特集2017年11月22日更新

声優・鶴ひろみさん死去に集まる悲しみの声

それいけ!アンパンマンの「ドキンちゃん」をはじめ、ドラゴンポールシリーズの「ブルマ」などで知られる声優・鶴ひろみさんが、2017年11月16日に他界されました。亡くなったときの状況や鶴さんの経歴、仕事仲間をはじめとする国内外の悲しみの声などをまとめました。

目次

鶴さんの訃報を発表

『それいけ!アンパンマン』(日本テレビ)のドキンちゃん、『ドラゴンボール』(フジテレビ)ブルマの声で知られる声優・鶴ひろみさんが16日午後7時30分頃、大動脈解離のため亡くなった。57歳。所属事務所が17日、正式に発表した。

2017年11月16日、首都高速で意識不明の状態で発見

16日午後7時半ごろ、東京都中央区日本橋の首都高速都心環状線内回りで、「ハザードを付けて止まっている車がカメラに映っている」と運営会社から警視庁高速隊に通報があった。駆けつけた同隊員が、停止している乗用車の運転席で声優の鶴ひろみさん(57)がシートベルトを付けたまま意識不明の状態で座っているのを発見。病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。同隊は病死の可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べている。
同隊によると、現場は2車線で鶴さんの車は中央寄りの車線で停止していた。ブレーキ痕はなく、鶴さんの車はゆっくりとしたスピードで進み、中央分離帯の縁石に右前部をこすりながら停止した可能性があるという。

所属事務所が死因を発表

青二プロダクションは書面を通じて「ここに生前の御厚誼に深謝するとともに、謹んでご通知申し上げます」と伝え、「運転中の大動脈剥離」とした。なお、通夜および告別式については親族のみにて家族葬を執り行うとしている。

突然発症する場合が多い病気「大動脈解離」

大動脈解離は大動脈の内壁に亀裂が入り裂ける病気。本来流れていない場所に血液が入り込み、胸や背中に激しい痛みが走る。大動脈剥離とも呼ばれ、循環器疾患による突然死としては心筋梗塞に次いで多いとされる。突然発症する場合が多く、車の運転時に襲われ事故につながる例も少なくない。

車の運転中に“この世で一番の激痛”とも言われる「大動脈解離」の激しい痛みに襲われると、意識の喪失やパニックで車が暴走して大きな事故を起こすこともあるといいます。鶴さんはそんな痛みに襲われながらも意識を失うことも、パニックになることもなく他のドライバーに配慮してハザードを点灯、減速して停車したということになります。

声優「鶴ひろみ」とは

鶴さんは小学2年生で自ら希望して姉と共に劇団ひまわりへ入団、1968年小学校3年生の時に『コメットさん』のオーディションを受け第63話『妖怪の森』でドラマデビューする。ドラマで子役として活躍すると1978年、高校3年生の時に世界名作劇場『ペリーヌ物語』のオーディションを受けて主人公・ペリーヌ役で声優デビューを果たした。
その後数々の作品に声優として出演してきたが、彼女はなかでも思い入れがあるものに『ペリーヌ物語』のペリーヌ、『幻夢戦記レダ』の朝霧陽子、『ドラゴンボール』シリーズのブルマ、『それいけ!アンパンマン』のドキンちゃん、『らんま1/2』の久遠寺右京、『GS美神』の美神令子などを挙げている。

ドキンちゃんの後任「決まり次第お知らせします」

番組を担当する桐本篤プロデューサーは訃報を受け、「突然の訃報に驚いております。心より、ご冥福をお祈りいたします」とコメント。ドキンちゃん役の後任については「決まり次第お知らせいたします」としました。

ブルマの登場シーン「対応は協議中」

現在放送中の最新シリーズ「ドラゴンボール超(スーパー)」(日曜・前9時)ではここ最近出番はなかったが、今後ブルマの登場シーンで収録分の声が放送される可能性もあるという。
同局では「対応は協議中」としている。

集まる悲しみの声

中尾隆聖

それいけ!アンパンマン「ばいきんまん」役・ドラゴンボールシリーズ「フリーザ」役で共演

「それいけ!アンパンマン」で共演したばいきんまん役の中尾隆聖は「30年間も一緒にやらせていただいたドキンちゃん。こんなことになるなんて、言葉が見つかりません」とショックを隠しきれない様子。

