蚊やハエ、Gも…暑くなると増えてくる夏の虫対策

2018年7月20日更新

刺されるとかゆい蚊、うっとうしい上に不衛生感や嫌悪感をも抱かせるハエやゴキブリなど、暑くなると害虫に悩まされる機会も多くなります。そんな夏になると増える害虫の予防法や撃退法をご紹介します。

刺されるとかゆい「蚊」

蚊を防ぐには?

飲酒後は要注意

夏はバーベキューなど屋外でお酒を飲むシーンも多いもの。実はアルコールを飲むと蚊に刺されやすいそうです。

野外でバーベキューをやるとなぜかアルコールガンガン飲んだオッサンが蚊の集中攻撃を受けますよね。その理由は「Alcohol ingestion stimulates mosquito attraction.」(J Am Mosq Control Assoc. 2002 Jun;18(2):91-6.)が明らかにしています。アルコールとしてここではビールを使用しています、っていうかビールをオッサンに与えています。その結果「ビールを飲んだ人は明らかに蚊に刺されやすかった」のです。

それでも飲みたいなら焼酎やウィスキーを

蚊は酸性の血を好むそうで、血液を酸性にするアルコールはできれば避けたいところ。それでも飲みたい場合は…

「日本酒やビール、ワインなどの醸造酒よりも、焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選ぶといいでしょう。血液が酸性になるまで時間がかかるので、蚊が集まるのを遅らせることができます」

アルコール除菌で予防

妹を試験台に実験を重ねたスーパー高校生(2017年当時)田上大喜君が蚊を寄せ付けない対策法を発見。その方法とは…。

なぜか家族では妹ばかりが蚊に刺される。そこで、高校2年生のとき、妹や同級生の足の菌を採取し、培養してみました。すると、妹の足にある“常在菌”の種類が多いことが判明。メスの蚊は、足がにおう人ではなく、足の常在菌の種類を多く持つ人の血を吸いたくなることがわかりました
「妹の足首から下をアルコールで消毒したら、蚊に刺される数が、3分の1に減少しました。これは足の裏や指の間を石けんで洗うだけでも同じ効果があります。また、靴下を新品なものにはき替えるだけでも刺される数は激減しました。山椒や酢、アロマで使われるティーツリーオイルの匂いにも、蚊よけの効果が。蚊が苦手とする成分があるようです」

しかし、どうやら個人差はあるようです。

服装は白やパステル系で

夏は外出の機会も増えます。そんな時に蚊に刺されにくい服装は?

黒い服を着ていると蚊に刺されやすいというのはよく知られているが、「蚊は色はわからず、彩度の濃い色に寄ってくる。モノクロにした時に黒っぽく見える赤や青などもNGです」と高崎さん。
白やパステル系など、夏らしい色の服のほうが安全だ。長袖を羽織ればより効果的だが、レースなど薄手のものは上から刺される可能性が。

花瓶に10円玉が効果的?

蚊の幼虫「ボウフラ」は水中で成長します。水の中にひと手間加えるだけでボウフラ発生に予防効果が。

蚊がよく発生する場所として意外なところがある。それが墓地。墓前に供える花立てには、当然水が入っている。雨水もたまる可能性があり、ボウフラが発生するには最適な環境である。
そこで、花立てを銅製のものに変えたり、既存の花立ての中に10円玉ぐらいの銅片を入れておけば、蚊の発生は防ぐことができる。お盆でお墓参りをしたときに、花立てに銅片を入れてみよう。蚊の発生を防ぐことができるはず。お墓参りで蚊に刺されることもなくなるだろう。

一戸建てよりマンション

住んでいる場所によっても蚊の刺されにくさに差が出るようです。

平屋の一戸建てよりマンションのほうが刺されにくい、というのは、ホント。
「ヤブ蚊はあまり屋内には入らない。数mの高さしか飛べず、マンションの上の階は刺されにくい。ただし、人にまとわりついて紛れ込んだ場合は高層階でも刺されることがあります」

除菌スプレーが効果的?

デング熱が広がった4年前には、「正露丸」でおなじみの大幸薬品が除菌・消臭スプレーの中に含まれる成分に蚊よけ効果があるとして特許を取得したことで話題となりました。

デング熱に関連して特許関係で興味深い記事がありました。大阪の大幸薬品が「除菌・消臭スプレーの成分として使われている液体」に、蚊に刺されにくくなる効果があることを発見し、特許を取得したというものです。
今回の研究で判明したのは、二酸化塩素ガス溶存液をスプレーしたマウス群と、水をスプレーしたマウス群を用いて、ネズミマラリアウイルスに感染したハマダラカの吸血率とその後のマウスのマラリア発症率を比較したところ、二酸化塩素ガス溶存液をスプレーしたマウス群は水をスプレーしたマウス群に比べ、吸血率とマラリア発症率が明らかに少なくなることです。

