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昨夏甲子園V慶応高の現在地 打線に迫力は欠けるが左右の2枚看板が復調すれば今夏も脅威(小倉清一郎)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月20日 9時26分

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エース小宅は勉強に追われ…(C)日刊ゲンダイ

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】#199

 昨夏の甲子園で107年ぶりの優勝を果たした慶応が、6月8、9日の2日間、香川県で今春の県大会4強校と招待試合を行うとのニュースを見た。

 2017年に清宮幸太郎(現日本ハム)フィーバーに沸いた早実は、春の大会以降、沖縄、愛知、香川など、毎週のように全国の招待試合に呼ばれていた。必要以上になると調整に影響が出る。案の定、最後の夏は西東京大会で敗れ、甲子園に届かなかった。

 そこで慶応である。私は今も古巣・横浜の指導に時々携わっている。先日、春の神奈川大会準々決勝で横浜が9-4で慶応を破った試合を見て感じたことがある。

 エースとして甲子園優勝の立役者となった小宅雅己(2年)とは、昨夏の神奈川大会決勝以来の対戦となったが、初回に横浜のプロ注目の捕手で4番の椎木卿五(3年)に甘く入ったカットボールを左翼席に運ばれ、勝負あった。

 慶応では昨年、清原和博氏の次男・勝児が留年したため、在学3年目の2年生として出場したが、エースの小宅も例外ではなく、勉強が忙しくなり、野球どころではない時期があったそうだ。調整遅れにより、昨秋まで背負っていたエースナンバーから今大会は「11」。甲子園優勝投手のプライドもあるだろう。2ケタの背番号では、モチベーションが上がらないように見えたが、新球のフォークはよく落ちていた。夏までに自由に操れるようになれば、やはり怖い投手である。

 全国制覇に貢献した加藤右悟捕手(3年)が主将としてチームを支える。打者ごとに配球を変えるリード面はさすがだと感心する一方、昨夏より打撃が崩れている。まだ夏があるため、具体的な指摘は避けるが、打線全体も迫力がない。

 とはいえ、小宅と左右の2枚看板を形成した好左腕の鈴木佳門(3年)も残っている。現在は故障中とのことだが、2人の投手が復調すれば、今夏も慶応は脅威となる。

 18日に春の関東大会が開幕した。神奈川2位で出場する東海大相模は総合力が高い。少々気が早いが、夏までにチーム力が上がりそうな横浜(春県4強)が優位。桐蔭学園(同16強)、慶応(同8強)を加えた4校が今夏、戦国神奈川の頂点を争うことになるとみている。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイでは元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏と専大松戸の持丸修一監督のコラムを毎週交互に連載している。

【関連記事】にはそれらをピックアップ。ちなみに、掲載から約1カ月で有料会員限定公開に移行するため、今のうちに要チェックだ。

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