最後まで読みたい! 続きが気になる未完の漫画

2018年6月12日更新

今年5月、長く休載が続いている『HUNTER×HUNTER』や『ガラスの仮面』の作者が相次いで漫画の完結に対して前向きなコメントをしたことが話題になりました。そこで、今回はまだ完結していない話題の漫画を特集します。

連載数十年…大作すぎて未完の漫画

ベルセルク/三浦建太郎

作者本人も物語が終わるかどうか心配している?

「作者の三浦建太郎は緻密な書き込みをする作家で、もともと筆が遅いのに加えてベルセルクのゲーム化に関与したり、他の作品を書き始めるなどしたためベルセルクは頻繁に休載し、連載期間が長い割に物語が進んでいません。そのため、作者が生きているうちにちゃんと物語が終わるのか心配されています。三浦氏本人ですら心配しているほどです」(青年漫画誌編集者)

現在は『ヤングアニマル』(白泉社)で連載中です。

ガラスの仮面/美内すずえ

少女漫画の大ベストセラーだが発表のペースは…

少女マンガ史に残る不朽の名作といえば、やはり「ガラスの仮面」でしょう。幻の演劇作品『紅天女』を巡り、平凡な少女・北島マヤと演劇界のサラブレッド・姫川亜弓が舞台上で闘い続ける成長物語。現在までに単行本の累計発行部数が5,000万部を突破した大ベストセラーです。
「ガラスの仮面」は1976年の連載スタートからいまだ未完のままの漫画です。連載はかろうじて続いていますが、近年その発表ペースは落ちる一方。

掲載誌『別冊花とゆめ』休刊に際し作者が「最終巻まで描き続けます」

白泉社の「別冊花とゆめ」が、5月26日発売の7月号で休刊というニュースが報じられた。
今回、「別冊花とゆめ」公式サイトに掲載された「休刊のお知らせ」では、
連載作品・先生方の今後の掲載予定
ということでそれぞれ同社の雑誌「MELODY」や無料マンガアプリ「マンガPark」、新しく創刊予定だというWEBコミック誌「花ゆめAi」での掲載移行などが紹介されているのだが、28日お昼現在美内先生および「ガラスの仮面」に関しての記述はない。

キングダム/原泰久

2006年から連載を開始し単行本は50巻に到達!

現在『週刊ヤングジャンプ』にて爆発的な人気を誇っている、原泰久先生によるマンガ『キングダム』。中国の春秋戦国時代を描いた作品で、2006年から連載開始となり、単行本はついに50巻に到達。累計3000万部を超える売り上げを記録し、先日は人気テレビ番組『アメトーーク!』でも特集が組まれました。

キングダムの完結まであと10年前後かかる?

原先生は「最終的には80〜100巻になりそう」という構想を明かしています。50巻に到達するまでに12年もの歳月を要しているだけに、単純計算するとキングダムが完結するまでにはあと10年前後はかかるということになります。

シャーマンキング/武井宏之

2018年5月から新章の連載を開始!

単行本の発行部数がシリーズ累計2,600万部を超える大人気少年マンガ「シャーマンキング」が、20周年プロジェクトとして2018年5月17日より「少年マガジンエッジ(講談社)」で新章の連載をスタート。

カムイ伝/白土三平

1964年に誕生した圧倒的スケールの物語

日本マンガ史に残る名作「カムイ伝」。江戸時代の様々な階級の人間たちを深く描写した圧倒的なスケールの物語は、1964年に誕生して以来、掲載誌を移しながら「第二部」や「外伝」と続き、さらには今後「第三部」も期待されている。
漫画家・白土三平氏のライフワークであり、今も多くの人々に読み継がれている、未完の大作だ。

