特集2017年5月2日更新

全国でブーム?自治体オリジナルダンス

ご当地アイドルやキャラクター、自治体や地域住民の方々が、その地域のオリジナルダンスを踊る。全国各地の自治体が地域のPR動画として町やインターネットで配信し、ブームとなっています。今回は各地域の特色を前面に押し出した、楽しくて魅力的な地域のオリジナルダンスをピックアップしてご紹介します。

自治体による地域のオリジナルダンスがブーム

全国各地で自治体によるオリジナルダンスが盛んです。町や観光地、商店街などのPR活動にもなり、老若男女、地域の住民の方々がダンスを通じて交流を図れるなど、人々の結びつきや地域の活性化を担っています。

地域一体で盛り上がるという意味では、現代版盆踊りのようなイメージとも。

昔はお盆になるとその地域に代々伝わる盆踊りという地域住民がひとつになれるツールがあったわけですが、なかなか今の時代には馴染まないということもあるようです。
ところが、この自治体オリジナルダンスの振付方によっては、小さな子供からお年寄りまでが楽しめる、言わば現代版盆踊りにも出来るのです。

各自治体による地域のオリジナルダンスのご紹介

それでは各地域のオリジナルダンスをご紹介していきます。いずれも地域の特色を前面に押し出した、個性的で楽しげな音楽とダンスばかりです。

埼玉県久喜市「1000人クッキーダンス」

埼玉県久喜市のPRビデオ「1000人クッキーダンス」。シンガーソングライター・タケカワユキヒデさん作詞・作曲の久喜市の歌「笑顔のまち永遠なれ」をアレンジ。自治体動画史上最多の総勢3058人が出演している大掛かりなオリジナルダンスです。

久喜市はそれ以前にも、市民中心に1000人以上によるダンスの「一発撮り」にも挑んでいます。

【自治体PR動画史上初!まだ誰もやったことがない1,000人一発撮り】
本プロジェクトは「久喜市で一丸となって、一発撮りを成功させよう!」というところから、「ワンカットワンクッキー」と名付けられました。
自治体PR動画史上最大規模となる、1,038人で一発撮りに挑んだ、埼玉県久喜市による渾身の映像です。

福岡県柳川市「SAGEMON GIRLS」

福岡県柳川市のPR動画「SAGEMON GIRLS」。撮影には柳川市民を中心とした1000人を超えるエキストラが参加しています。また、かわいさのあまり、ついつい真似したくなる「さげもんダンス」の振付は世界的に有名なコリオグラファーユニット「振付稼業 air:man」が担当。

ところで「さげもん」とは

柳川地方では、昔から女の子が生まれると初節句に子供の健やかな成長を願い、雛段と一緒に色とりどりの「さげもん」を飾り、盛大に祝うのが習わしです。さげもんとは、縁起の良い鶴やウサギ、ひよこ、這い人形などの布細工と鮮やかな糸で巻き上げた「柳川毬」とを組み合わせたもので、「幸福」「健康」など母親や親族の願いが込められています。

「SAGEMONGIRLS」とは

柳川を発祥とする雛祭りの風習「さげもん」をモチーフに、三人官女を擬人化したイメージキャラクター。「SAGEMON GIRLS」のPR動画の視聴回数は全世界で500万回を超える人気となっています。

茨城県水戸市「みとちゃんダンス」

茨城県水戸市の「みとちゃんダンス」は、水戸市のマスコットキャラクター「みとちゃん」のPRのために水戸市の有志職員が作った「もっと meet みとちゃん」という曲に、水戸市小学校体育連盟の教師が振り付けをしたもの。

『もっと meet みとちゃん』には、「梅」「納豆」「黄門様」「千波湖」「偕楽園」など、水戸市の観光名所や土産品などが歌詞に盛り込まれており、「みとちゃんダンス」は、「恋チュン」と同様に覚えやすい振りとなっている。

静岡県磐田市「ぺぺぺい ぺぺぺい! うれしっぺい!」

静岡県磐田市の「ぺぺぺい ぺぺぺい! うれしっぺい!」ダンス。「しっぺいダンス」とも言われています。地元テレビ局とコラボした、市内の幼稚園・保育園の子供たちがダンスを踊るプロジェクトによって地元に根付き、動画配信サイトで公開されると9,000件を超える動画再生数を記録するなど人気の高さが伺えます。

