特集2017年5月9日更新

芸能人から見る「理想の上司」はどんな人?

毎年さまざまな企業や団体から発表される「理想の上司」。その中でも歴史がある2つの調査の女性部門でともに8連覇を阻止したあの女子アナに注目が集まりました。今回は、理想の上司として名前がよく上がる芸能人をピックアップし、どんなところが「理想の上司」と見られるのか、探っていきたいと思います。

「理想の上司」男性1位は松岡修造、女性1位は水卜麻美アナ

7年連続1位だった天海祐希を抜いた水卜アナ

産業能率大学が新入社員を対象に行った「理想の上司」に関するアンケートの結果を4月18日に発表しました。この調査は1993年度から実施されている歴史のある調査です。

2017年度理想の男性上司1位は、3年連続で「松岡修造」(47票)となった。続く2位は「マツコ・デラックス」(34票)、3位には「イチロー」(32票)がランクインした。
一方、理想の女性上司では、これまで7年連続トップだった天海祐希を抜いて「水卜麻美」(55票)が初の1位を獲得。次いで、2位「吉田沙保里」(47票)、3位「天海祐希」(46票)となった。

明治安田生命の「理想の上司」でも1位に

「理想の上司」ランキングは明治安田生命も毎年発表していて、2月6日に発表された今年のランキングでは、男性部門の1位にウッチャンナンチャンの内村光良、女性部門の1位はこちらも7連覇中だった天海祐希を抜いて水卜アナが1位に輝いています。

「理想の男性上司」
1位・・・内村光良さん
2位・・・タモリさん
3位・・・池上彰さん
4位・・・原晋さん
5位・・・所ジョージさん

「理想の女性上司」
1位・・・水卜麻美アナ
2位・・・天海祐希さん
3位・・・吉田沙保里さん
4位・・・石田ゆり子さん
5位・・・有働由美子アナ

ここに紹介した産業能率大学や明治安田生命の調査結果でよく見る人物以外にも、ネット上などで名前があがる「理想の上司」もいます。それらを含めた代表的な「理想の上司」を紹介していきましょう!

水卜麻美

日本テレビアナウンサー

面倒見がよく後輩にも優しく接する「お姉さん型」上司

「よく知られているところでは、後輩の女子アナたちを集めてお酒を飲む“ミト会”を主催。彼女は本当に面倒見がよくて、どんなに忙しくても悩み相談に乗ってあげている。中でも徳島えりかアナは姉のように慕っていて、ふたりで旅行することも多いみたいですね」(日テレ関係者)

松岡修造

元テニスプレーヤー

熱い言葉で部下を応援して励ます熱血上司

トップ3位の理由をみると、1位の「松岡修造」に対しては「熱心に後輩に向き合ってくれそうだから」(22歳/女性)、「部下のことをいつも応援してくれ励ましてくれそうだから」(22歳/男性)といった声があった。

別の調査ではまさかのランク外

産業能率大学の調査では3年連続の1位となった松岡修造ですが、明治安田生命の調査では昨年の1位からまさかのランク外という結果に。

前年の男性総合1位は、“アツい指導”で有名な松岡修造さんでしたが、今年はなんとトップ10圏外に。
いま人々が上司に求めるものは、熱血さよりも結果を伴う実力や指導力なのかもしれません。

天海祐希

女優

なんでも相談できそうなサバサバとした姉御肌

宝塚で男役だっただけに、サバサバとした男前な雰囲気が上司として理想的な姿に写りますよね。相談しても「くよくよしない~!」と背中をバシッと叩かれて、元気をもらえそう!

内村光良

お笑い芸人

部下を引き立てる「名プロデューサー」上司

「内村は、現場でけっして自分だけが前に出ようとせず、周りを引き立たせるのが特徴です。しかも内村は自分で映画を撮ったり、今年は舞台にまで挑戦したり、意欲的な姿を後輩に見せ続けていますからね。内村以上に頼りになる上司はいないでしょう」(お笑いライター)

吉田沙保里

レスリング選手

実力があって後輩からも慕われる「頼もしい」上司

吉田選手は産業能率大学の調査で女性の2位、明治安田生命の調査では3位と、リオ五輪効果もあってか、ともに昨年のトップ10圏外からトップ3への大幅なジャンプアップを果たしています。
明治安田生命の分析では「頼もしい」点と「実力がある」点が支持され、「吉田選手を慕う母校の後輩3人が金メダルを獲得したことも評価された」のではないかとしています。

所ジョージ

タレント、ミュージシャン

程よい脱力感と相談しやすそうな「親しみやすい」上司

明治安田生命の調査で男性の5位にランクインし、長い期間さまざまな「理想の上司」ランキングで名前を見かける所ジョージ。新しいところでは、レオパレス21が2月に発表した「ひとり暮らしと新生活に関する実態調査」の「上司にしたい芸能人」1位に輝いています。

