サッカーの母国を率いる“お高い男”ハリー・ケイン

2018年7月11日更新

本日7月11日27時から行われる準決勝でクロアチアと対戦するのは、1990年以来28年ぶりとなるベスト4進出を果たしたイングランド。この「サッカーの母国」の快進撃をチームのキャプテンとしてけん引し、今大会の得点王レースで独走を続けているハリー・ケインにフォーカスします。

いま最も市場価値が高い男

メッシ、C・ロナウド、ネイマールより“お高い”選手

話題のムバッペより上

国際サッカー連盟(FIFA)傘下の研究機関が先月発表したデータによると…

スイスの国際スポーツ研究機関(CIES)が、市場価値が最も高い選手としてトッテナムに所属するイングランド代表FWハリー・ケイン(24)を挙げた。
CIESは選手の年齢や所属リーグ、代表戦出場歴など、独自のアルゴリズムに従ってデータ化し、今回の価値を弾き出した。その結果、バロンドールをそれぞれ5回受賞しているFWリオネル・メッシ(バルセロナ)とFWクリスティアーノ・ロナウド(R・マドリー)ではなく、ケインが市場価値2億120万ユーロ(約258億8000万円)で最も価値のある選手として評価された。

ちなみに、決勝トーナメント1回戦アルゼンチン戦での2得点など、話題沸騰中のフランスの19歳、キリアン・ムバッペは3位で、それすらも上回っています。

2年連続プレミアリーグ得点王

では、なぜケインは“世界で最もお高い男”なのか…それを紐解くために、簡単にプロフィールなどを見ていきましょう。

ポジションFW
所属トッテナム・ホットスパーFC
生年月日1993年7月28日(24歳)
身長 / 体重188cm / 98kg
ケインは1993年生まれの24歳。アーセナル、ワトフォードの下部組織を経て、2004年にトッテナムの下部組織に加入した。2010年にトップチームへ昇格した後、4クラブへのレンタル移籍を経験。2014年1月にトッテナムへ復帰してから主力に定着し、2015年3月にはイングランド代表初招集を果たした。
活躍を続けるケインは2015-16、16-17シーズンと2年連続でプレミアリーグ得点王を獲得。イングランド代表の一員としてユーロ2016にも出場し、2018 FIFAワールドカップ ロシアに臨む代表チームではキャプテンを務める。

昨年の「年間総得点」でもメッシを超えてNo.1に

上記のとおり、最新の「UEFAカントリーランキング」で2位に位置するイングランドのプレミアリーグにおいて2年連続の得点王に輝いたという点が、ケインが“最もお高い男”であることがわかりやすく伝わる要素のひとつ。また、17-18シーズンまで4期連続で20得点以上という、過去にアラン・シアラーとティエリ・アンリしか達成していない大記録も現在継続中です。ただ、残念ながら今シーズンはリーグ新記録の32得点を記録したリバプールのモハメド・サラーに2点及ばず、3期連続の得点王は逃しました。
しかしシーズンではなく、“2017年の1年間”に注目すると、プレミアリーグ年間得点など複数の記録を塗り替え、特に「年間総得点」(クラブと代表での合計)ではメッシを上回って首位に立つ記録を打ち立てた点も注目に値します。

ケインは2017年最後の公式戦となったプレミアリーグ第20節のサウサンプトン戦でハットトリックを達成し、プレミアリーグ年間得点記録を「39」に、2017年の年間総得点を「56」とし、バルセロナのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシの「54」得点を上回った。

ハリー・ケインの2017年プレー記録(クラブ&代表)

①年間総得点
出場試合:52試合
ゴール数:56点(クラブ49点、代表7点)
※2位メッシは64試合、54点

②プレミアリーグ年間得点記録
出場試合:36試合
ゴール数:39点
※2位シアラーは42試合、36点

③ハットトリック記録-part1-
ハットトリック:8回(プレミア6回、CL1回、EFL杯1回)
※プレミアではケイン以外にルカク(2回)、アグエロ、J・キング、ルーニー、モラタ、C・ウィルソンら6選手が達成

④ハットトリック記録-part2-
シーズンまたぎで2回ずつのハットトリックは史上初

プレースタイルは?

プレースタイルは、よくある表現で言うと「万能型の点取り屋」「高さがあって足技も冴える」といったところ。
上の動画を見てもらえばわかるとおり、ゴールの近くでは188cmの恵まれた体格を活かしてクロスに合わせてゴールネットを揺らし、遠めからは位置・角度を問わず精度の高いシュートを放ってゴールを強襲。さらに、前線でタメを作る確かな技術、自ら持ち上がるドリブル、ゴール前での落ち着き、ワンチャンスをモノにする天性の得点感覚…といったところがケインの優れた点として挙げられます。つまり(最初に戻りますが)「万能型の点取り屋」です。

