特集2017年2月25日更新

開幕!新時代迎えるJリーグ

2017シーズンが開幕するJリーグ。今年は放映権が衛星放送のスカパー!からネット配信のDAZNに変わり、優勝賞金のアップや1シーズン制の復帰など、様々な変化があったようです。生まれ変わったJリーグの仕組みと、開幕戦の注目カードを併せて紹介します!

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ジーコ氏が来日へ

鹿島、ジーコ氏の来日予定を発表!! ラモス瑠偉氏とのトークイベントも実施へ

ゲキサカ / 2024年4月19日 13時22分

鹿島アントラーズは19日、ジーコ氏が5月12日のJ1第13節・東京ヴェルディ戦に合わせて来日することを発表した。ジーコ氏は鹿島のクラブアドバイザーを務めており、今季は2回の来日予定。 [全文を読む]

DAZNが放映権、10年2100億円

Jリーグは7月20日、2017年から10年間に及ぶ放映権を英国のパフォーム社と締結したと発表した。放映権の総額は2100億円で、無料視聴の地上波テレビとBS放送を除く、国内の有料放送が対象となる。

衝撃の巨額放映権料

これまでの放映権は衛星放送のスカパー!やNHKとの間によるもので、その額は年間で推定50億円。これが単純計算で一気に4倍になったのです。

金額は最低保証で、パフォーム側が一定の収益を超えれば、その後はレベニューシェアでJリーグとパフォームで収益を分配する。1年当たりの平均額は約210億円。昨年度の放映権収入は約50億円だったが、その4倍を超える過去最高額となる。

DAZNとは?

「DAZN」を提供するのはイギリスのメディア大手、パフォームグループ。スポーツの配信もさることながら、それによるブックメーカー(要するに賭けですね)へのサービスで利益を得ているようです。

2007年に設立され、スポーツを軸とした動画配信で業績を伸ばし、世界40ヵ国以上でサービスを展開している。サッカーのイングランド1部リーグやNBAの放送権を所有して配信。世界最大のサッカー情報サイト「GOAL.com」、NBA日本公式サイト「NBA.co.jp」、米国プロゴルフツアーの日本公式サイト「PGATOUR.COM」も運営している。
「ウォッチ&ベット(Watch&Bet)」という、オンライン・ブックメーカー向けの動画配信サービスを展開したことで急成長した。
▽スポーツ中継をライブ配信しながら、ベット(賭け)を促すサービスは、提携するブックメーカーにとっては口座獲得の窓口にもなる。英国ではスポーツが賭けの対象になっているからこそできたサービスだ。

巨額の放映権料に伴う賞金アップ

DAZNによる放映権料アップで、Jリーグの賞金もアップしています。ただ、毎年同じ額というわけでもなさそうで…

ただパフォーム社との放映権契約は2017年から19年まで3年間のステップ1と以降7年間のステップ2に分けて考えられている。最初の3年間の放映権収入は据え置きとなることが決定しているが、20年以降については変動の可能性があり、現時点では確定していない。

このように4年目以降は年ごとに変動する可能性もあるようです。ちなみに最初の3年間の配当金については説明します。 配分金は「均等配分金」「理念強化配分金」「降格救済金」「ACLサポート」「賞金」の5つに分類されます。

均等配分金

配分金は「均等配分金」「理念強化配分金」「降格救済金」「ACLサポート」「賞金」の5つに分類されている。全クラブ一律に支払われる「均等配分金」の原資は99.9億円で、1クラブあたりではJ1が1.8億円からほぼ倍増となる3.5億円、J2が1億円から1.5億円、J3が1500万から倍増となる3000万円になることが正式決定した。

均等配分金以外は、成績によって大きく変わることになります。

もしJ1で優勝した場合、賞金はいくらに?

均等配分金3億5000万円
賞金J1リーグ年間1位は3億円
理念強化翌年10億円、翌々年に4億円、3年後に1億5000万円
(合計15.5億円)
ACLサポート天皇杯も優勝の場合、2000万円
合計最大で22億2000万円を4年間で受け取ることに!

