特集2017年12月3日更新

食にまつわるウンチクのウソ・ホント

食や料理についてのウンチクやウソ・ホントは山ほどありますが、常識的にかなり広く知られているものから、意外と間違って覚えられていることなど、食品と料理の両面からいくつかご紹介します。

目次

食品に関するウソ・ホント

りんごと一緒にすると、ジャガイモの芽が出にくくなる?

正解は…ホント!

こちらは我が家でも実行していますよ。

リンゴに多く含まれる「エチレンガス」は野菜や果物の成長を早める働きがあることを知っていましたか? リンゴのその特性を活かすと、キウイフルーツを追熟させたり、ジャガイモの芽を出しにくくするなんてこともできるんですよ。

まさにこの方法で追熟させたキウイフルーツをお裾分けしてくれた友人から聞いたことがある活用法でした。

「カルビ」という呼び方は部位のこと?!

正解は…ウソ!

え、えええ、、、そうだったのですね!としか言えません。

例えば、「カルビ」というのはメニュー名であり、「カルビ」という部位はなく
食肉小売の世界では使われません。
カルビは韓国語で「あばら」の意味で、
あばら骨まわりの肉である「サンカクバラ」や「タテバラ」、「ササニク」
などがカルビとして使われることが一般的だといいます。

カルビは韓国語で「あばら」の意味、今日からそのように覚えたいです。ちなみに「ロース」も厳密な部位名ではないそうです。

「ロース」という部位に厳密な定義はない。焼肉ライターの松浦達也氏によれば「『背中の肉』ぐらいのざっくりした意味で使われている。ロースとして出す肉は店によってまちまちで、『ロースのような味のする部位』であることから、後足のもも肉を出す店もある」。

クエン酸の疲労回復効果は本当?!

温泉旅館の朝食などで、おかゆや炊きたてごはんに砂糖をまぶした梅干しを添えて砂糖の甘味と梅干しのクエン酸で"おめざ"なんて言うところもありましたが、実際はどうなんでしょう。

正解は…部分的にウソ!

男性や一般的な体力の方には効果はありません。糖分を摂取していない方や、ダイエットで極端にカロリー摂取が少ない女性などには有効に働くことがあります。

先の温泉旅館の朝食での経験もあり、朝に食べる梅干しは疲れた体に良さそうだと思い込んでいました。一般的な体力の人には効果がなかったのですね、残念!

外国では風邪を引いたらコーラを飲む習慣がある?!

正解は…ホント!

風邪を引いたら温かい飲み物を飲んでたくさん汗をかいて…のイメージでしたが、根底から覆されました。

「フランスでは”お腹にくる風邪を患った際にはコーラを飲めばいい”と言われている。裏付けるようにウェブサイト『フランス生活情報フランスニュースダイジェスト』には『脱水症状を防ぐために水分を多く摂ること。そして糖・塩分の含まれた飲み物を多く摂ること』とあり、糖分を含んだコーラが当てはまる。またホットコーラは中国ではポピュラーな風邪の民間療法だし、ノルウェー人ほぼ全員が『体調が悪い時にはコーラを飲む』と答える。コーラの効能については、フランス、ドイツ、スペイン、アメリカで、医師が実際に薦めているほどです」

これまた驚きの習慣ですね。日本では風邪ぴきの身体には、熱い葛湯やすりおろしたりんごを飲むのが習慣と思っていた方が多いはず。

白菜の黒いブツブツは病気や虫食い?!

白菜のあの「ブツブツ」を「病気」だと思い込んでいました。もちろん、黒い斑点の出ているものは買わないように避けていました。

正解は…ウソ!

しかしあの「黒いブツブツ」の正体は「ゴマ症」と呼ばれる生理障害で、その原因は「石灰の肥料」とのこと。出荷までの間に低温などのストレスにさらされると、黒い斑点が出ることがあるらしいんです。つまり「黒いブツブツ」は、白菜たちが頑張った証ってこと!

