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自傷癖で尻尾はぼろぼろ 飼育放棄された小型犬に注がれたたっぷりの愛情 人への信頼取り戻し幸せをつかみ取った

まいどなニュース / 2024年5月19日 17時30分

保護当初とは「別の犬」と思えるほどふっくらと健康になったキュウイ

2023年暮れ、犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)に1本の連絡が入りました。現在飼っているマルチーズとヨークシャテリアのオスのミックス犬を引き取って欲しいという相談です。

スタッフは様々な事情を聞き、このワンコの保護を決めましたが、引き取りの際、その姿を見て唖然としました。7歳ほどであれば、本来7kgほどあるはずの体重が3kgほどしかなく、体がガリガリで脱毛も。自分の尻尾を噛んでしまう自傷癖のため、尻尾がカギ状に変形していました。

リアン提携の預かりボランティアさんに唸るそぶりを見せ、とにかく気が立っている様子。後につけられた名前は「キュウイ」。預かりボランティアさんは、キュウイの健康状態を改善すべく、献身的な世話をすることにしました。

小さく尻尾を振ってくれるようになった

預かりボランティアさんの家で療養することになったキュウイですが、先住犬や家の子どもたちに「僕に何をするつもりだ」とばかりに吠えて威嚇。来客時にはずっと吠え続けることもありました。先住犬たちがキュウイに攻撃を仕掛けることなく優しく接してくれること、預かりボランティアさんが毎日献身的に世話をし、定期的にエサを与えてくれたことから、少しずつ吠える機会が少なくなりました。そして、小さく尻尾を振ってくれるようにもなりました。

人間の心を読み取る、賢く繊細な性格だった

保護から1カ月ほど経過すると少しずつ体重が増え健康状態も良くなり、再び毛も生えてきたので、綺麗にトリミングすることにしました。短くカットされた姿はまるで別のワンコのよう。表情もやわらぎ、散歩の際はうれしそうな素振りを見せてくれるようにもなりました。

少しずつ見えてきたキュウイの本来の性格は好奇心旺盛で、遊ぶことが大好きで人間にも甘えたがりです。賢さも兼ね備えており、人間の心を読み取る繊細な一面も。預かりボランティアさんはベタ褒めするほどでした。

最悪の2023年を経て、今年はリスタートの年!

保護から3カ月ほどが経過したある日のこと。「キュウイを迎え入れたい」という里親希望者さんからの申し出がありました。聞けば、キュウイと同じテリア種を長年飼っていたという優しそうな方で、程なくしてキュウイはこの家にトライアルに行きました。

保護当初は初めての環境におびえ吠えまくっていたキュウイですが、里親希望者さんの家ではすぐになじみ、たっぷりの愛情を受け、見事この家で第二の犬生を送ることになりました。

キュウイにとって見れば、7年間も劣悪な環境で過ごした挙句に飼育放棄された2023年は最悪の年でした。しかし、保護からわずか3カ月ほどで、心身ともに見違えるほど健康を取り戻し、さらに優しい里親さんとのマッチングも果たすことができました。

スタッフは団体名になぞって「キュウイ、今年はまさにリスタートの年だね!」と幸せをつかんだことを祝福。巣立つ姿に目を細めました。

新しい家でキュウイは「キュート」という新しい名前をもらい、優しい里親さんに甘えているそうです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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