DAZNに聞いた!Jリーグ中継への意気込み

今シーズンからJリーグ中継を行うDAZN。これまでのスカパー!中心の放映形式から、Jリーグファンの観戦環境は大きく変わります。「試合中継以外の番組は?」「回線は大丈夫?」といった不安がある人もいるかもしれません。そこで、DAZN広報部にお話を聞いてみました。

― スカパーが放映していた時には「Jリーグマッチデーハイライト」などのダイジェスト番組がありました。DAZNでは、試合中継以外でJリーグに関する番組はありますか?

(DAZN)2月13日(月)に開催された「2017Jリーグキックオフカンファレンス」を生配信しました。また、ジュビロ磐田に移籍した中村俊輔選手と名波浩監督の対談番組も配信中です。試合関連では毎週金曜日に「プレビュー・ショー」という事前番組を、また「レビュー・ショー」を月曜日に配信する予定です。

― 開幕戦は特に注目度が高いと思います。視聴者が殺到して、回線が混雑して見ることができない…という心配もありますが?

(DAZN)当日は混雑状況を想定しての対策を取っておりますので、安心してご観戦ください。

― 巨額そして長期の放映契約は、ファンの間でも話題になっています。同時にこれは、DAZNからJリーグへの期待の表れだと思えます。Jリーグに対して、どのような期待をしていますか?

(DAZN)10年間の長期的パートナーシップを通して、共に、サポーターやスポーツファンを魅了するサッカーを届けていき、サッカーやスポーツ業界全体を盛り上げたいと考えています。

目の色を変える?Jリーグ各チーム

2017明治安田生命J1リーグ全34節マッチスケジュール

J1リーグは、開幕節の2月25日から最終節の12月2日まで開催される。注目カードは、3年ぶりの復活となるガンバ大阪と、セレッソ大阪による大阪ダービーや、4年ぶりの開催となるジュビロ磐田と、清水エスパルスの静岡ダービー。

80秒でわかる?ゲキサカによる、今季のJリーグ解説動画

では開幕戦の中から、注目カードをご紹介します。

鹿島アントラーズ vs FC東京

盤石補強の王者・鹿島に積極補強の東京が挑む

日時2月25日(土)14:00
場所カシマスタジアム
放映DAZN、NHK総合

鹿島の戦力補強診断

スペインに移籍した柴崎岳の穴は大きい…と思いきや、J最高のボールハンターであるレオ・シルバを獲得。彼以外にも充実した補強で戦力の底上げに成功。ゼロックススーパーカップでは浦和との頂上対決を制し、連覇へ万全の体制となっています。

MF柴崎岳、DFファン・ソッコの退団以外で、主力級の流失はない。ただ、J1リーグとAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の過密日程を考えると、ファン・ソッコが抜けたセンターバックの選手層に関しては、即戦力級の補強がないことにやや不安が募る。
期限付き移籍から復帰の選手を加えると、計9名の新戦力が加入。内容においても、的確かつ大型補強に最も成功したと言っても過言ではない。現有戦力のほとんどが残留したこともあり、戦力値だけを見れば、J1リーグと天皇杯の国内2感を達成した昨シーズン以上だ。

注目選手:鈴木優磨

昨年リーグ戦で8ゴール、クラブワールドカップでもゴールを決めるなどブレイク。今年は背番号9を背負い、練習試合、プレマッチなどでゴールを量産、ゼロックススーパーカップやACLでもゴールを決めるなど7試合7ゴールと絶好調です。

鹿島を代表して登壇した鈴木は、開幕戦の対戦相手であるFC東京のFW大久保嘉人と握手を交わすと、「(FC東京は)前線に素晴らしい選手がいます」と警戒。それでも「良い守備から良い攻撃というのをしっかりやれれば、勝てるんじゃないかと思います」と強気な姿勢を見せた。

