半端ないって!大迫勇也の何がどう半端ないのか?

2018年6月22日更新

6月19日のコロンビア代表戦で香川のPKのきっかけとなるプレー、そして決勝弾となるヘディングシュートを決め、一躍テレビやネットで「半端ないって」と“賞賛”されている大迫勇也。あらためて大迫のプレーの何がどう半端ないのか、についてまとめてみました。

巻き起こった「半端ないって」旋風

決勝ゴール後、世間は「半端ないって」の嵐に

6月19日のコロンビア代表との試合中、SNS上には決勝ゴールを決めた日本代表フォワード・大迫勇也を称賛する「大迫半端ないって」の投稿が溢れ、またたく間にSNSのホットワードにまで急上昇しました。

大迫の得点直後から「半端ない!」ツイートが増え始め、午後10時30分~45分の15分間で、「大迫」を含む投稿が10万件を超える“半端ない”状態になった。試合終了後の東京・渋谷のスクランブル交差点でも、歓喜に沸くファンが次々と「大迫半端ない!」と叫んだ。

試合会場にも「大迫半端ないって」と書かれた横断幕を掲げるファンが見られた。試合を中継したNHKでは、大迫が交代する直前に実況アナウンサーが「今日は半端ないヘディングシュートがありました」と称えた。Jリーグの公式ツイッターも得点直後に「半端ない!!大迫のヘッドで日本勝ち越し!!!」と投稿した。
コロンビア戦の実況も用いた“半端ない”

コロンビア戦の実況を務めたNHKの鳥海貴樹アナウンサーも試合後半40分に大迫が交代する直前、「今日は“半端ない”ヘディングシュートがありました」と実況し、この「半端ない」を用いたことが反響を呼びました。いっぽうで放送用語としての使用について適切かを問う声もあり、後にNHKから公式回答が出される事態に。

放送用語として「半端ない」は正しい表現なのかという指摘に対して、NHKは20日の木田幸紀放送総局長の定例会見後に文書で回答。「大迫選手に対する『半端ない』という言葉は、大迫選手のパフォーマンスの秀逸さや、優れたテクニックを称える表現として、サッカーファンの間では定着しています。大迫選手がヘディングでゴールを決めた後、客席ではサポーターが『大迫半端ない』という旗を掲げた様子が映像で紹介されたのにあわせて、そのプレー技術の高さ、パフォーマンスの素晴らしさを称える意図でコメントしました」と説明した。

そもそも「半端ないって」の由来って?

大迫賞賛の代名詞にもなったこの「半端ないって」は、2009年の高校サッカー選手権準々決勝で、大迫擁する鹿児島城西に滝川二高が6-2で大敗した際に生まれました。
滝川二高の当時キャプテンだった中西隆裕さんが試合後にロッカールームで、高校サッカーの中でも群を抜くハイレベルなプレーを見せた大迫に脱帽して叫んだ台詞です。

中西さんは「大迫半端ないってもーう。あいつ半端ないって! 後ろ向きのボール、めっちゃトラップするもん。そんなんできんやん普通。そんなんできる? 言っといてや、できるんやったら。新聞や、全部新聞や。とられたしもう。また(大迫が)一面やし。またまたまたまた2発やし。1発にしとけばよかった1発に!」と試合後のロッカールームで叫んでいた。

この「半端ないって」を含む一連の発言は、のちに中西さんがキャプテンとして、試合に負けた後のロッカールームの雰囲気を和ませるために言ったと明かしています。その意を汲んだ当時の滝川二高の監督だった栫さんも「俺は握手してもらったぞ。鹿児島城西を応援しよう」と発言するなど、敗退後のチームのロッカールームとしては稀な、笑いの起こる状況に。ちなみに現在、中西さんは会社員として働いており、当時の発言に関する取材は断っているとのこと。

当時の心境を尋ねると、中西さんは「チームの雰囲気を和ませるために、あえてあのようなパフォーマンスをした」と打ち明け、現在のブームについて「こんなことになるとは思ってなかった」と驚いていたという。

「半端ないって」旋風のさらなる反響

大迫の決勝ゴール後からネット上で再び盛り上がった「半端ないって」ですが、日本全国あらゆる場所で広がりを見せています。

熊本県警の電光掲示板にもさっそく

流行のギャグに乗っかってドライバーに安全運転を喚起することで有名な熊本県警の電光掲示板。さっそく「半端ないって」が取り入れられ反響を呼んでいます。

日本中を熱狂させた勝利の立役者・大迫を表す言葉として、急速に広がっている「ハンパないって」を、早くも熊本県警が「導入」した。20日夜から、県内の道路50か所にある交通情報板で「おもいやり運転ハンパないって!」と「二日酔運転人生にオウンゴール×」のメッセージを2・5秒ごとに交互に表示。情報板を見た人たちなどが写真をツイッターなどに上げ、盛り上がりを見せている。
芸能界でも「半端ないって」で盛り上がり

コロンビア戦翌日の6月20日、タレントの渡辺直美とフィギュアスケーターの浅田真央が都内のイベント「エアウィーヴ新CM&夏のキャンペーン発表会」にてサッカー日本代表にエールを送る一幕がありました。その中で「大迫半端ないって」の動画にも触れ…。

渡辺は、「すごいですよね。あれ、高校生のときの相手チームの方が……」と動画を見たことを明かし、「それが今になってハッシュタグになって、トレンドに入るくらい」と驚き顔。「自分のあれが出てくるってどんな気持ちでいらっしゃるのかなと、そこが気になります。面白い動画で、本人は真面目だと思うのですが」と興味津々の様子だった。

お笑いコンビ・レイザーラモンのレイザーラモンRGは同じく6月20日、デビューシングル「いただきます」の発売記念イベントにて、自身のデビューシングルを「半端ないって」に乗っかりPR。自身の持ちネタである「あるあるネタ」にも大迫のエピソードを使用し笑いを誘いました。