かないみか

それいけ!アンパンマン「メロンパンナ」役で共演

メロンパンナちゃん役を務めるかないは、同アニメの収録現場から「いつもの席に、戸田恵子ねいちゃんがお花を用意してくれたよ。鶴さんが大好きだったおやつだよ。今日はみんな頑張ったよ。わかってたけど、、、寂しい」とアンパンマン役の戸田恵子が花を供えたことを報告。ドキンちゃんのぬいぐるみ写真とともに鶴さんを追悼した。

島本須美

それいけ!アンパンマン「しょくぱんまん」役で共演

「信じられません。悲しいです。来週、アンパンマンで30回目のクリスマスの収録があります。その時、いつものように逢えると思っていたのに…。とてもとても悲しいです」とし、「大好きだよ。安らかにお眠りください。しょくぱんまん」とした。

佐久間レイ

それいけ!アンパンマン「バタコさん」役で共演

「さりげなく、温かく、どこまでもまっすぐな人。それが私の中の鶴ひろみさんです。ハザードをつけていたと伺った時、鶴さんらしいなと思いました。どんな状況でも最後までキッチリと、周りの迷惑を最小限に...。そんな想いがあったのではないでしょうか。(略)バタコはいつまでも、そんなドキンちゃんが大好きです。これからもみんなずっと一緒だよ」と故人を偲んだ。

山寺宏一

それいけ!アンパンマン「めいけんチーズ」役で共演

「カッコよくて、ユーモアがあって、繊細で優しくて。姉の様な存在でした」と回想。「ドキンちゃんがあんなに魅力的なのは、鶴さんの卓越した演技力とセンスによるもの」と称え、「舞台でも素敵で、いつか共演をと話していたのに。只々悲しいです」と思いを寄せた。

中原茂

それいけ!アンパンマン「おそうじまん」役で共演

平野綾

それいけ!アンパンマン「コキンちゃん」役で共演

平野は「ドキンお姉ちゃん」とのタイトルで「鶴ひろみさんがお亡くなりになりました。」と書き出し、「大好きなドキンおねえちゃんともう2度と会えないなんて信じられません。」と胸の内を語った。
鶴さんがハザードを点灯させて高速道の路肩に車を止めていたとのニュースに「苦しかったはずなのに最期までカッコいい鶴さんだったのを知って、さらに涙が止まらなくなりました。」とつづった。
最後に「尊敬する大好きなカッコいい先輩。悲しいけれど、でもいっぱいいっぱい感謝したい。いつまでもドキンおねえちゃんに『しょうがないわね~』と言ってもらえるコキンちゃんを演じられるように、精一杯頑張ります。」とブログを結んだ。

堀川りょう

ドラゴンボールシリーズ「ベジータ」役で共演

「まさに青天のへきれき。とても信じられない。彼女とはいろいろな作品でご一緒させてもらったので残念です」と悼んだ。
「実に鶴っぽいですね。周りを気にする。他のドライバーに迷惑を掛けないようにハザードランプをつけるとか。チャーミングで素敵で気丈な女性でした。ありがとうって言いたい」と“妻”に感謝し急な訃報を偲んでいた。

古谷徹

ドラゴンボールシリーズ「ヤムチャ」役で共演

「一夜明けたら、鶴さんの訃報が誤報だったらと願ったけど、叶わなかった。思い出が多すぎて、まだ、とても事実を受け入れられない。」と苦しい心境を明かし、「みんな、僕の事まで心配してくれているけど、僕は大丈夫です。ありがとうございますm(__)m」とつぶやいた。
古谷はその数時間前、「ひろみ 何でだよ!昨日、ラインで話したばっかりじゃんか!俺は信じないよ!」とつぶやいている。

古川登志夫

ドラゴンボールシリーズ「ピッコロ」役で共演

古川は自身のツイッターに「ブルマ。。。?!」と一報を聞いて驚き「空が青い日だなあ。。。『沈黙の碑』~人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです~を想起する。。。哀しいニュースで迎える朝、ボロ泣きで始まる朝。。。ジワジワ。。。くるよ。。。」と悲しみをつづった。

日髙のり子

タッチ「浅倉南」役・らんま2/1「天道あかね」役で共演

神谷明

キン肉マン「キン肉マン」役で共演

「11月17日」のタイトルで「今朝早く鶴ひろみさんの訃報が飛び込んできました。彼女には日刊アルバイトニュースのラジオCM、キン肉マンなどでお世話になりました。まだまだご活躍できたことを思うと、残念でたまりません。謹んでご冥福をお祈りいたします」とつづり「多くの仲間が献杯しています。ボクもこれから彼女を偲んで献杯したいと思います」と悼んだ。

