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NHK朝ドラ「虎に翼」の好調を支えているのは、伊藤沙莉の確かな演技力なのだ

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月9日 9時26分

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伊藤沙莉(C)日刊ゲンダイ

【芸能界クロスロード】

 ビデオリサーチ社調べの週間視聴率ベスト20が毎週更新される。4月22日から28日までを見ると、テレビ朝日がサッカーアジアカップを入れて8本ランクインでトップ。続いてNHKの5本、日本テレビ4本、TBS3本。独自路線を貫くテレビ東京はともかく、フジテレビは今や定位置になったランク外。最近はフジの問題点を指摘する声も少なくなり、見放されてきた感もある。

 上位に入った番組を改めて検証すると、2位の「ポツンと一軒家」、8位の「ザワつく!金曜日」、日テレの「オモウマい店」と独創的なバラエティーが好調。芸人を集めただけの似たようなトーク番組とは一味違う点が人気の秘訣だ。大健闘なのは15位の「羽鳥慎一モーニングショー」。コンスタントに2桁を取り続けている。独自目線のネタと本質を突くパネリストのトーク力で、もはや敵なし。

 ドラマでは予想通り木村拓哉の「Believe」と長谷川博己の「アンチヒーロー」がランクインして競っている。現在1ポイント木村が上をいくが、最終的にどちらに軍配が上がるかも興味深い。

 ベスト20入りの常連、NHKの大河ドラマ「光る君へ」はギリギリ2桁を維持しているが、大河にしては物足りない数字である。

 対照的に朝ドラ「虎に翼」は16.5%と堂々の1位。圧倒的な強さを誇る。もしBSや再放送がなければ優に30%を超えていただろう。今回の朝ドラの強みは主演の伊藤沙莉の「凄い」「うまい」と評される演技力にある。

 5月4日で30歳を迎えた伊藤。9歳で女優デビューした当時は注目されず売れない子役だったが、「才能を感じた」「演技力に説得力があった」と業界での評価は高かったという。高校卒業後はコンビニでアルバイトしながら役者の道に進んだ。事務所の敷いたレールに乗れるアイドル系俳優と違い、伊藤は自力で道を切り開いてきた。

 女優としての転機は2017年。朝ドラ「ひよっこ」に米屋の娘役で登場。コミカルな演技で注目された。同年7月に公開の主演映画「獣道」ではAV女優として成功する女性を演じヌードにも挑戦して話題を集めた。その後はドラマ・映画でキャリアを積み朝ドラヒロインまで上り詰めた。

 私生活では劇作家との熱愛も報じられているが、実力をつけた今の伊藤にはなんの影響もない。

 今回の朝ドラにはもうひとりの苦労人も出演中。岡部たかし・51歳。前回の朝ドラ「ブギウギ」の“アホのおっちゃん”に続き、今回は伊藤の父親役で登場。妻には頭が上がらないが、心優しい父親を好演。味のある演技で好感度も急上昇中だ。

 岡部は和歌山県出身。高校卒業後、建設会社で働くなどフリーター生活を経て劇団「東京乾電池」に入り芝居を学んだ。舞台からテレビにも進出。大河に5本出演するなど貴重な脇役で活躍の場を広げたが、ブレークの兆しは2年前に出演した長澤まさみ主演の「エルピス-希望、あるいは災い-」だった。岡部は熱血漢のテレビ局プロデューサー役で迫真の演技を見せた。皮肉なことに低迷するフジがブレークのお膳立て。続いてテレ朝の「ハヤブサ消防団」でも存在感を示し、後を引き継いだNHKで一気に開花したという流れ。伊藤と岡部の苦労人俳優が親子役で初タッグを組み、好調、朝ドラを支えている。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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