『カムイ伝第三部』が期待されているが…

現在は狩猟が生活の一部という白土先生。『カムイ伝第三部』について尋ねられると「今は生きるのに精いっぱいですよ」と答えたそうです。

作者の急逝により未完の漫画

クレヨンしんちゃん/臼井儀人

2009年に作者急逝後はスタッフが『新クレヨンしんちゃん』を連載

作者の臼井儀人さんは2009年に事故のため急逝しました。その後は、臼井さんと長年チームを組んできたスタッフが『新クレヨンしんちゃん』を連載しているそうです。

ネオ・ファウスト、グリンゴ、ルードウィヒ・B/手塚治虫

遺作となったのはこの3作品

病床で書き続けた『グリンゴ』『ルードウィヒ・B』『ネオ・ファウスト』などの作品が未完の遺作となる。

その他、『火の鳥』も未完であると伝える記事もあります。

よいこの黙示録/青山景

小学生が新興宗教を起こすというストーリー

残念ながらこれが遺作となった青山景氏による『よいこの黙示録』(講談社)。
大学卒業後、ニートを続けていた湯島朝子は、突然地方都市の小学校に採用される。担任を任された四年二組は騒々しいが、男子の五十嵐剛と女子の篠崎桃華という二人のキーパーソンに率いられ、安定しているように思えた。だが一見普通の生徒、伊勢崎大介のある発言がきっかけで、クラスのパワーバランスは混乱。朝子は伊勢崎に、注意を払い始める。「自前の神が欲しいんだ」と朝子に語った彼の目的は、同級生の森ユリカを教祖として、四年二組内に"宗教"を興すこと。

イタズラなKiss/多田かおる

日本だけでなくアジア諸国でも実写化

『別冊マーガレット』にて1990年〜1999年にわたり連載され、作者が不慮の事故で急逝したため未完の名作となった『イタズラなKiss』。日本だけではなく、アジア諸国で実写化されるなど、世界的にも人気の名作だ。

“恋愛のバイブル”と評されるほど人気を集めましたが、1999年に作者が急逝したことにより未完の作品となっています。

男の星座/原作梶原一騎・作画原田久仁信

日本を代表するスポコン漫画家の自伝漫画

『空手バカ一代』『巨人の星』『タイガーマスク』『あしたのジョー』『プロレススーパースター列伝』などなど、日本を代表するスポ根マンガの原作者であり、「劇画王」とまでいわれている人物ですが、マンガ作家でありながら、そんじょそこらの格闘マンガの主人公よりも遥かに破天荒な人生を送ったことでも有名です。
そんな梶原先生の人生そのものをマンガにしてしまった、バイオレンスすぎる自伝マンガが『男の星座』なのです。原作は梶原先生自ら担当し、作画は『プロレススーパースター列伝』でコンビを組んだ、原田久仁信先生です。連載中の1987年に梶原先生が逝去したため、未完となってしまいました。

南倍南勝負録 玄人(プロ)のひとりごと/中島徹

2011年に作者急逝のため未完に

『ビッグコミックオリジナル』(小学館)で『南倍南勝負録 玄人のひとりごと』は作者闘病のため約1年休載されていましたが、2011年に作者急逝により未完の作品となりました。

休載、掲載誌の休刊などその他の理由で未完の漫画

HUNTER×HUNTER/冨樫義博

休載回数の多さで話題を集めている

ハンター×ハンターは、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1998年から連載している作品だ。特殊な能力を備えた少年が仲間とともに壮大な冒険を繰り広げる漫画で、累計発行部数は6500万部を誇っている。
こうした内容もさることながら、休載回数の多さでも度々、話題を集めている。2006年から定期的に休載するようになり、その期間も06年2月~07年10月の約1年8か月、10年6月~11年8月の約1年1か月、12年3月~14年5月の約2年3か月などと長い。18月4月2日発売の週刊少年ジャンプ18号をもって、またも休載期間に入っていた。

作者から漫画の完結に意欲を示すコメントが!

「ただ...それにはとにかく、『HUNTER×HUNTER』を描き切らないと。作品が終わるのが先か、僕が死ぬのが先か、みたいな感じになっているところもありますが(笑)。ちゃんと終わらせたい気持ちはあります」

銀河鉄道999/松本零士

代表作だが未完の状態

芸能関係者は記事で次のように語っています。

「松本が長編漫画を中途半端に終わらせていることは有名な話で、代表作である『銀河鉄道999』ですら未完状態。掲載雑誌が休刊になるなど、松本の責任とはいえない場合もあるのですが、伏線を張りまくった結果、収束できずに終わってしまうこともしばしばで、連載を読み続けたファンからするとモヤモヤが拭えないことが多いようです。また、松本といえば、『宇宙戦艦ヤマト』の著作権を巡る裁判や、槇原敬之がCHEMISTRYに提供した楽曲『約束の場所』が、『銀河鉄道999』の作中のセリフの盗用だと非難したことで裁判沙汰となるなど、法廷トラブルが尽きないことでもファンを焼きもきさせているようです」

2018年2月に完全新作を発表

今年2月に11年ぶりの完全新作が発表されました。作者は「『999』は終わりのない物語。しばらく停車していた999号が元気に発車しました」と語っているとのことです。

