攻めてる?Eテレのユニーク番組特集

かつて「教育テレビ」の名称だったように、語学番組や子供向け番組など、お堅いイメージのあるEテレですが、時として完全に突き抜けた、ぶっ飛んだ内容の番組を放送することがあります。そんなEテレの「攻めてる」番組を、現在放送中のものや過去に放映されたものの中から7つご紹介します。(2016年11月2日更新)

[写真] 森山直太朗、子ども向け楽曲で新境地 『みいつけた!』ED曲を提供 / ORICON STYLE

「攻めてる」番組一覧

バリバラ

(写真:R25)

どんな番組?

障害者や生きづらさを抱えるマイノリティーのための情報バラエティー番組。「感動するな!笑ってくれ!」をコンセプトに、笑いの要素を織り交ぜ、これまでタブー視されてきたテーマにも挑んでいる。

最近は“攻めのNHK”のイメージも出てきているEテレだ。中でも福祉情報番組『きらっといきる』(放送終了)内企画として2010年4月から始まり、2012年に独立した『バリバラ』は、有名無名を問わず、障害者がエンターテイナーとして出演し笑いを取ろう、というラディカルな番組である。
「障害者×恋愛」「障害者×お笑い」といったテレビでは半ばタブー視された企画を次々と実現させてきた。
「24時間テレビ」の裏で「感動ポルノ」に異を唱える
『バリバラ』はなんと、『24時間テレビ』が佳境に入りはじめた真裏の28日19時からの放送で「検証!〈障害者×感動〉の方程式」と銘打ち、真っ正面から「障害者に感動は必要なのか?」と疑問を投げかけたのだ。

その内容とは

いまだ障害者のイメージは「感動する・勇気をもらえる」というものがほとんど。「なぜ世の中には、感動・頑張る障害者像があふれるのか?」その謎を徹底検証!

放送前から“攻めの姿勢”を評価する声や期待の声が続出

当日の放送では・・・

あからさまに「24時間」に喧嘩を売るような内容

(写真:Pouch[ポーチ])

セットには<笑いは地球を救う>と書かれ、出演者はお揃いの黄色いTシャツを着用。あからさまに裏番組の『24時間テレビ』に喧嘩を売ってみせたのだ。
最後は裏番組のテーマソング「サライ」を歌うなど、終始一貫して「感動の障害者物語」の偽善性を批判する内容だった。

放送後、視聴者からは大反響が

ツイッターで多くつぶやかれた言葉を集計するYahoo!リアルタイム検索では20時台、「バリバラ」が3位、「感動ポルノ」が4位など、24時間テレビを上回る順位をキープしていた。
今回の『バリバラ』は、たんに『24時間テレビ』をあげつらったのではなく、「障害者と健常者が一緒に感動できる社会をつくるには?」という根本の問題まで投げかけていた。そのことは、けっして忘れてはいけないはずだ。
挑戦的ともいえる放送を行ってきた「バリバラ」
たとえば、7月26日未明に起きた相模原障害者殺傷事件を受け、いち早く「緊急企画 障害者殺傷事件を考える」を放送。当事者である彼らが意見をぶつけ合った。こうした社会的な問題を扱う一方、同じ熱量で「SHOW-1グランプリ」といった企画も行う。「マイノリティーのお笑い日本一を決める」というコンセプトを掲げ、障害者たちがお笑いのネタで競うのだ(これは、6年前の2010年から続いている人気企画だ)。
言語障害が原因でモテないと嘆く男性に「原因はそれだけか?」と投げかけ、模擬デートを決行し徹底検証する「モテナイ障害者改善計画」に、まったく役に立たないバリアフリー設備を紹介する「バリバラ珍百景」、統合失調症の妄想をスピード漫才に昇華させたコンビや、寝たきりコント職人が笑いで競い合う「SHOW-1グランプリ」......。

ねほりんぱほりん

(写真:Pouch[ポーチ])