FC東京の戦力補強診断

3年連続得点王の大久保嘉人をはじめ、日本代表クラスの大物を次々と獲得しオフの主役に。優勝を狙えるだけのメンバーは揃ったと言えそうです。

GKの一新を敢行。その他、MF高橋秀人や、MF水沼宏太、MF羽生直剛、FW平山相太らベンチを暖める日々が続いた実力者が新たなチャレンジを求めて退団した。ただ、新戦力の顔ぶれを見ると、痛手となりそうな選手は見当たらない。
充実のオフシーズンだった。各ポジションの新顔に日本代表経験者を揃えて、今オフの話題をほぼ独占。悲願のJ1リーグ初制覇へ盤石の土台を築き上げたといっても過言ではない。

注目選手:高萩洋次郎

広島からオーストラリア、韓国のクラブを経て今季からFC東京に。FC東京が待ち望んだパサーだけに、彼の活躍が東京の飛躍のカギを握るかも。

183センチの長身にもかかわらず、しなやかなプレースタイルから長短のパスで攻撃を組み立てる高萩は、個人的には現代サッカーでは希少種と言ってもいいクラシカルなファンタジスタだと思うし、正直好みのタイプだ。ただし、攻守に運動量が求められる現代サッカーで生き残る場所があるのかどうか。それは指揮官が求める、あるいは“許す”役割によって替わってくるだろう。

鬼門の鹿島相手にFC東京優位の“ジンクス”

鹿島とのリーグ戦直近14試合で1勝4分9敗と大きく負け越しているFC東京だが、唯一の勝利は前回対戦となる昨季J1第32節(2-1)で挙げたもので、苦手意識はそれほどないはずだ。さらにFC東京にとって優位なデータもある。直近の6シーズン、前年度のJ1優勝チームが開幕戦で勝利した例は1度(14年の広島)しかない。また、FC東京はJ1のディフェンディング王者に対し、5戦連続無敗(3勝2分)と強さを発揮。鬼門攻略へ舞台は整っている。

横浜F・マリノス vs 浦和レッドダイヤモンズ

チームの象徴を失ったマリノスと、昨年の雪辱を期すレッズの対決

日時2月25日(土)12:30~
場所日産スタジアム
放映DAZN

横浜FMの戦力補強診断

マリノスは中村俊輔というチームのアイコンをはじめ、レギュラークラスを複数放出も、実力のある若手や移籍で結果的に戦力の底上げに成功。選手との軋轢が噂される監督の腕の見せどころになりそう。

衝撃が走ったMF中村俊輔に加え、クラブ一筋のGK榎本哲也、右サイドバックの主力であったDF小林祐三、中盤の汗かき役であったMF兵藤慎剛を放出。横浜FMサポーターにとっては眠れない日が続くオフとなった。
海外移籍が噂されていた日本代表MF齋藤学の残留が濃厚。さらに、リオ五輪に向けたU-23日本代表でプレーした3名に加え、将来性のある助っ人3人を確保するなど、終わってみればプラスの補強になったと言える。

注目選手:齋藤学

移籍の可能性に揺れた今オフ。しかし残留し背番号10、新キャプテン就任で名実ともにマリノスの顔となることを選択しました。

横浜F・マリノスは8日、日本代表MF齋藤学(26)との契約更新と共に、背番号11から10番に変更することを正式発表した。この発表を受け、齋藤は同日にクラブ残留と背番号変更への思いを明かしている。

浦和の戦力補強診断

昨年は年間勝点で1位となりながら、チャンピオンシップで鹿島に敗れ王座を逃した浦和。今年は主力の流出もなく、逆に各ポジションに他チームの主力クラスの補強に成功。王座奪回を目指します。

期限付き移籍を含めチームを去った選手は10名だが、期限付き移籍期間延長が3名、期限付き移籍から完全移籍に切り替わった選手が1名となった。また、GK大谷幸輝やDF永田充らは完全移籍で退団したものの、主力の放出はなく戦力ダウンも起こることはなかった。
4選手を完全移籍、1選手を期限付き移籍で獲得。さらに、期限付き移籍から3名を復帰させた。各クラブで主力を担っていた選手を補強したことで、リーグタイトル、アジアタイトルを目指せる陣容は揃った。

注目選手:長澤和輝

大学卒業後、ドイツのケルンに加入して1部昇格に貢献するなど2シーズンを過ごし、昨シーズン、浦和に加入するも即J2千葉へレンタル。今シーズンは「復帰」ながら初めて浦和のユニフォームに袖を通すことになります。

