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スタジオジブリの歴史は「世代交代に失敗した歴史」 宮崎吾朗監督がジブリの現状と今後を語る【第77回カンヌ国際映画祭】

シネマトゥデイ 映画情報 / 2024年5月20日 8時28分

 現地時間20日に第77回カンヌ国際映画祭で、スタジオジブリのこれまでの功績をたたえて、名誉パルムドールの授与式が行われる。三鷹の森ジブリ美術館とジブリパークも含むジブリ全体を代表して授与式に登壇する宮崎吾朗監督が、前日に合同取材に応じ、ジブリの現状と今後を語った。

 名誉パルムドールが個人ではなく集団に対して授与されるのは、今回が初となる。吾朗監督は「喜ばしいことです。スタジオにとってもそうですし、ジブリ美術館とジブリパークのスタッフにとっても、直接スタジオじゃない場所の仕事も評価してもらえたということになるので、ジブリ全体として喜べる賞なんじゃないかなと思います」と喜びを語る。

 父・宮崎駿監督の反応はどうだったのだろうか?「『よくわからないけど、ありがとうございます』と。全然ぴんと来ていない感じでしたけど」と笑った吾朗監督。今年3月には駿監督の『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞で長編アニメ映画賞に輝くなど喜ばしい受賞が続くが、吾朗監督は「(父も)若い頃は憎まれ口をたたきながらもうれしそうに賞を頂戴してきましたが、今は80歳を超えていますし、賞っていうのは過去やってきたことに対するものじゃないですか。なので、あまり気にしていない感じはしますね。自分があとどれだけ生きられるかというなかで、何をやるか。『それはさておき、俺は今目の前にあることをするんだ』という顔をしています」と駿監督の様子を明かした。

 昨年『君たちはどう生きるか』を公開したジブリの現在の状況については、「ほうけていますね。全然ダメですね、今は」とさらり。「やはり7年かけてアニメーション映画を作るというのは、監督もそうですが、スタッフにとってもものすごく疲れること。そこから回復するのに時間が必要だと思うんです。ジブリパークも同じくらいの時間をかけてやっていて、それがオープンして、そっちのスタッフもやっと、という状態。スタジオ全体が今、弛緩しています」。現在は充電期間だと捉えているのだという。

 一方で、駿監督は昨年の『君たちはどう生きるか』公開後、すぐに次回作の構想を考え始めていると伝えられている。しかし、駿監督は具体的なことは秘密にしているといい、「言わないんですよね。絶対、誰にも言わないですよ」と吾朗監督。「あの年になっても、周りのアニメーターは全員ライバルなんです。年下だろうが、自分を支えてくれるスタッフだろうが、社内であろうが社外であろうが、アニメーターと名前が付いたら全員ライバル。だからそういう人たちに、うっかり自分の企画を話さないようにしているんです。やっぱり『これだ』というものになるまでは、明かさないんです」

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