どんな番組?
「顔出しNGの訳ありゲストはブタに、
聞き手の山里亮太とYOUはモグラの人形にふんすることで
「そんなこと聞いちゃっていいの~?」
という話を“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトークショー。
2016年10月5日(水)夜23時よりNHK Eテレでスタートしたこの番組は、可愛らしい人形劇と赤裸々トークをドッキングさせたトークバラエティー。
顔出しNG、訳アリのゲストさんは可愛いブタのお人形に。一方、聞き手である山里亮太さんとYOUさんは、これまたキュートなモグラの人形にふんして、普通はなかなか聞くことのできないディープな話を “根掘り葉掘り” 聞いていくというスタイルの番組なのです。
Eテレらしからぬ下世話な内容
ゲストの「没落した社長」や、有名人を狙って付き合う「プロ彼女」に鋭く切り込む。社長の「恐怖と感動の没落ぶり」やアスリートを専門に狙うプロ彼女の「あの有名人ですら落ちたマル秘テクニック」など超リアルな話が次々と飛び出す。

『偽装キラキラ女子』は放送日の2カ月前から仕込み

放送日の2カ月も前からツイッターに「港区わがままOL」なる “偽装キラキラアカウント” を作成していたようです。

「キラキラ女子メーカー」も公開

公式サイトでは、コピペするだけでキラキラ女子になりきれる「キラキラ女子メーカー」なるものも公開しております。
使い方はカンタン3ステップ!

①まずは、みんなに魅せつけたい内容を選択
②そのテキストをコピー&画像ダウンロード
③それをそのまま貴方のアカウントから投稿

まあ!なんということでしょう☆
これだけで、あなたもキラキラ女子になれちゃいます♡♡

反響

「元薬物中毒者」特集も

反響

香川照之の昆虫すごいぜ!

(写真:クランクイン! 取材記事・エンタメ)

どんな番組?

昆虫マニアでもある俳優・香川照之が全身着ぐるみのカマキリ先生にふんし、熱い語りと体を張ったロケで昆虫のすごさと面白さを伝える番組

他局でのトークが番組制作の発端

5月に「櫻井・有吉THE夜会」で「昆虫番組をやりたい」と夢を語った

事の発端は、半年前に「―夜会」にゲスト出演した香川が「虫が大好きで、いつかEテレで昆虫番組をやりたい」と夢を語ったことから。
その放送をたまたま見ていたNHKの制作局チーフプロデューサー・大古滋久さんが、放送翌日にはNHKの編成に話をつけて、すぐに香川の事務所に連絡をしたという。
番組でみせた昆虫に対する執念と熱い思い

昆虫を捕獲のためトータル4時間も格闘

体を張って捕獲にどんどんのめり込むカマキリ先生の体調を心配して、スタッフが休憩を勧めてくれたのだが、「カマキリに休憩はない!」とビシッとお断り。

着ぐるみにも細かいこだわり

ちなみになぜカマキリの着ぐるみかというと、子どものころ捕まえては持ち帰りじっと観察するのが好きだった香川さんのたっての希望で、「体も大きくて見た目もキレイ」という理由で“メス”で作成されたという。
演技派俳優からは想像もつかない姿にネットは騒然

リアルタイム検索ワード1位に

10月10日放送後のYahoo!リアルタイム検索ワードは第1位になるほどの反響をみせた。

反響

ニャンちゅうワールド放送局

どんな番組?
ワールド放送局の局長「ニャンちゅう」が、世界のこどもたちのくらしや文化など、海外のいろんな話題をたのしくおとどけ。

個性的なキャラクターが話題を集めているが、中でもレギュラーメンバーの『おねんどお姉さん』が人気。

「おねんどお姉さん」とは

(写真:NEWSポストセブン)

おねんどお姉さんは、Eテレで長く親しまれる『ニャンちゅうワールド放送局』の2013年からのレギュラーメンバーで、粘土により、さまざまなものを作り上げるすごい技を持っている。

