特集2017年11月18日更新

冬の定番メニュー「おでん」に関するあれこれ

寒さが少しずつ身に染みてくる今日この頃。冬の定番料理「おでん」にまつわるあれこれをまとめてご紹介。そーなんだ!買ってみよう!今日食べよう!と、きっとなること請け合いです。

目次

日本人に慣れ親しまれたおでん

寒い冬に欠かせない定番料理である「おでん」。日本人には慣れ親しんだ食べ物ですが、実際に株式会社オノフが自社の「みんなのプロジェクト」にて全国の会員590人に対して実施したアンケートの調査結果によると、各年代に微妙な差があれど、実に全体の平均97%の人が年間で「おでん」を日常的に食していると回答しています。

おでんは今や季節を問わず?

冬の定番とは書きましたが、実際は季節をあまり気にせず食べられているよう。

それではおでんを食べる97%の方に、どの季節に食べるの聞いてみました。全体では秋冬に食べる頻度が高まる傾向にありますが、夏でもおでんを食べる方は3割近くいるようです。季節に関係なく食べられている方も多いようです。

おでんをどのようにして食べるかという質問について「自宅で調理」派が最も多いという結果も。手軽に調理できるのも季節に関係なく食べられる理由のようです。

人気のおでんの具材は?

好きなおでんの具材ランキング

鍋の中に、実に様々な具材が並ぶ「おでん」。飲食店やコンビニなどでも、個々に好きな具材を選んで注文できる楽しみがありますね。
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の運営する「Potora」にて会員を対象に募ったアンケート「あなたの好みの、おでんの具は?」で集まった人気ランキングを紹介します。

大根が堂々の1位に!

ランキングの結果、回答数全体の29%の投票数を獲得した「大根」が堂々の1位に。出汁の染みた大根はシンプルながら、おでんの調理法だからこそ味わえる奥深さがあります。

2位はこちらも定番の「たまご」。女性や子供からの人気の高い一品です。
そして3位は「もち巾着」。アンケートには「大好きです。自宅用は沢山入れます。」といったコメントも寄せられるなど、こちらも熱狂的なファンの多い、おでんならではの具材ですね。

「こんにゃくは?」、「がんもは?」4位以降に続く、おでんの具材も美味しいものばかり。人によって様々な好みがあって楽しい結果になっています。気になる4位以降はこちらからご覧ください。

地域によって人気の具材が異なることも

こちらはWoman Insightで紹介されている人気のおでんの具材ランキングの中から、「具材×地域」で集計した際に特徴的な地域差が見られたもの。生産量1位の北海道で、じゃがいもの人気が最下位である結果には驚きでした。

ちくわぶは関東では約3割の人が好なのに、他の地方での人気は低め。ちくわぶのなんとも言えない食感はクセになるので、関東でおでんを食べる際は、ぜひご賞味ください。
さらに意外だったのが、生産量1位の北海道で、じゃがいもの人気が最下位だったこと。内側はほくほく、外は味がしみしみ。だしが染みたじゃがいも、きっと北海道の新鮮なものなら、さらにおいしいことでしょう。

地域によって異なるおでんのあれこれ

おでんは地域によって様々な特色があります。ご当地の具材が存在していたり、出汁の取り方や、つゆの作り方もそれぞれ。

ご当地おでんや、ご当地の食べ方

ご当地おでんの代表格「静岡おでん」

静岡で昔から市民に愛され、いまや静岡県を代表するご当地おでんとなった「静岡おでん」は、ダシを継ぎ足しながら毎日煮込んだ真っ黒なスープが特徴。さらに串に刺した種を、ダシ粉と青のりをかけて食べる魚系のうまみたっぷりのおでん、それが「静岡おでん」です。

静岡おでんの具材の特徴として“黒いはんぺん”があります。「はんぺん」と言えば、魚のすり身に卵白や山芋などを混ぜた「白はんぺん」 が主流ですが、静岡県中部では「はんぺん」は 「黒はんぺん」のことを指します。黒はんぺんはサバ(いわし)を原料として作られていて、魚丸ごと骨まで練りこんで作られているため魚のうまみが濃厚です。

北海道ではおでんに“マフラー”を入れる!?

「北海道で古くから作られているさつま揚げです。角ばっていて細長い形状をしていることから、マフラーと呼ばれるようになった、という説があります。北海道も広いですから、日本海側ではマフラー、オホーツク海側では『長(なが)てん』と呼ばれているようですね」

香川県では讃岐うどんと一緒に!?

「香川ではからしみそのつけダレをつけて食べる。さらに讃岐うどん店には大抵おでん鍋が置いてあり、うどんとセットで食べるんです」

沖縄県は地元の名産たっぷりのおでん

さらに昨年度販売時のデータによると、全国での具材の売り上げランキングトップ10の中に、名だたる定番具材をおさえて、沖縄県でしか売っていない「沖縄厚揚」「沖縄風ソーキ」「島こんにゃく」が入っているのだとか。
ちなみに沖縄県では、コンビニに限らず、ソーキやテビチをおでんに入れるのが一般的なのだそう。

「からし」ばかりが定番じゃない

具材やつゆだけでなく、薬味にも地域差があります。定番のからしの薬味もぜひ試してみたいですね。

たとえば薬味。みそだれやゆずこしょう、七味唐辛子は想像がつきますが、何にはとろろ昆布やわさび、ゆず、イワシ粉などを使う人も。

食べてみたいご当地おでんの具材ランキング

TABIZINEで紹介されているリサーチプラスの「おでんに関する調査」では「食べてみたいご当地おでんの具材ランキング」を調査。たこ、いか下足巻といったあたりは良い出汁も出そうで、ぜひ食べてみたいですね。

