただの娯楽を見てるような感じ もみ消し方も兄弟3人の職業まるで関係なし〉〈一時間埋めりゃいいんでしょ?程度のスカスカな内容。山田と波瑠の無駄遣い〉〈設定が面白いと思って観たけどこの調子で1時間は辛い〉のような意見がのぼった。

FINAL CUT

物語は、母親が情報番組によって確定的殺人容疑者にされ死に追いやられた主人公が、番組や事件関係者にスキャンダルを突き付け、社会的制裁を下していく復讐劇。

同枠の復讐ドラマ=“草なぎ”と比較される

火曜9時の復讐ドラマといえば、過去に「銭の戦争」「嘘の戦争」(共にフジテレビ系)が、元SMAP・草なぎ剛主演で放送されている。
『どうしても草なぎの演技力と比べてしまう』『草なぎだったらどんな表情をしただろう』といった、草なぎと亀梨を比較する視聴者の声が多くあがりました。また草なぎの復讐ドラマは、どちらも初回2ケタを記録していたため、『草なぎなら視聴率を取れたのでは?』という意見まで飛び交っています

初回視聴率は関東地区7.2%の厳しいスタート

初回平均視聴率は7.2%(ビデオリサーチ・関東地区)と、やや厳しいスタートとなった。
裏で人気バラエティの『マツコの知らない世界』(TBS系)や『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)の特番があり、それぞれ高視聴率だったことも影響していると思います。でも、前クールの井上真央主演ドラマの『明日の約束』も4%台の視聴率になったり、さらにその前の窪田正孝主演『僕たちがやりました』も低視聴率で苦戦しました。

関西地区では2ケタの視聴率を記録

「関テレはこの火曜21時枠に相当な力を入れており、キャストの顔ぶれを見ても佐々木蔵之介や藤木直人といった実力派が脇を固め、女優陣にも栗山千明や橋本環奈といったヒロインクラスを惜しみなく投入。それゆえ関西地区の10.7%こそが本作の実力だとみなすのが順当でしょう。関東地区での体たらくはもはや、『フジ系ドラマ』という看板自体が最大の障壁なのではと疑わざるを得ませんね」

視聴率低迷の原因は回想シーンの多さ?

視聴率低下の理由として「劇中の回想シーン」が多すぎるとの声も上がっています。

「過去に起きたことに対する復讐劇なので回想シーンが出てくるのは理解できますが、あまりにも多すぎる。しかも回想場面は、亀梨じゃない人が演じていますからね。亀梨が演じているシーンは、放送時間の半分くらいじゃないか。亀梨のスケジュールが忙しくて、尺が取れないから苦肉の策で回想シーンを増やしているのかと疑いたくなります」

「チェインストーリー」のネット配信が話題に

同ドラマでは毎週放送後、物語と物語をつなぎ、テレビ放送では描かれていない登場人物の過去や、隠された秘密、行動の背景を5分程度の短編ドラマとして「GYAO!」で配信。その”チェインストーリー”が話題を呼んでいる。
SNS上では、「放送後もドラマの世界に浸っていられる」「チェインストーリーからドラマ本編に複線がありそう」など、注目を集めている。

海月姫

東村アキコの同名漫画を原作に、芳根京子が主演を務める“月9”ドラマ。「女の子は誰だってお姫様になれる」をテーマに、クラゲをこよなく愛する筋金入りの “クラゲオタク女子”月海(芳根)が、蔵之介(瀬戸康史)・修(工藤阿須加)の兄弟と三角関係になり、自分には一生縁はないと思っていた恋を知り、新しい自分を見つけていく姿を、ギャグを交えて描く新感覚の“シンデレラコメディー”だ。

視聴率は初回から“低空飛行”だが…

“月9”歴代ワースト2位の初回視聴率

初回視聴率は8・6%と月9史上ワースト2位の厳しい滑り出しで、その後も5~7%台の推移。テレビの視聴状況を調査している「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、初回満足度は3・02(5段階評価)とプライム帯放送の冬ドラマ中最下位。9日放送分までの中間平均も3・37とこちらもワーストを記録しており、満足度という点でも厳しい数字が並ぶ。

若い世代からは高評価

単純に低満足度だから視聴率も低くなってしまったとは言い切れないのが、若い女性層=F1層(20歳~34歳女性)の満足度の高さだ。
F1層に絞ると「賑やかなやりとりが凄く面白い」(24歳女性)、「キャラが濃い人たちばかりで面白かった」(33歳女性)という感想が目立ち、満足度は4・24(第4話までの平均)と突出して高い。
何気に難易度の高い物語を20歳の芳根京子、29歳の瀬戸康史、26歳の工藤阿須加、26歳の内田理央、26歳の松井玲奈などフレッシュな若手俳優が演じているのも素晴らしい。近年、視聴率対策のために主要キャストを30~50代で固める作品が多く、若年層の視聴者を遠ざける原因となっていただけに、『海月姫』に10~20代のファンが多いのは必然と言える。

ネットでも満足度の高い反応

ネット上でも「こんなおもしろいドラマ、視聴率が悪いからって、打ち切らないで!」「久々の月9ヒット作。単純におもしろい。月9じゃなかったら、もっと視聴率よかったかも」「こんなに素敵でホロッとするラブコメは久しぶり」「今クールで一番おもしろい。月9をちゃんと欠かさず見てるのは数年ぶり」「今回も堪能できた。まややの見事な変身ぶりがすごかった」といった声が聞かれ、視聴者の満足度はかなり高かったようだ。

見どころは「王道」ラブコメ

オタク女性たちのドタバタに目を奪われがちだが、ど真ん中に流れているのは、倉下月海(芳根京子)、鯉淵蔵之介(瀬戸康史)、鯉淵修(工藤阿須加)の「三角関係」+“尼~ず”メンバーの「シンデレラストーリー」。恋心が生まれたときのときめきから、心が通い始める小さな出来事、迷いや葛藤までを丁寧に描くピュアな展開で視聴者をひきつけている。
ドラマの構造としては、王道かつシンプル。わかりやすく感情移入しやすいため幅広い年齢層に対応できる上に、月9が狙うべき若年層にもしっかり届けられる。