そして「大迫あるある、聞きたいかい?」と呼びかけると安全地帯の「ワインレッドの心」のメロディーに乗せ「炭酸飲まない~」と健康のために炭酸を控えているという豆知識をひけらかした。

フォトセッションでも「この曲、半端ないって! (プロデュースした)m.c.A・T、半端ないって。50歳過ぎてるのに、こんな曲書けるんだもん」とホットワードをちゃっかり引用。
「半端ないって」Tシャツの売れ行きが伸びる

2009年の「半端ないって」発言誕生以来、Tシャツなど、なぜか発言したほうの中西さんの顔がプリントされたグッズなどがたくさん販売されていました。コロンビア戦の決勝ゴール以降、通販サイトやフリマアプリ「メルカリ」では売り切れも生じる事態に。

Tシャツの売れ行きも伸びており、製作元のアパレルブランド「EXFA」の公式通販サイトでは、旧デザインのTシャツが一部カラー以外は売り切れ状態に。この機に乗じ、やや意匠を変えた新デザインも発売されている。

フリマアプリの「メルカリ」では約90件の「大迫半端ないって Tシャツ」が出品されているが、ほぼ全てが売り切れ。メルカリ運営元から報道陣に「『大迫半端ないTシャツ』が人気です!」との知らせが届く事態になった。

Tシャツ以外にもあらゆる「半端ないって」グッズがラインナップされています。

・「大迫半端ないって」ゲートフラッグ

・「大迫半端ないって」スマホケース

・R250 あいつ半端ないって 半袖ジャージ

“半端ない”フォワード大迫勇也

「半端ないって」と言われる由縁が分かったところで、ここからは“半端ない”フォワード大迫勇也に関するプロフィールや、いったい彼のどんなプレーが“半端ない”のかを紹介していきます。

大迫勇也のプロフィール

大迫勇也は鹿児島城西高等学校卒業後、2009年に鹿島アントラーズに入団すると、すぐさまレギュラーに定着。4年後の2014年2月にTSV1860ミュンヘンに移籍して活動の場をドイツ・ブンテスリーガに移すと、その半年後に1.FCケルンに移籍しコンスタントに出場を重ねてチームの主力として活躍しました。来月の7月からはヴェルダー・ブレーメンでプレーすることが決まっています。

ポジションFW
所属1.FCケルン
生年月日1990年5月18日
身長 / 体重182cm / 73kg
所属クラブ経歴

2006年 - 2008年 鹿児島城西高等学校
2009年 - 2013年 鹿島アントラーズ
2014年2月 - 2014年6月 TSV1860ミュンヘン
2014年7月 - 2018年6月 1.FCケルン
2018年7月 - ヴェルダー・ブレーメン

大迫勇也の“半端ない”プレー

“半端ない”ポストプレーの上手さ

ボールを自分の間合いに収める技術は高校時代からすでに身に付けていた大迫ですが、さらに4年間のドイツでのプレーを経て、大柄でフィジカルの強いドイツの選手たちに負けない身体の強さを手に入れました。前線で相手選手につかまれても、後ろから押されても味方にボールをつなぐポストプレー、苦しい体勢からでもシュートまで持っていく身体の強さと身のこなしは同じ日本代表フォワードの中でも随一で代役のいない存在です。
6月19日のコロンビア戦では、身長187cm、体重81kgの屈強な相手ディフェンダーD・サンチェスを押しのけシュートまで持っていくなどプレーには気迫が満ち溢れています。
そして単純に競り負けないというだけでなく、わざと相手に身体をぶつけてからフリーでボールを受ける、自分の身体や腕を上手く使って相手の力を逸らすなど、相手のプレッシャーを上手くいなす技術に長けていることも、ポストプレーの安定につながっています。

“半端ない”シュートセンス

相手ディフェンダーを背負ったまま強引にシュートを押し込むこともあれば、飛び出した相手ゴールキーパーをあざ笑うかのように鮮やかにループシュートを決める、多彩なシュートバリエーションが魅力です。キック力もあり強烈なミドルシュートをゴールに突き刺すことも。

“半端ない”ヘディングシュート

もともとはヘディングシュートはあまり上手くなかったと語る大迫ですが、鹿島アントラーズ時代、先輩で空中戦で無類の強さを誇った元日本代表ディフェンダー岩政大樹(現東京ユナイテッドFC)から指導を受けたといいます。精度を磨き、ジャンプのタイミングを見極め、今では大迫のひとつの武器となっています。

平山は「見てほしいのはジャンプするタイミング」といい、大迫選手が相手ディフェンダーとの競り合いに“勝利”できた理由を「先にジャンプして、相手を腕でブロックする。これで自分の空間を確保できる。海外のフォワードに見られる技術」と解説。しかし、ジャンプのタイミングが早すぎるとボールに合わせることはできない。ポストプレーを得意とした平山でも「したり、しなかったり」だった高等技術だという。
“後ろ向きのボールめっちゃトラップする”ボールタッチ

相手ディフェンスに「後ろ向きのボールめっちゃトラップするもん!」と言わしめるトラップの上手さ。“後ろ向きのボールをトラップする”とは、自分の背後から飛んできた浮き球をトラップして自分の間合いに収めることです。大迫はこの技術に長けており、中盤から前線に縦に放り込まれたボールを受けて、一気にチャンスにつなげることができます。
ゴールを背にしてボールを受けても、正確で素早いターンで前を向くことができ、その反転力で一瞬にして相手ディフェンスを置き去りにすることも。基本的なボールを止める、転がす、浮かすといったタッチの正確性が高く、1対1の局面においても主導権を握ります。