こちらは目から鱗でした。白菜もストレスと戦っていたのですね。

「トマトは野菜か果物か」を裁判で争ったことがある!?

こちらは卓球の愛ちゃんこと福原愛さんのツイートより。ほとんどの日本人は「トマトは野菜」という認識だと思われますが、台湾人である旦那さんは果物と主張。確かにトマトはメロンやスイカのように、茎に実ができる植物ではありますが…。

正解は…ホント!

よく「野菜とフルーツの違いは何か?」と議論されるが、植物学的に果物は顕花(けんか)植物で、種子によって繁殖する。よってこの定義からするとトマトやきゅうりも果物になる。しかし料理の世界では、甘みよりも風味がある植物は野菜と見なされているため、トマトやなすびは野菜のカテゴリーに入っていたのだ。そこで1893年、米連邦最高裁判所で協議された結果、トマトは野菜として税金がかけられることが決定したそうだ。

厳密な定義で言うと、トマトは果物に分類されてしまうんですね。トマトネタからもうひとつ。

青いトマトには毒があるって本当?!

熟れていない野菜も好きな筆者は今まで何度も食べていたかもしれません…。

正解は…ホント!

真っ赤に熟したトマトの果実は問題ありませんが、未熟でまだ青さが残るトマトは注意が必要。葉や茎、未熟な果実に毒性が含まれ、食べ過ぎると腹痛や下痢を引き起こします。

店頭で極端に青いトマトを見かけることは少ないですが、家庭菜園や、学校でお子さんがトマトを育てているような場合は気をつけたいですね。

キノコを冷凍すると旨味が増す?!

正解は…ホント!

噂には聞いたことがありましたが、実際に試したことはありませんでした。すべてのキノコが冷凍向きではないようですが、節約にもなりそうですし、旨味アップになるならぜひ試してみたいです。

冷凍することでキノコの細胞壁が壊れ、旨味を作り出す酵素が働きやすい状態になります。冷凍保存しておけば、いつでも美味しいキノコを食べることができます。調理の注意点ですが、解凍すると旨味成分が水に溶けだしますから、解凍せず、冷凍のまま調理しましょう。マッシュルームやエリンギなど、水分の豊富なキノコは冷凍に向きません。しいたけ、なめこ、エノキ、マツタケなどが適しています。食べやすい大きさにカットしてから冷凍し、凍った状態のまま調理するようにしましょう。

しいたけを日光にあてることでビタミンDが増えるというのは知っていましたが、まさかの冷凍!!旨味がアップして冷蔵庫より長期保存ができて、忙しいときには冷凍のまま調理に使えるなんておいしすぎます。

ピーマン、パプリカ、唐辛子はどれも同じだった?!

正解は…ホント!

全てがナス科トウガラシ属に属するんだそうです。みんな同じ仲間でした。

それぞれ同じような形をしているピーマン、パプリカ、唐辛子ですが、実は明確な線引きはありません。極端な話、どれもピーマンでもあり、パプリカでもあり、唐辛子でもあるのです。日本では辛味が強いものを唐辛子と分類し、弱いものをピーマンとしていますが、他国ではパプリカとピーマンを同列に扱う国などもあります。

ぎんなんは食べすぎると危険?!

なんでも食べすぎはNGだとは思いますが、あんなに小さな木の実で…。

正解は…ホント!

「ぎんなんは、『ギンコトキシン』という、脳内の抑制性伝達物質であるGABA(ガンマ・アミノ酪酸)の生成を阻害する成分を持っています。そのため、食べ過ぎると興奮状態に陥り、鼻血が出たり体が痙攣したりすることがあります」
実際、食べ物が少なかった終戦直後には、子どもが升いっぱいのぎんなんを食べたことで中毒死する悲惨な例もあったという。食べ物があふれている現代で同じことが起きる可能性は低いが、ぎんなんは少量でも危険性があるため、口にする際は十分注意すべきだという。

見た目に反してある種の刺激物だったわけですね。焼いた銀杏は香ばしくてついつい沢山食べたくなってしまいますが、少量を味わって食べるようにしましょう。

料理に関するウソ・ホント

お米を研ぐときはゴシゴシこすり合わせたほうがいい?

