特集2017年12月8日更新

富岡八幡宮 女性宮司ら殺傷事件まとめ

7日夜、東京都江東区の富岡八幡宮とその周辺で、富岡八幡宮宮司の富岡長子さんら3人が死亡、1人が負傷する事件が起きました。現時点での情報をまとめます。

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死亡の弟、事件後に手紙2800通=業者使い投函―宮司殺害・警視庁

時事通信 / 2017年12月15日 12時23分

 東京都江東区で富岡八幡宮宮司の富岡長子さん(58)らが殺傷された事件で、弟の茂永容疑者(56)=死亡=が富岡さんへの恨みなどを記した手紙を神社関係者らに約2800通送っていたことが15日、警視庁捜査1課への取材で分かった。事件当日の7日、「便利屋」と呼ばれる業者に翌日投函(とうかん)するよう指示したという。 [全文を読む]

目次

東京都江東区の富岡八幡宮で女性宮司ら3人が死亡

容疑者は刺殺された宮司の弟

7日午後8時半ごろ、東京都江東区富岡の富岡八幡宮の境内周辺で、通行人から「女が刀を持って暴れている」などと110番通報があった。警視庁によると、男女4人が救急搬送され、宮司の富岡長子さん(58)と弟で元宮司の茂永容疑者(56)、茂永容疑者の知人とみられる30代の女の死亡が確認された。富岡さんの運転手の男性(33)も襲われたが、命に別条はない。

登場人物を整理

「男女4人が刃物で切られ、うち3人が死亡し男性1人が負傷」と伝えられていて、「刺された」中にも「刺した」とされる容疑者らも含まれるため、事件の概要がややこしくなっています。そこで、事件に関連する人物を整理しておきます。

死亡、または負傷した人物は以下の4人。

富岡長子さん(58・死亡)…富岡八幡宮宮司
富岡茂永容疑者(56・死亡)…長子さんの弟で富岡八幡宮の元宮司
(30代?・死亡)…現在、茂永容疑者の「知人の女」「交際相手」「夫婦」といった情報あり(以下、単に「女」とします)
運転手の男性(33・負傷)…宮司専属の運転手。右腕や胸を負傷(命に別条なし)

事件の流れ

事件の流れは…

茂永容疑者と女が長子さんと運転手の男性を刺す

茂永容疑者が女の腹などを刺して殺害

茂永容疑者が自身を刺して自殺

…となります。

富岡さんが運転手の男性と車で帰ったところ、茂永容疑者と一緒にいた女に刃物で切りつけられた。
茂永容疑者は直後に女の腹などを刺して殺害し、自身の胸と腹を刺して自殺した。

女は日本刀で襲撃か

茂永容疑者と交際相手の女は、現場近くに隠れて待ち伏せし、車から降りた富岡さんを茂永容疑者が襲撃。女は日本刀を持って男性運転手に襲いかかったという。
現場には血の付いた日本刀2本とサバイバルナイフ2本が残されており、警視庁は凶器と見て、確認を進めている。

真ん中から折れた日本刀…強い殺意か

捜査関係者によると、富岡さんが倒れていた路上には、凶器とみられる日本刀が真ん中から折れた状態で残されていた。富岡さんは首の後ろに裂傷があったほか、右胸に深い刺し傷があり、強い力で刺されたとみられる。

男性運転手を100メートル追い掛けて襲撃

茂永容疑者と一緒に来た女は、逃げた富岡さんの男性運転手(33)を追い掛けた。約100メートル離れた路上で襲い、右腕や胸にけがをさせた。

現場となった富岡八幡宮とは

江戸三大祭りの一つ「水掛け祭り」で有名な神社

江戸時代から「深川の八幡さま」と親しまれてきた

創建は江戸時代の1627年。徳川将軍家の保護を受け「深川の八幡様」として親しまれ、勧進相撲の発祥地としても知られる。
毎年8月の「深川八幡祭り」は、赤坂の日枝神社の山王祭、神田明神の神田祭とともに「江戸三大祭り」の一つに数えられ、大勢の見物客が水を浴びせる「水掛け祭り」として親しまれている。

「勧進相撲」発祥の地としても有名

新横綱の土俵入り奉納も

現在の大相撲の源流とされる「勧進相撲」の発祥地としても有名で、境内には歴代横綱を顕彰する「横綱力士碑」が建てられています。

当宮は江戸勧進相撲発祥の地として有名です。江戸時代の相撲興業は京・大阪からはじまりますが、 トラブルが多くしばしば禁令が出ていました。その後禁令が緩み、貞享元年(1684)幕府より春と秋の2場所の勧進相撲が許されます。その地こそが当宮の境内だったのです。
境内には歴代横綱のしこ名が彫られている横綱力士碑があり、新横綱誕生時には相撲協会立会いのもと、刻名式が行われ新横綱の土俵入りが奉納されることでも知られている。