殺虫剤以外の撃退法

電撃ラケットで撃退

これまで紹介した予防策を施しても寄ってくる蚊には、殺虫スプレーで対処するのがよくある手法。しかし、高齢者や小さな子供、ペットが居る空間や、食品を取り扱うキッチンなどの空間では、いつでも「シュー」っとできるわけではありません。そんな時は、電撃ラケットが最適です。

グリップ横のボタンを押すと2500~3000Vの高電圧が発生、ネットに触れた害虫は一発でダウン!
今までのハエ叩きの様に害虫がビシャっと潰れてふき取りが必要る事もありません。

うっとうしい「ハエ」

チョウバエを防ぐには?

お風呂場や洗面所にいるハート型の黒い虫

夏になるとお風呂場や洗面所などの水回りに小さな黒い虫が出没します。実はあの虫、ハエの仲間でした。

この、どこからともなく現れるハート型をした虫の正体は「チョウバエ」(学名:Psychodidae)。世界中どこにでも存在し、人から吸血する種類もいる恐ろしい害虫なのだ。
排水溝や窓の隙間から入ってきて、排水溝に残っている石鹸のカスや髪の毛、人間のフケや皮脂を食料にする日本のチョウバエ。基本的に暖かく湿度の高い環境を好むため、5月後半から10月を中心に繁殖する。

侵入経路を遮断

1番の侵入経路は窓。そのため、窓を開けないのがもっとも簡単にできる方法だ。しかし「全く窓を開けない」のは現実的ではないだろう。
そこで大切になるのが網戸だ。チョウバエの大きさは成虫で2ミリから3ミリなので、それ以下の目の網戸であれば侵入を防げる。
排水溝から上がってくるパターンも、これも100均などでも購入できる「髪の毛取り」のようなものを設置することで対処可能。

「コバエ」を防ぐには?

「コバエ」は小さなハエの総称で数種類存在しますが、ここでは生ゴミによく発生するショウジョウバエなどの「コバエ」の対処法を紹介します。

主婦が教えるコバエ対処法

(1)無料のビニール袋を何重にもして捨てる
「スーパーで無料で貰える小さいビニール袋に生ゴミを入れて捨てています。でも一枚だと完全には密閉できずに、封をしたところから匂いが漏れて、コバエが…。
そこで封をした方を下にして、再度ビニール袋で二重、三重にしたら、匂いも出ずに、虫も減りましたね。お金も手間もかからないしオススメです」(女性・30歳)

(2)新聞紙に包んで、重曹やお酢を振りかける
「新聞紙に生ゴミを包んで、重曹やお酢を少しふりかけてから捨てるといいと聞いたので試したら、確かに悪臭もしなくなったし、虫も出なくなりました。
(3)生ゴミが腐らないように冷凍庫で保管する
「コバエは生ゴミが腐るのが一番の原因だと思うので、生ゴミを要らないビニール袋に入れて、ゴミの日まで冷凍庫に入れて凍らせて保管していますよ。

「めんつゆトラップ」

めんつゆと台所用洗剤を用いた「めんつゆトラップ」によるコバエ撃退法もネットを中心に出回っているようです。めんつゆにおびき寄せられて近づいたコバエが着水すると、洗剤により呼吸ができなくなって溺死するという仕組み。

しかし「めんつゆトラップ」に引っかかるコバエの種類は主にショウジョウバエで、その他のコバエには効果が薄いようです。

ウジ虫を見つけたら?

ハエの幼虫がウジ虫です。ハエが卵を産み、孵化してウジ虫が発生します。孵化するまでは1日から数日、卵から成虫になるまでは約2週間といわれています。

70度以上の熱湯が効果的

殺虫剤を使うのは当然、効果的です。あとは熱湯がかなり効果あります。発生源と思われるところに70℃以上の熱湯をかければOK! かなりシンプル!

苦手な人が多い「ゴキブリ」

ゴキブリの対処法

人によっては文字を見ることすら嫌悪感を抱くため、「G」という隠語まで存在するゴキブリ。そんな苦手な人が多いGの対処法や特徴をご紹介します。

ウォッカをかける

ポーランドを原産地とするウォッカ「スピリタス」はアルコール度数が95%あり、これをゴキブリにぶっかけると、熱湯と同様に瞬時に絶命します。当編集部でも実際になんとも試しているので、事実です。
しかも熱湯と違い、勝手に蒸発してくれるので、周囲が濡れたままということはありません。そこには、ゴキブリの死骸だけが残ります。そう、絶命したゴキブリをゴミ箱に捨てるだけで、特に後始末はいらないのです。アルコールに弱い場所に使用できませんが、いまのところ最強の無害退治法といえるでしょう。しかもスピリタスは非常に安価な酒ですので経済的です。さらに酒が飲みたくなったら飲んでもいいのです。