幼い頃から“スパーズ”一筋

「目標はスパーズでキャリアを終えること」

ケインは、現在所属しているトッテナム、通称「スパーズ」を愛してやまない男としても知られています。

トッテナムの本拠地ホワイト・ハート・レーンから、わずか5マイル(約8キロ)の距離にあるチングフォードで生まれ、幼い頃からトッテナムサポーターとして育った。ユースチームを経て2011年に、念願のトップチームデビューを果たした。
クラブの生え抜き選手であるケインは、トッテナムでサッカー人生を終えることを目標にしていることを明かした。
「僕の目標はトッテナムでキャリアを終えることだ」
「トッテナムは素晴らしいチームであり、偉大な監督、専門性に優れたトレーニング施設がある。そして、新しいスタジアムもできる。今僕は幸せだし、ここはとても快適なんだ」

ビッグクラブが関心を寄せる中…

現在、“世界で最もお高い男”となったケインには移籍の噂が絶えず、過去にもレアル・マドリードやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッドなどの名前が何度も登場しています。特にレアルは今年も触手を伸ばし、2月頃に一部では「会長が移籍許可」「個人合意」などと報じられていました。

トッテナムのダニエル・レヴィ会長は、同クラブに所属するイングランド代表FWハリー・ケインの代理人にレアル・マドリード移籍を許可したようだ。スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が3日付で報じた。

W杯前にスパーズと契約延長 年俸は22億円!

ところが6月、スパーズは2024年までの新契約に合意したことを発表しました。

トッテナムは8日、イングランド代表FWハリー・ケイン(24)と新たに6年契約を結んだことを発表した。契約期間は2024年6月30日まで。英『デイリー・メール』によると、年俸は1500万ポンド(約22億円)となるようだ。

レアルはまだまだ諦めていない?

ただレアルは、スパーズと契約したばかりのケインをまだまだ狙っているようです。

レアル・マドリードは今夏、トッテナムのイングランド代表FWハリー・ケイン獲得を目指しているようだ。スペイン紙『マルカ』が8日付で報じている。
以前から同クラブはケイン獲得を狙っていたが、C・ロナウドの退団が現実味を帯びる中で、獲得に本腰を入れるようである。

回り道をしてきた苦労人

“スパーズ一筋”のケインですが、ずっとスパーズで活躍していたわけではなく、レンタル移籍を繰り返していた過去があります。

16歳のときにトッテナムのトップチームで初のベンチ入りを果たしたものの、その後はレイトン・オリエント、ミルウォール、ノリッジといった下部リーグへのローン移籍を繰り返した。本拠地ホワイト・ハート・レーンで初ゴールを決めたのは、2013年10月のこと。トッテナムとプロ契約を交わしてから、実に3年の月日が経過していた。

実は“宿敵”アーセナルで選手キャリアをスタート

生粋のトッテナムファンでありながら、キャリアをスタートさせたのは、同じノースロンドンを本拠地とする宿敵アーセナルだった。もっとも「太っていた」という理由でユースチームを追われ、2年後に愛するクラブへ加入した。

放出は「間違いだった」 アーセナル関係者が認める

アーセナルの育成部門で上役を務めていたリアム・ブレイディ氏が、トッテナムに所属するイングランド代表FWハリー・ケインをアーセナルのアカデミーから放出したことが誤ちだったことを認めている。
「ケインは少し太っていて体力がなかったんだ。しかし、我々はミスを犯した」
「トッテナムは3、4回、下部リーグのクラブにレンタルで移籍させた。しかし、彼は強い決意から驚くべきキャリアを切り開いた。彼は常に改善しようとする性格の持ち主だ」

ロシアW杯の王者はトッテナム!?

準決勝進出4カ国に最多9選手輩出

ケインの“スパーズ愛”に触れたところで、ついでにトッテナム絡みの余談を少々。
すでに準決勝のフランスvsベルギーが終わってベルギーは3位決定戦にまわりましたが、これにもうひとつの準決勝を戦うクロアチアとイングランドを加えたベスト4のチームに最も多くの選手を送り出しているクラブはトッテナムだとか。

英『デイリー・メール』によると、準決勝に残った92人のうち、9人がトッテナム所属の選手だという。その内訳は、イングランド代表にFWハリー・ケインとMFデレ・アリ、MFエリック・ダイアー、DFキーラン・トリッピアー、DFダニー・ローズの5人。ベルギー代表にDFトビー・アルデルワイレルトとDFヤン・フェルトンヘン、MFムサ・デンベレの3人。フランス代表にGKウーゴ・ロリスを送り出している。

でもクラブにとっては嬉しくない?

だが、この名誉も皮肉なことに、スパーズにとって悪い結末になるという。W杯で成功を収めるほどクラブへの合流が遅れ、来季のスタートダッシュにも影響しかねないからだ。所属する選手が大舞台で活躍することは喜ばしいが、トットナムにとっては複雑な心境なのかもしれない。

得点王争いで独走中

2位に2点差でほぼ手中か?