NANA/矢沢あい

連載中という扱いだが作者急病により休載が続く

実はまだNANAは「Cookie」で連載中という扱いになっていて、2009年8月号から矢沢先生の急病による休載が続いてしまっているのです。そのため作品は当然未完結のままであり、物語が止まってから10年近く経過してしまっているのです。
気になるのは矢沢先生の現状ですが、休載中に描き下ろしのイラストを発表したこともあり、「いつか完結させたい」という旨のコメントを発表したこともあるのです。

翔んで埼玉/魔夜峰央

埼玉県を徹底的にディスるセリフ満載

「翔んで埼玉」は、「パタリロ」(1978)などで一世を風靡した漫画家・魔夜峰央氏が1982年に発表した作品。
魔夜氏が作品発表当時に埼玉県所沢市に住んでいたことから“埼玉”を題材に、「埼玉から東京に行くには通行手形がいる!」「埼玉県民はそこらへんの草でも食わせておけ!」「埼玉狩りだー!」など“埼玉県”を徹底的にディスるセリフが盛り込まれている。

漫画が未完のため、実写映画はオリジナルの展開

『翔んで埼玉』は未完の作品であり、その続きを考えるために脚本家も交えてオリジナルの展開を模索。大都会・東京から虐げられた埼玉が、自由を求めて徒党を組み戦うという原作の設定に、新たに“千葉”という対抗組織も用意。同じく東京から迫害を受けている埼玉と千葉の攻防、そして、東京と埼玉という相容れない土地に生まれた2人の間に芽生えた“愛”という2つのテーマを携えたストーリーを構成した。

男坂/車田正美

極太毛筆フォントで「未完」と書いた壮絶な打ち切りシーン

1980年代に「週刊少年ジャンプ」(集英社)を愛読していた人たちなら知らない人はいないであろう伝説の作品『男坂』ですが、作者はかの『聖闘士星矢』を生んだ車田正美先生です。その車田先生が構想に10年以上かけ、「俺はこいつを描きたいために、漫画屋になったんだ!!」と言い切るほどの意気込みで開始した作品なのです。

伝説となった有名な打ち切りシーンは、Google画像検索で『男坂』と検索すれば山ほど出てきます。それは「オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、このはてしなく遠い男坂をよ…」というセリフに、極太毛筆フォントで「未完」という文字をデデーンと残した壮絶なものでした。打ち切りのことを「未完」と言い換えるポジティブさが、当時としてはものすごく斬新だったのです。

2014年に30年の時を経て連載が再開

そんなバカな、どうせデマだろうとささやかれつつも、ついに2014年6月、「週プレNEWS」(集英社)でWEB連載が開始されました。連載が再開されただけでもすごいのに、単行本第4巻が30年の時を経て刊行されるという、『ガラスの仮面』もビックリのインターバルっぷりで、ファンの度肝を抜きました。

ヘルタースケルター/岡崎京子

1996年に不慮の事故により作者が活動を休止

『pink』『東京ガールズブラボー』『リバーズ・エッジ』などで知られる漫画家、岡崎京子。下北沢の理髪店に生まれ育ち、短大在学中にデビュー。1985年に初めての単行本『バージン』を刊行した。以後、漫画雑誌をはじめ、週刊誌やファッション誌、音楽雑誌を舞台に次々と作品を発表してきたが、1996年に不慮の事故によって活動を休止。それ以後も、未完作品の出版や復刊が相次ぎ、2012年には、蜷川実花がメガホンをとり『ヘルタースケルター』が映画化されるなど、現在も新たな読者を獲得し続けている。

『ヘルタースケルター』は第8回手塚治虫文化賞を受賞。その最後のページには「TO BE CONTINUED」と記されているそうです。

刻の大地/夜麻みゆき

体調不良により休載を経て2005年に連載中止

夜麻みゆきの『刻の大地』は、エニックス(現・スクウェア・エニックス)発行の『月刊少年ガンガン』で1996年に連載開始され、後に『月刊Gファンタジー』に移籍。ドラマCDや小説、OVAが発売されるほどの人気を博していたが、長期休載を経て2005年に連載中止が発表された未完の作品。当時、休載の理由は明かされていなかったが、今クラウドファンディングを通じて、3か月の入院や体調不良が原因であったことが夜麻自身の言葉で明かされている。

「塔の戦い編」完結のためのクラウドファンディングに成功

クラウドファンディングの目標額を達成したことから、現在『刻の大地』の新作が無料配信で公開されています。