1位は自由に仕事をさせてくれそうなイメージのある、所ジョージ。楽しく明るい職場になりそうですよね。「柔軟で相談にすぐ乗ってくれそう」、「自由で寛大だが、しっかりと大切なところで言葉をかけてくれそう」と支持されました。

石田ゆり子

女優

アラフィフでも変わらぬ美貌のキャリアウーマン

明治安田生命の調査で女性の4位、産業能率大学の調査で5位と、吉田選手と同様にランク外から急上昇。昨年大ブレイクしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」で演じた「百合ちゃん」こと外資系化粧品会社のキャリアウーマン役の影響が大きいようです。ほかに、「年齢不詳」「変わらぬ美貌」「奇跡のアラフィフ」などと称される美しい容姿も要因ではないかと指摘する声も。

最近はドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の好演が光った彼女ですが、アラフィフになっても容姿の衰えを見せないことも高評価につながったのではないでしょうか」(芸能関係者)

タモリ

タレント、司会者

いろんなことを知っていてユーモアも併せ持つ上司

明治安田生命の調査で男性の2位、産業能率大学の調査で8位に入るなど、ランキングの常連となっているタモリ。日本FP協会が3月に発表した「働く女性のくらしとお金に関する調査」の「なんでも相談できる理想の上司」で男性1位になっていることからも、大御所でありながら温和なイメージを持っていることが要因のようです。また、NHKの「ブラタモリ」などで豊富な知識を披露することもあり、知的なイメージも影響しているのでしょう。

マツコ・デラックス

タレント、エッセイスト

切れ味鋭い毒舌コメントにも愛がある「辛口上司」

マツコ・デラックスは産業能率大学の調査では「男性」の2位に入っていながら、明治安田生命のランキングには過去を通じて入っていません。それが「男性部門なのか女性部門なのか判断が難しい」という問題のせいか定かではありませんが、前述の日本FP協会の調査では「女性上司」として10位にランクインし、「男性上司」としても得票していて、「男女総合」で8位にランクインしています。
辛口なイメージがありながらも周囲への気づかいを欠かさないマツコは、相談しやすい理想の上司像に当てはまるのかもしれませんね。

辛口なマツコ・デラックスが8位なのが意外でしたが、相談となると、鋭く言われるより、笑い飛ばしてくれる感じがイマドキの傾向なのかもしれませんね。

なお、マツコは福祉の人材サービス会社ニッソーネットの調査で「介護の施設長になってもらいたい有名人」の1位にも輝いています。ちなみに、こちらは「男性」の1位です。

フリーザ

宇宙の帝王

手段を選ばず結果にこだわる非情さを持つ上司

国民的人気漫画&アニメの「ドラゴンボール」の敵キャラクター、フリーザ。極悪非道な悪役として登場するフリーザですが、その立ち振る舞いからネット上では「フリーザ様」と呼ばれて親しまれると同時に、以前から「フリーザ様は、実は理想の上司なのでは」とささやかれていました。
ある種ネット上のネタとはいえ、昨年5月にはアニメの30周年を記念した企画で「理想の上司フリーザ」のLINEスタンプが発売されるなど、“理想の上司フリーザ”は公式のお墨付き。先日にはフィギュア化もされています。

もし、フリーザ様を歴史上の人物にたとえるとしたら?
「織田信長でしょう。フリーザも信長も目的を達成するためには手段を選ばず、結果にこだわる非情さを持っている。豊臣秀吉という人材を発掘した高いリクルーティング能力もフリーザとの共通点といえるかもしれません」

フリーザが理想の上司である根拠について、30万部突破のベストセラービジネス書の著者が真面目に分析し、以下の7点をあげています。

・前線で指揮執る“現場至上主義”
・敵であろうと有能であれば“即スカウト”
・部下は種族や出身で差別しない“完全実力主義”
・部下や敵に対しても“敬語&さんづけ”で丁寧
・部下の顔&名前は末端構成員まで“しっかり記憶”
・失敗した部下にも“挽回のチャンス”を与える
・実は孫子の兵法“戦わずして勝つ”を実践


今回「理想の上司」について調べていた際、たまたま目に入ったのがドラマ「理想の上司」。ちょうど20年前の春クールにTBS系で放送されていたドラマで、主演の長塚京三について、CS放送「TBSチャンネル」の解説に「CMで大ブレークし、「理想の上司」としてOLに大人気の長塚京三」とあります。確かに過去の調査データを見ると、その時代に長塚京三が1位にランクインしていましたし、加えて、同ドラマに今回紹介した石田ゆり子がリストラ対象の“お荷物OL”役として出演しているところも隔世の感がありました。
長塚京三と同時期にランクインしていた「椎名桔平」や「山口智子」といった名前がランキングから消える一方で、「所ジョージ」や「タモリ」はいまだにランクインし続けているのが印象的です。俳優がドラマなどの出演作に影響を受けやすいのに対して、親しみやすさを感じさせるコメディアンは、いつの時代も「理想の上司」ということでしょうか?