作り込んだ「ブレない」キャラが話題に

製作を始めるときには、「レッツ、おねんど」「うふふ」と声をあげるだけで、キラキラとハートマークが飛び交い、粘土を形作る際には、「こねこね~」と優しく解説。ちょっと地球人離れしていると思ったら、案の定、お姉さんはふだんは雲の上のスタジオで活動していて、「これは」と思ったものがあると、地球にやってきて粘土で製作。「世界ねんど遺産」に認定するという活動をしている

きょうの料理

(写真:ORICON STYLE)

どんな番組?

番組自慢の講師が人気の定番料理や旬の食材を取り入れ、食卓の幅を広げるレシピを紹介

昭和32年から続くNHKの「看板番組」
――『きょうの料理』ならではのこだわりを教えてください。
大野:昭和32年からやっているNHKの看板的料理番組なので、信頼が第一だと思っています。そのためにはまず、間違いがあってはならない。そして『きょうの料理』なら大丈夫、と思ってくださるようなレシピを出さないといけません。レシピは毎回、キャリア豊富な先生方に考えてもらっていますが、案をいただいてからは専門のスタッフが何度も試作をして、ちゃんと味をチェックしています。企画から放送まで半年くらいかけているので、「レシピ通りに作れば絶対に間違いない!」ということは自信を持って言えますね。

しかしここでも「攻めの企画」を…

『きょうの料理』(Eテレ)では「20分で晩ごはん」という、チャレンジ企画をやっています。料理研究家が20分の制限時間内に、数品の料理を完成させると言うものです。
この企画では、普段落ち着いて料理を作っている料理研究家の焦っている姿やテンパっている姿を見ることができ、バラエティ番組のゲーム企画のような楽しさがあります。

平野レミが出た回は「放送事故」とも

これは4月20日に放送されたNHK Eテレの『きょうの料理』の『20分で晩ごはん』でのことで、この日、登場した平野は今が旬の春キャベツを使った料理を披露。しかし、いざ調理が始まってみると、時間制限を気にしてなのか、混ぜ物に使うボールの底でにんにくを激しく叩いたり、スーパーなどで用いられている肉のトレーをそのまま蓋として使うなど、かなり荒々しい料理ぶりを披露。

びじゅチューン!

(写真:NEWSポストセブン)

どんな番組?

「モナ・リザ」「鳥獣戯画」など、有名な美術作品を歌とアニメで紹介する新感覚アート番組。映像作家の井上涼氏により作詞・作曲・アニメ化され、一度聞いたら忘れられない内容になっている。

「気持ち悪いけど」クセになると話題

2013年の夏に、テレビからゆるーりと流れ始め、「なんだこれ? きもち悪いけどクセになる」とネットで話題になり、レギュラー放送へと昇格し、人気に火が着いた。日曜の夕方に、その歌声を耳にした人もいるだろう。

恋する百人一首

(写真:Smartザテレビジョン)

どんな番組?

「趣味どきっ!」内で2015年12月7日から2016年1月25日まで全8回に渡り放送。百人一首をテーマに大久保佳代子と壇蜜がトークしていく、という内容だが、初回のテーマが「ベッドイン」だったり、「『逢う』とはSEXのこと」などの説明が飛び出すなど、NHKらしからぬ内容で話題となった。

100首のうち43首までが「恋歌」で占められている百人一首に注目。告白、逢瀬、涙、別れなどを描く恋歌を“千年前の恋バナ”と捉え、大久保佳代子と壇蜜が現代と照らし合わせてその心情を考察していく。

NHKの限界に挑んだ?過激な女子会トークに注目

7日(月)に放送されるシリーズ第1回目のテーマは「ベッドイン」。エロスを代表する二人が繰り広げるトークにも注目したい。

反響

Eテレの攻め続けた番組作りに今後も期待したいところ。