ちなみに「しっぺい」とは磐田市のイメージキャラクターで、磐田市内に伝わる霊犬伝説「悉平太郎(しっぺいたろう)」をモチーフにしています。

また、静岡新聞社・静岡放送が県民同士の交流と生涯教育として「しずおかダンスプロジェクト」という企画を立ち上げました。健康や体力づくりを目的とし、「ダンス文化」の普及を精力的に行っているようです。

愛媛県宇和島市「宇和島じゃこてんの歌 じゃこ天ダンス」

じゃこの天ぷら「じゃこ天」が有名な宇和島市は「じゃこ天」をPRした「宇和島じゃこてんの歌 じゃこ天ダンス」を配信。「じゃっこ じゃっこ…」のフレーズが頭から離れなくなりそうなフレーズと、シュールな「じゃこ天ダンス」が、くせになります。第2回宇和島じゃこ天カーニバルでは、メインイベントで2000人を超える大合唱と連舞になったとのこと!

神奈川県藤沢市「キュンとさせるこのまちで。」

「キュンとさせるこのまちで。」をキャッチコピーに町をPRしている藤沢市。藤沢市にゆかりのある著名人たち(応援メンバー)が、共同制作したテーマソング&ダンス「キュンとさせるこのまちで。」には、作詞にプリンセスプリンセスのドラマーで作詞家の富田京子さん、作曲にポカスカジャンの中山省吾さん、振付には桑田佳祐や乃木坂48、GLAYなどの振付を担当してきた振付演出家の南流石さんらが担当。藤沢市が大好きという思いを音楽とダンスに込めています。

東京都八王子市「ぼくらの八王子」

八王子市が、八王子をテーマに子どもから大人まで楽しめる曲を作ろうと企画。作詞は八王子市出身のヒップホップグループ、元ファンキー・モンキー・ベイビーズのメンバーが担当。PR動画はタレントのヒロミさんの合図から始まっており、柔道女子銅メダリストの中村美里さんなど著名人も参加。約300人が参加したダンスは見応え抜群です。

東京都大田区「SKY Project~SKYWALKERを踊ってひとつになろう~」

東京都大田区が羽田空港があることもあり、訪日する観光客に大田区の魅力を知ってもらおうと立ち上げたプロジェクト「SKY Project~SKYWALKERを踊ってひとつになろう」。観光PR特使の大田区蒲田出身3人組グループ「シクラメン」が制作した爽快なポップミュージック「SKYWALKER」の曲に合わせて、街の人たちのダンスと共に、商店街などの観光スポットを紹介しています。

愛知県知多郡南知多町「みなみちたのうた♪」

愛知県知多郡南知多町の「みなみちたのうた♪」。全国の移住情報を集めた総務省サイト「全国移住ナビ」内にある「市区町村プロモーション動画」のアクセス数(2017年01月23日~2017年04月22日)1位を記録中。現地の「あるあるネタ」が歌詞の中に随所にちりばめられています。

新潟県南魚沼市「【TRIBUTE】WORLD ORDER:2012【MINAMI-UONUMA DANCE 7】」

南魚沼市の魅力をPRするために、有志7名が地元を盛り上げるべく結成したダンスプロジェクトチームの「MINAMI-UONUMA DANCE 7」。雪国の豊かな自然の中、クールで格好良いダンスが披露されています。

広島県呉市「呉ー市ー GONNA 呉ー市ー」

広島県呉市は1995年に発表されたTRFのヒットソング「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌をPR動画に。青くて四角い身体に、大きく「呉」と書かれたインパクトの強いキャラクター「呉氏(くれし)」のキレのあるダンスにくぎ付けになってしまいそうです。

プロモーションビデオの中では、入館者が1000万人を超える大和ミュージアムや、てつのくじら館の愛称で有名な海上自衛隊呉史料館、中四国三大夜景のひとつである「灰ヶ峰」、映画やテレビCMなどで有名な瀬戸内海に面した温和な気候と自然に恵まれた御手洗など、呉市のさまざま観光地を紹介してゆきます。また、海上自衛隊全面協力の下に、海上自衛隊呉基地(Fバース)での空撮を敢行するなど、大規模な撮影を行いました。新キャラクター「呉氏」と新テーマソング、プロモーションビデオを通じて、呉市の魅力をアピールしてゆきます。

いかがでしたか。いずれも地域の特色を前面に押し出した個性的な音楽とダンスばかりですね。そして地域の人々の楽しげな姿は、ついつい一緒になって踊り歌いたくなってしまいます。これだけ地域のPRと交流に役立っているオリジナルダンスですから、今後も自治体のPRの手段として発展を続けていきそうです。