水が透明になるまでゴシゴシ研ぐように、と祖母や母親から言われ育った筆者ですが、最近は無洗米も多数販売されているくらいですし、実際のところどうなんでしょう。

正解は…ウソ!

昔は「水が透明になるまで米をこすり合わせるようにゴシゴシと研げ」と言われたが、精米技術が発達した現在は「数回なでてすすぎ1回」で十分だ。和食店「おこん」の代表で米・食味鑑定士の資格を持つ小柳津大介氏がいう。
「米を研ぎすぎると米の表面にあり、“うま味のもと”であるでんぷん層まで流れてしまいます。数回優しくなでるように研ぎ、1回すすぎをする程度で十分です」

精米技術が発達した現在は「数回なでてすすぎ1回」で十分だったのですね。研ぎすぎないよう注意して美味しくたっぷり栄養補給しましょう。

土用の丑の日に鰻を食べるとスタミナがつく?!

平賀源内がうなぎ屋に「本日、土用の丑の日」という張り紙をしたことが始まりだそうですが、そもそも鰻を食べたらスタミナがついて夏バテ予防になるのでしょうか。

正解は…ホント!

では、うなぎには夏バテに役立つ栄養素が含まれているのでしょうか?
鰻には可食部100gあたりエネルギーが255kcal、タンパク質が17.1g、脂質が19.3g、炭水化物が0.3g含まれます。(※2)
エネルギー源となる3大栄養素のうち、炭水化物が少ないので、ごはんと併せてうな丼にするとよりエネルギーもしっかりと摂ることができます。さらに免疫力を高めるビタミンAはレチノールとして2400IUも含まれています。

スタミナ不足に陥りやすい夏場に栄養価の高い鰻を食べるのは、理にかなっていたのですね!

しらたきと肉を一緒に煮ると固くなる?

昔から鍋料理の度に周囲の大人から「白滝と肉を同時に煮ると肉が固くなるから順番を考えなさい」と言われました。急いでいるときなどは同時に煮たこともありますが、実際に食べていて、そんなに気になるほどお肉が固いと思ったことはない気がしていましたが…。

正解は…ウソ!

そこでこんにゃく協会は、一般財団法人食品環境検査協会に委託して、「しらたき」の有無による肉の硬さの比較試験を行なったという。「霜降りの多い国産和牛の肩ロース」と「霜降りの少ないアメリカ産肩ロース」を使用し、「しらたき無し」「水洗いのみのしらたき」「下茹で後に水洗いしたしらたき」の3条件ですき焼きを作り、5人のモニターが噛んで硬さを比較。
結果、「『しらたき』の有無による肉の硬さへの影響はみられない」「肉の硬さへの影響要因は加熱時間と肉の霜降り度合いが大きい」「『しらたき』」の有無や下処理の違いによるすき焼きの鍋(割り下)のpH(酸性・アルカリ性の程度)の変化はほとんどない」という結果を公表したのだ。

やはり『しらたき』のせいではなかったのですね!こんにゃく協会の研究心に拍手!

「うなぎと梅干し」の食べ合わせは悪い?!

昔からよく聞く「悪い食べ合わせ」のひとつとして有名ですが、実際のところはどうなんでしょう。

正解は…ウソ!

一方の「うなぎと梅干し」は、医学的には悪い食べ合わせではありません。塩分とカリウムを含む梅干しは夏バテ防止に最適です。うなぎの脂っこさを梅干しのさわやかさが消してくれる効果すらあり、食欲増進につながります。
昔から「うなぎと梅干し」が悪い食べ合わせと言われるのは、食欲が増して食べすぎてしまうためかもしれません。また、ともに「う」で始まるなどゴロ合わせから言われている説もあります。

その一方で、このような意見もありました。食べる順序が大事ということですね。

「こってりしたうなぎを食べた後に、酸っぱい梅干しを食べると、胃が縮んで消化不良の原因に。胃の弱い人は、梅干しだけでなく、食後に酸味の強いものを摂るのは控えた方が無難です。ただし、食中なら胃をスッキリさせる効果もあるので大丈夫!」

「サンドイッチ」を発明したのはサンドイッチ伯爵ではない!?