今大会の得点ランキングでケインは現在、6得点でトップ(7月11日時点)。2位の4得点で並ぶロメル・ルカク、デニス・チェリシェフ、クリスチャーノ・ロナウドのうち、後者の二人のチームはすでに敗退しており、ライバルの一番手はルカクと言えそうです。ただ、ルカクが3位決定戦を残すのみであるのに対し、ケインはまだ2試合を残している分、現時点ではかなり有利と言えます。
また、次に争う可能性が高いのは3得点で5位に並ぶフランスの二人、アントワーヌ・グリーズマンとムバッペ。可能性がさらに下がる2得点勢にはクロアチアのルカ・モドリッチがいます。なお同じ2得点ながら、ケインのチームメイトでもあるジョン・ストーンズはDFなので、一気の大量得点は現実的ではなさそう。
チーム間に力の差があるグループリーグと違い大量得点が期待できない準決勝と決勝(前回大会は特殊でしょう…)、そして3位決定戦しかない段階で見ると、2位に2点差という状況は、ケインが得点王に限りなく近い存在であると言えるでしょう。

6得点の内訳は…

今大会6得点の内訳を見ると、グループリーグのチュニジア戦で2点、パナマ戦でハットトリック(3点)、決勝トーナメント1回戦のコロンビア戦で1点。グループリーグのベルギー戦はお休みしていたので、出場4試合で6得点というハイペースです。
ただゴールの内容としては、3点がPKによる得点で、ほかにも味方の蹴ったボールが身体に当たって入るラッキーなゴールもあり、上のほうで熱く語った「万能型の点取り屋」たる才能の全貌を示したとは言いがたい部分もありそうです…。それでも、チュニジア戦の2得点は注目で(上の動画参照)、「ゴール前でボールがこぼれる場所にいる」というケイン特有の“嗅覚”を感じることができるのではないでしょうか。

また、得点王レースのトップをひた走るケインは、一流選手らしく、ピッチを離れたところでもエピソードを残しています。

客席に入り込んで“神対応”のファンサービス

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「これ最高!」「一流の行いだ」と称賛相次ぐ

準々決勝のスウェーデン戦後に見せた行動が話題に。

ハリー・ケインは不発に終わったが、試合後に客席まで入り込んでファン対応を披露。サインはもちろん、スマホ自撮りに応じるなど“客席の神対応”の様子を海外メディアが画像で紹介し、「大衆の味方」「素晴らしい男」「一流の行いだ」と称賛の嵐となっている。
客席に立った赤いユニホームの背番号9。試合を終えたばかりのケインだ。警備員を挟んでたくさんのファンからサインを求められ、それに応じようとまさに手を伸ばしている瞬間だった。2、3枚目は実際にやってきた選手に興奮を隠せず、自撮りで一緒に収まろうとするファンたち。4枚目に至ってはケインがちびっ子のファンと仲良く肩を組んで2ショットに応じている。

自らの役割は「子供たちに力を与えること」

クロアチアとの準決勝を前に意気込みを語ったインタビューでは…

主将として、またエースとしてチームをけん引するケインは、自らに課せられた役割についての見解を語っている。
「選手として、そしてプロフェッショナルとして、ピッチ内外において任務があることは分かっている。人々やこのトーナメントを見ている子供たちに力を与えるという任務だ」

放射線治療乗り越えた少年に「君の笑顔のために全力を尽くす」

スウェーデン戦の前にも、とあるエピソードが話題となりました。

イングランドの小児科でレントゲン技師を務めるリアム・ハーバート氏は、自身の『ツイッター(@LiamHerbert_)』でイングランド代表とケインに向けて脳腫瘍の治療のため、辛い放射線治療を乗り越えたベン君のことを短い動画で紹介した。
「ベンは脳腫瘍の治療のため、ちょうど放射線治療を終えたんだ。彼はそれまで自力で話すことも歩くこともできなかった。だけど、彼はちょうど1週間前、放射線治療を終えたらワールドカップのトロフィーがほしいと頼んだ。だから、僕たちは彼にトロフィーを届けた。イングランドとケイン、君たちは彼と同じことができるかい?」
ケインはこれに即座に反応。
「やあ、ベン。きみの動画を見て勇気づけられたよ。頑張って戦ってくれ。そして僕らも、きみに笑顔でいてもらうために、土曜日はできる限りのことをするよ」
ベンの父親はIndependent紙の取材で、「息子は病気になる前からサッカーが大好きでした。声を取り戻してすぐ、『イングランド』『ハリー・ケイン』と口にしていたんですよ」と話した。

イングランド vs クロアチア 勝利の行方は?

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“イングランド vs クロアチア”勝敗予想 / Potora

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優勝国予想ランキング / Potora

“世界で最もお高い男”ハリー・ケイン率いるイングランドの決勝進出をかけた試合は7月11日27時(12日3時)キックオフ。勝敗のほかに、ケインがゴール数を伸ばすのかにも注目です!

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