ミント栽培で予防

調べてみると、ミントの香りを使ったゴキブリ除けが大手の製薬会社から販売されています。
その点を内藤記念くすり博物館の担当の方に聞いてみると、やはりミントは植えるだけで、その香りでゴキブリを遠ざけてくれる効果が期待できるのだとか。
その他、ユーカリのエキスや、クスノキの香りの結晶である樟脳(しょうのう)もゴキブリよけに効果が期待できるそう。

ミントは繁殖力が強いので、栽培は畑や庭への地植えではなく鉢植えのほうが良いようです。

クローブも効果が

カレーなどに使われるスパイスの「クローブ」にも予防効果があるそうです。

クローブに含まれる香気成分「オイゲノール」は、虫がとっても嫌うもの。ゴキブリ、小バエなどをブロックする効果はバツグンです。キッチンや窓辺など、虫が侵入する箇所に香らせましょう。専用のアロマポットがなくても大丈夫です。ハンカチやティッシュペーパーに数滴、クローブのエッセンシャルオイルを落として、置いておけばOK。また、生ゴミの入ったゴミ箱に数滴落としておくのもおすすめです。

幼虫の寝床となる段ボールは即処分

「例えば、段ボールのうねうねした隙間。ここに成虫が入り込むことはありませんが、卵を産みつけたり、幼虫の寝床としては最適です。ですから、新居だからといって安心できず、引っ越しの際に持ち込んでしまう可能性がある。段ボールは即刻処分する癖をつけておきましょう」

実は個性があるG アウトドア派のGも

ゴキブリと言えば屋内の中でぬくぬく生活しているイメージですが、屋外を好む「アウトドア派」もいるようです。

「実はゴキブリにも個性があるんです。家より外のほうが好きな個体もいるし、水まわりより下駄箱や押し入れの中が好きな個体もいる。ですから、ベランダの観葉植物の鉢植えの下や犬小屋、物置、納屋まで含めて、この時期に一度大掃除をしてみることをオススメします。特に糞を見つけたら、徹底的に掃除すべきでしょう」

してはいけないことは「無視」

一方で絶対にやってはいけないのが、「無視する」こと。
あの気持ち悪い物体とは戦いたくないと、見て見ぬふりをする人もいるだろう。しかし、この行為は「『子孫を増やしてください』と歓迎しているようなもの。家がゴキブリ館と化すのも時間の問題です」(青木さん)。夫か隣人に頼むなりして必ず退治を。

Gに関するよもやま話

ここまで読み進めていただいたということは、Gに対してある程度の耐性があり、少しは興味がある人のハズ。ということで最後に、Gに関する豆知識や余談をお届けします。

Gが出やすい家の共通点

実はゴキブリが「出やすい」家には、環境面で以下のような共通点があります。
・集合住宅なら一階、ないしは一戸建て
・木造、ないしは築年数の経った鉄筋コンクリート造り
・川、水路、暗渠が近い
・帰宅してドアを開けると、いつも冷やっとするのではなく「モワッと」温かい
・飲食店が近い、ないしは同じ建物内にある

「Gを退治できる」割合は男性優位

しらべぇ編集部の調査によると「ゴキブリを退治できる」と答えた人は約半数。性年代別ではすべての年代で男性のほうが高い割合になりました。

しらべぇ編集部では、全国20〜60代の男女1,477名に「ゴキブリについて」の調査を実施。
「ゴキブリを退治できる」と答えた人は、全体で51.0%。強敵にもかかわらず、2人に1人が倒せるのは意外だ。
性年代別では、すべての年代で女性より男性のほうが高い割合になっている。

G出現率の高い都道府県とは?

G駆除サービス「ゴキブリ110番」などを展開するシェアリングテクノロジーが、全国から寄せられた駆除相談に関するデータ4365件をもとにした実態調査レポートを公開しています。この調査では「最もGが出やすい都道府県」も調査していて、各都道府県の10万世帯あたりの相談件数を割り出し、ランキング化しています。

調査の結果「東京都」、「沖縄県」、そして「富山県」がゴキブリの出やすい都道府県TOP3であることが明らかとなりました。ゴキブリは亜熱帯に生息する虫なので、温暖な環境である沖縄県が2位にランクインするのは想像に難くありません。
また、東京都がトップなのは人口密集度やゴミ排出量に関連していると考えられます。同じように人口密集度やゴミ排出量が多い愛知県(4位)、神奈川県(6位)、大阪府(10位)が上位にランクインしています。