サンドイッチ伯爵が片手にサンドイッチ、というのはイラストなどでも見たことがありますよね?

正解は…ホント!

「サンドイッチはサンドイッチ伯爵がトランプをしながら片手で食事できるように発明した」と言われていますが、これは間違い。サンドイッチ伯爵こと、サンドイッチ村の領主ジョン・モンタギュー伯爵が生まれる前から、パンに肉や野菜を挟んだ食べ物は「bread and meet」などの名前で存在したという。

トランプをしながら片手にサンドイッチ、何度も見ていたあの絵は発明者だったからではないのですね…。

ナポリタンを作る時、ケチャップを入れるのは最後?

え??まさか、違っていたのですか??

正解は…ウソ!

また、自宅でナポリタンを作るときに知っておきたいのが、ケチャップを入れるタイミング。すべての具と麺を炒めて最後に味付けをするイメージが強いが、「具材と一緒にケチャップも炒めてから、パスタを入れる」のがベスト。こうすることで、ケチャップの水分が飛んで麺がやわらかくなりすぎることを防ぎ、なおかつケチャップの酸味が緩和され、うまみを引き出す効果もあるという。

確かに…言われてみたらそうですね。具材と一緒にケチャップも炒めて水分を飛ばすのがコツだったのですね!ただ、身も蓋もない意見ですが、最終的には各々の好みで調整したら良いと思います。

冷蔵庫に入れてはいけない調味料がある?

我が家では開封後の調味料はとりあえずなんでも冷蔵庫に入れていますが、やればやるほど冷蔵庫のドアポケットは調味料だらけ!実際のところ、常温保存できる調味料ってどのくらいあるのでしょうか。

正解は…ホント!

みりん、酢、ごま油、オリーブオイル、はちみつなど、となります。みりんは、含まれるアルコールと砂糖の殺菌作用により、直射日光を避ければ、常温保存でOK。逆に、冷えると糖分がかたまり、下に沈んでしまいます。

みりんも酢も開封後は冷蔵庫に入れていました。そして、味噌は開封前でも冷蔵庫に入れるべきでしたか…。知りませんでした。また、記事にあるように、調味料を組み合わせてドレッシングを手作りすれば更に冷蔵庫内をスッキリできそうですね!今夜はさっそく冷蔵庫内の在庫チェックをして断捨離しようと思います。

大根は部位によって辛味が違う?!

正解は…ウソ!

いまなお、手書きポップや包装紙に「上部は煮物・下部はおろし」といった使用法が書かれている"大根の使い分け"。だが、じつは使い分け自体不要なのだそう。というのも、「大根の辛みはミロシナーゼという酵素が作り出していて、この成分は皮の近くにある」そうで、皮を薄く剥くか・厚く剥くかで辛みを調整できるのだ。

皮の剥き方で辛味を調整できるとは!これで使い分けから解放されて気楽に使えますね。

大根おろしとしらすを一緒にするのはOK?

大根おろしに何か添えたり入れたりというのを考えると、まっさきにシラスが思い浮かぶ方も多いと思うのですが。

正解は…ウソ!

お酒のつまみにもなるしらすおろし(しらす大根)。しらす干しに含まれるアミノ酸の一種・リジン(体の成長に関わる栄養素)は大根によって吸収が阻害されてしまうので、別々に食べることをオススメします。

こんなにもメジャーなおかずのシラスおろしが栄養素の吸収を阻害しあう食材だったとは!!別々に食べましょう。


今日からさっそく料理や食生活に活かせそうなヒントはありましたでしょうか。食の安全が叫ばれる昨今ですが、個人レベルで身近なものから気を付けられることも多いですね。安心で美味しい食卓のヒントになれば幸いです。