「人通りは多いのになぜ事件が…恐ろしい」地元住民に衝撃

夜でも人通りが絶えない地域で発生 目撃者多数

事件が起こった現場は東京メトロ東西線の門前仲町駅から東に約400メートル。多くの人が行き交う目抜き通りから少し入った一角で、マンションや飲食店が混在していて人通りが多いエリアで起きました。

現場は富岡八幡宮の敷地内。建物の入り口には、血だまりのそばに、血の付いた日本刀とサバイバルナイフが残されていた。周辺は飲食店や住宅が並び、平日の夜でも人通りが絶えない地域。多くの人たちが現場を目撃していた。

近くに住む無職の女性(78)は「消防車やパトカーの音がすごくて外に出てきた」。周辺は夜間もペットの散歩をする人やウオーキングをする人が多く、防犯カメラも設置されているという。「人通りは多いのになぜ事件が、という気持ち。恐ろしい」と話した。

「健全で穏やかな住宅街」で起こった惨劇

近くで10年以上飲食店を経営する女性(48)は「この辺りは健全で穏やかな住宅街。何の騒ぎかと思うくらいパトカーが来た」と驚きの表情を見せた。
現場近くのバレエスタジオでは、中学生のレッスンが行われていた。保護者の電話で事件を知った講師の女性(85)は「もともと物騒な土地柄でないのに……」と戸惑った様子だった。

事件の背景は?

警視庁は現在、姉弟間で何らかのトラブルがあったとみて事件の解明を進めています。
現時点では、事件の背景について謎な部分ばかりですが、事件と関係するかどうかに関わらず、現在伝えられている情報を整理しておきます。

姉弟間で何らかのトラブルか

姉弟は以前から不仲 怪文書をまかれる嫌がらせも

神社の氏子らによると、宮司職をめぐって姉弟間でトラブルがあった。富岡さんは2010年ごろに宮司を名乗ったものの、怪文書をまかれるなど嫌がらせを受けていたという。
富岡八幡宮では、かつては茂永容疑者が宮司を務めていたが、金銭トラブルなどで退任。再び宮司を務めた父親が数年前に亡くなってからは富岡さんが取り仕切っていた。
氏子の男性(70)によると、茂永容疑者は宮司を辞めさせられたことに不満を抱えていたといい、姉弟は以前から不仲だった。

茂永容疑者は過去に逮捕されていた

同容疑者は06年1月、当時宮司に次ぐ神職の禰宜(ねぎ)だった富岡さんに「必ず今年中に決着をつけてやる。覚悟しておけ」「積年の恨み。地獄へ送る」などと記したはがきを送付したとして逮捕された。富岡さんらには他にも、数通の脅迫文が送り付けられていたという。

「姉が許せない」泣きながら悪口を言っていた容疑者

「自分の素行が悪いと言っている姉が許せない」。今年7月ごろに、茂永容疑者から電話を受けたという50代の氏子は、茂永容疑者が泣きながら富岡さんの悪口を言っていたのを覚えている。「終始、情緒が不安定な様子だった」と振り返る。

今年、神社本庁から離脱していた

最近も、富岡さんの宮司就任に関するトラブルから、神社本庁を離脱している。
富岡八幡宮関係者によると、10年に富岡さんの父が老齢のため宮司を退き、後継に娘を指名。八幡宮の責任役員会が神社本庁に具申したが回答がなく、数年にわたり宮司が任命されない状態が続いた。
八幡宮側は弁護士を立てて神社本庁に照会したものの、それまでの具申が突き返されてきたこともあったという。八幡宮は今年9月28日付で神社本庁から離脱した。 

事件の6時間前にブログでセクハラ告発

「一部の神社の神主にはセクハラ、パワハラ……が当たり前のように横行」

死亡した富岡長子さんは亡くなるおよそ6時間前の午後2時45分に自身のブログを更新。「私はここ数日、機嫌が良くありません」という言葉で始まったこのエントリーでは、一部の神社の神主から受けていたというセクハラ行為を告発していました。

「特に嫌なのが神職の集まる飲み会で、一部の神社の神主には、セクハラ、パワハラ、ネグレクト、嫌がらせ……が当たり前のように、横行しているのです。その事が、私が神職の飲み会に参加しなくなった要因の一つなのですが、それらの行為もそうですが、それを周りの人間は止めるどころか、増長させる事を言っていることすら理解出来ないくらい、モラルがない人が多いのです」と告発した。

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