昨季ドイツのケルンから浦和に加入。レンタル先の千葉では中心選手としてボランチやトップ下、サイドハーフなど複数のポジションでプレーの幅を広げ、今季から浦和に復帰した。ボランチとしては経験を積んできたが、3-4-2-1のフォーメーションを採用する浦和のボランチとして求められる役割にもフィットしようとしている。

浦和と相性のいいマリノス。大観衆の前で勝利なるか

浦和との開幕戦は過去4勝1分けと負け知らず。うち4試合が1点差以内で、3試合で退場者が出るなど、激闘を繰り広げてきた歴史がある。エリク・モンバエルツ監督(61)は「簡単な試合にはならないと思うが、選手たちは自信を持ってプレーできている。良い準備をするだけだね」と自信に満ちた表情で語った。

その他のカードは…

ベガルタ仙台 vs 北海道コンサドーレ札幌

平山相太や石原直樹といった実績のある前線を補強した仙台に、昨年のJ2を制した札幌が挑みます。

日時2月25日(土)14:00
場所ユアテックスタジアム仙台
放映DAZN、NHK仙台、NHK札幌

清水エスパルス vs ヴィッセル神戸

1年でJ1復帰を果たした清水。大型補強の神戸を相手にどんな戦いを見せるか?

日時2月25日(土)14:00
場所IAIスタジアム日本平
放映DAZN、NHK BS1、テレビ静岡

サンフレッチェ広島 vs アルビレックス新潟

佐藤寿人や森崎浩司といったチームの顔を手放した代わりに、元日本代表の工藤壮人を獲得した広島。対するのは、監督だけでなく選手も大幅に入れ替わった新潟。

日時2月25日(土)14:00
場所エディオンスタジアム広島
放映DAZN、NHK広島、NHK新潟

サガン鳥栖 vs 柏レイソル

守護神・林を失うも元日本代表GKの権田修一を獲得した鳥栖。それ以外にも積極的な補強に動き、オフの主役に。一方の柏はブラジルトリオプラス伊東純也の強力な攻撃陣が機能するかがカギになりそうです。

日時2月25日(土)14:00
場所ベストアメニティスタジアム
放映DAZN、NHK佐賀

セレッソ大阪 vs ジュビロ磐田

ようやくJ1の舞台に戻ってきたセレッソ大阪は、チームのOBでJリーグでの実績も充分な尹晶煥を新監督に迎えました。さらに清武弘嗣が4年半ぶりの復帰するなど、実績・話題性ともに豊富。一方のジュビロは中村俊輔の獲得という、こちらもサプライズ補強では負けていません。柿谷&清武と中村俊輔のファンタジスタ対決が楽しみな一戦です。

日時2月25日(土)15:00
場所ヤンマースタジアム長居
放映DAZN

大宮アルディージャ vs 川崎フロンターレ

昨年、J2から復帰していきなり5位と過去最高の成績を挙げた大宮。エース家長を失ったのは痛いものの、清水のエース大前ら実績充分な選手で補強は万全。一方、その家永を獲得したのが昨年3位の川崎。どちらも昨年の上位同士、因縁もあってハイレベルな熱戦が期待できそう。

日時2月25日(土)16:00
場所NACK5スタジアム大宮
放映DAZN、テレ玉

ガンバ大阪 vs ヴァンフォーレ甲府

昨年は無冠に終わったガンバ。主力の流出はあったものの、活発な補強と堂安律ら伸び盛りな若手の融合で国内タイトルに加え、ACLの“四冠”を目指します。一方の甲府は吉田達磨新監督のもとで取り組む新たなスタイルが功を奏するか!?

日時2月26日(日)17:00
場所市立吹田サッカースタジアム
放映DAZN

各チーム積極補強でレベルアップした試合が期待できそうな今年のJリーグ。DAZNパワーはすごいですね。今年はワールドカップのアジア最終予選、そしてU20ワールドカップの本選もあります。日本サッカー界のレベルアップのためにも、Jリーグの実力アップは大歓迎!熱戦に期待しましょう!

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