1位  たこ
2位  たこ天
3位  いか下足巻
4位  じゃこ天
5位  玉こんにゃく
6位  タケノコ
7位  鶏肉(手羽)
8位  ギョウザ巻
9位  揚げカマボコ
10位 黒はんぺん

コンビニおでんは「つゆ」にも地域差

おでんはコンビニの定番商品でもあります。店内に置かれたおでんは、とても良い匂いで食欲もそそられますね。毎年各社による「おでん商戦」が繰り広げられていますが、差別化を図るための企業努力には目を見張るものがあります。特に「つゆ」には地域性を持たせ、それぞれの地域の好みに合わせた仕上がりにしているようです。

大手3社のこだわりの「つゆ」

セブン-イレブンは全国を8つの地域に分け、地域性のある「だし」を活かした味わいに仕上げています。たとえば、関東では「かつお節・昆布・宗田かつお節」のだしとなっていますが、関西・北陸では「昆布・牛・鶏」のだしとなっています。
ファミリーマートは7つの地域に分け、地域ごとに馴染みのある味わいに仕上げています。たとえば、北海道・東北では「かつお・昆布をベースに、煮干しだし・貝の旨みが含まれた濃厚なつゆ」ですが、中国・四国では「煮干しだしの味わいと丸鶏のコクと旨みが効いたつゆ」です。
ローソンは9つの地域に分け、各地域の嗜好に合わせたつゆを用意しています。たとえば、東海では「むろあじ節」ですが、沖縄では「豚足のだし」です。

知ってお得!おでんの豆知識

おでんの知っているとちょっと役に立ちそうな内容をピックアップしました。

コンビニおでんの良し悪しは出汁で見分けよ

美味しいおでんを出す店では、追加の具材や出汁を随時投入しながら煮込んでいるため、出汁が濁ることなく透き通っています。

白いはんぺんもキーアイテム

コンビニとしては、すぐに煮込みすぎになってしまうはんぺんは、廃棄になりやすいため、あまりおいそれとは投入したくない具材です。そんなはんぺんが、常に真っ白い状態で鍋一面に咲いているように並んでいる店のおでんは、間違いなくよく売れている(=美味しい)はずです。コンビニでおでんを購入する際には、このようなポイントも参考にしてみてください。

おでんに関する豆知識

おでんのじゃがいもは「メークイン」が合う

メークインは粘りがあり、煮崩れしにくいので、おでんの具材や煮もの、揚げ物にぴったり。近年は品種改良も進み、上品な甘みと口当たりの「キタアカリ」など、新種も登場している。

おでんのルーツは「田楽」

文献を調べると、江戸時代後期の風俗や事柄を解説した「守貞謾稿」(もりさだまんこう)に、熱燗とおでんを出す記述があります。ここでいう“おでん”とは、竹串に刺して焼いた豆腐に味噌をつけて食べる田楽(でんがく)のこと。
豆腐以外にもナスやこんにゃく、里芋などがあり、庶民が気軽に食べられるファストフードでした。宮中の女官がこの田楽のことを「おでん」(おでんがくの略)と呼び、それが町娘へと広まったようです。

実はヘルシーなおでん

低カロリーな具材の多いおでん

おでんは低カロリーな具材が多く、身体を温めつつ、お腹も満たせるのでダイエットにも最適です。特にコンビニで売っている低カロリーなおでんトップ3はこちら。

1位:昆布巻き 5kcal たんぱく質:0.2g 脂質:0.0g 炭水化物:1.1g Na:40mg

2位:白滝 11kcal たんぱく質:0.1g 脂質:0.0g 炭水化物:2.5g Na:389mg

3位:こんにゃく 11kcal たんぱく質:0.2g 脂質:0.0g 炭水化物:2.7g Na:568mg

※セブンイレブンHPのおでん参照(地域限定の具は省く)

代謝のサイクルに効果的な食材が豊富

さらに、たくさんの具材を一度に食べられるおでんは、代謝のサイクルに効果的な食材がバランス良く揃っているとか。お腹いっぱい食べられて低カロリー、さらに代謝にも良いなんてダイエット時に理想的な食べ物ですね。

代謝のサイクルというのは、「着火→循環→吸収→燃焼」の4つの段階に分かれているのだとか。そして、それぞれの段階に効果的な食材があります。
着火系のジャガイモ、ちくわぶ。循環系の大根、こんにゃく、トマト。吸収系の昆布、ゴボウ天。燃焼系の玉子、牛すじ、厚揚げ、がんもどき……などなど。具だくさんのおでんは、冬の代謝アップにお役立ち! たくさんの食材を少しずつ食べられるのも良いですね。

糖質制限の調整がしやすい

低糖質な食材を意識して選ぶだけでなく、出汁を飲まないことで血糖値の上昇を抑えることができます。以下はヘルスプレスの記事で紹介されている、熊本市内の「なごみクリニック」で院長を務める亀川ドクターによる、おでんの出汁を「飲む」、「飲まない」場合の血糖値の変化をまとめたものです。

おでんの出汁(だし)400mlを飲んだ場合の血糖値の変化

食前:87mg/dl
食後15分:115mg/dl
食後30分:110mg/dl
食後45分:119mg/dl
食後60分:109mg/dl
食後90分:97mg/dl

おでんの出汁(だし)400mlを飲まない場合の血糖値の変化

食前:108mg/dl
食後15分:101mg/dl
食後30分:112mg/dl
食後45分:142mg/dl
食後60分:127mg/dl
食後90分:116mg/dl

見ているだけで心が温まるような「おでん」。美味しくてヘルシー、今日の食卓にいかがですか。