水島裕

Gu-Guガンモ「藤田カシオ」役・聖闘士星矢Ω「サターン」で共演

六神合体ゴッドマーズで主役・明神タケルなどを演じ、鶴さんとの共演も多い水島は「詳しいことは分かりませんが、あまりに突然のことで理解出来ません。ウソでしょう?」とニュースが伝わった直後と思われる午前中に投稿。同昼過ぎに再度ブログを更新した。
「鶴ひろみさん、、、長い間の友人です。よくゴルフを共にしたり、、、数年前には、舞台でもご一緒しました。とても、さっぱりした女性で、『いなくなる』ということから正反対にいるような人でした」と振り返った水島。「首都高で停車していた車の中でと言うことですが、以前、『この車、すごく気に入ってるの!』と素晴らしい笑顔で話していた車なのでしょうか? そうだとしたら、ほんの少しは気持ちが軽くなります。(事故や事件ではなかったという意味も含めて) あまりに突然のことで、とても驚き、心も沈んでいますが、心から御冥福をお祈りいたします」とつづった。

島津冴子

のびのびノンちゃん「ウリちゃん」役・らんま1/2「九能小太刀」役で共演

機動戦士Zガンダムのフォウ・ムラサメ役などで有名な島津冴子(58)は「スマホの速報に鶴ひろみちゃんの名前が…ただ呆然とするばかりです。鶴ちゃん…訃報だなんて…」とブログで悼んだ。

緒方恵美

GS美神「横島の母」役で共演

1993~94年放送のアニメ『GS美神』で共演したという緒方は、当時を振り返り「その背中から学んだことは多すぎて、…当時新人の私は、溺れそうなほど…!」と先輩との思い出を語り、「ずっとお若くて美しい方。信じられない…」と突然の別れを惜しむ声をつぶやいていた。

井ノ上奈々

Master of Epic The Animation Age「ワラゲ・ブルー」役で共演

橋爪駿輝

「ドラゴンボール超」のプロデューサー

「ブルマとしてドラゴンボールの世界に生きてくださったことに感謝し、心よりご冥福をお祈りいたします」と悼んだ。

また、「ドラゴンボール超」の公式Twitterにもコメントがツイートされています。

「ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件」作者・ドラゴン画廊・リーさんの追悼イラスト

悲しみむファンは国内だけでなく海外にも

ファンらは「まだ亡くなったなんて信じられません…」「突然の訃報に驚いています」とツイート。「ドキンちゃんやブルマ様の声をくれてありがとうございます」「ガルフォースのルフィで、また他の作品でも素晴らしい声をありがとうございました」「らんまのうっちゃんが大好きでした」など鶴さんが演じたキャラクターに想いを寄せる様子も見られ、国外でも「#HiromiTsuru」「#Bulma」のハッシュタグでその死を悼む空気が広がった。
中国では特に「ドラゴンボール」の知名度が高く、鶴さんの訃報に中国のネットユーザーからは「ドラゴンボールのブルマだ」「悲しすぎる」「あまりにも突然」「ドラゴンボールで復活してほしい」「どうぞ安らかに」などのコメントが寄せられている。

中国メディアは前日に放映された「ドラゴンボール超」の中におけるブルマの「最後のセリフ」を紹介しています。

網易娯楽は20日、前日の「ドラゴンボール超(スーパー)」放送後に哀悼のメッセージが示されたことを伝え、「1986年に放送が始まったドラゴンボールシリーズは長年の仲間を失った」と説明。さらに、ブルマとしての「最後のセリフ」とされているのが、夜空を見上げながら口にした「頼んだわよ、みんな」だったと紹介し、新浪娯楽も「涙を誘うセリフ」としてこの言葉を取り上げている。

また、米「Google」の急上昇ワードに「Hiromi Tsuru」が入りました。

世界的人気を誇るドラゴンボールの声優の死去は海外でも反響が大きく、米国ではグーグルの急上昇ワードに「Hiromi Tsuru」が入った。
約半日の時差がある米国。東部標準時で朝を迎えた日本時間午後8時前後。日本からの訃報に米国のアニメファンが驚いたのだろう、日付別の急上昇ワードに「Hiromi Tsuru」が上がった。

鶴さんのご冥福を心よりお祈りいたします。