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セックスレス夫婦。【体の距離】は遠くても【心の距離】は縮められるのか? 夫婦で向き合うなかで見つけた「新たな生き方」

OTONA SALONE / 2024年5月14日 19時30分

昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。

 

つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。

 

これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。

【無子社会を考える#10】前編

妻とのセックスが怖くなった夫の本音

「妻の性欲についていけなくて、セックスが怖くなってしまったんです。特にピーク時は、その要求が毎晩で全く途切れることがなくて。正直、自分の身体的な限界や心理的なプレッシャーを感じることが多くなりました。昔はもっと積極的だったのに、ただ怖いだけになっていたんです」

 

そう語るのは、結婚生活7年目を迎える佐藤さん(38歳・会社員)です。家族は共働きの妻34歳との2人暮らしで、東京23区に在住です。佐藤さんの場合、妻の性欲の強さに自分が追いつけないことが、夫婦間の大きな問題となっていました。このような状況は、一見すると稀有な事例のようにみえて、案外と多くの夫婦が似たような悩みを抱えています。

 

性機能障害の全国実態調査によると、確かに男性のED(勃起不全)の有病率は高い。しかし、それが全ての性の問題を説明するわけではありません。実際には男女間の性欲の不一致が、夫婦間の疎遠を招いているケースが少なくないのです。

 

「僕自身、元々性欲が強い方ではないのですが、妻と付き合っている頃は同棲をしていたわけではなくて、ここまで妻の性欲が強いとは思っていませんでした。もちろん結婚前からセックスに積極的だとは思っていましたけど、やがて落ち着くと思っていました」

 

結婚前から奥さまの方からセックスに関してはアプローチすることが多かったと言いますが、むしろ性欲が旺盛になったのは結婚後だといいます。暮らしの中で徐々に性の不一致が明らかになった後、佐藤さんはこの問題にどのように取り組むべきか、深刻な悩みに直面するようになったのです。

 

 

妻だけEDに陥った要因とは

「結婚してからの生活で、妻の性的要求が増えたことに加えて、自分の体力や性欲の限界を感じるようになり、セックスに対するプレッシャーが日に日に増していきました。特に仕事のストレスがある日などは、精神的にも肉体的にも妻に応えられないことが多くなっていきました。徐々にですが妻に対してED状態になっていったんです」

 

佐藤さんの悩みは奥様限定でEDになったことで、オナニー自体は出来ることにありました。

つまり完全に性欲がなくなったわけではないのです。

それと同時に、こうした悩みを気軽に相談する場所がないことも感じていたといいます。

 

「妻だけにEDって、妻には言えないですよね。その一方で、この悩みをどこに相談したらいいのかも分かりませんでしたし、今も適切な場所はわかりません。だから、いっそこのままでも良いかなと、当時は考えることもありました」

 

どうにか妻との良好な関係を維持するために、何をすべきなのか、佐藤さんは誰にも相談できない日々が続いたようです。こうした事例は、実は日本の夫婦が悩みを抱えながらもあまり表に出てこない問題の一端なのかもしれません。

 

 

勇気を振り絞って妻に本音をぶつける

佐藤さんが自分の苦悩について開放的に話す機会を持ったのは、ある日の夕食時でした。彼はついに勇気を出して、奥さまに対して自分の感じているプレッシャーと恐怖を伝えたのです。

 

「最近、精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまっていることと、妻に欲求に応えたいけど身体も精神も追いつけない現状をはっきりと伝えました」

 

佐藤さんが自分の感情を奥さまに打ち明けたその夜、夫婦は長く話し合うことになりました。そこで奥さま自身もそれまで感じていた孤独と苦悩についてこう語ってくれたようです。

 

「妻も正直に話してくれて、ずっとこの問題について悩んでいたようです。僕がセックスを避けるようになってから、自分自身に性的欲求が強すぎるのか、もしくは女として見られていないのか、自己嫌悪に陥っていたようです。でも、僕が何も言わなかったのでどう対応していいかわからなかったんです」

 

佐藤さんはさらに奥さんとの会話を続けて教えてくれます。

 

「妻は性欲が原因で僕をを苦しめていることを感じながらも、同時に自分が拒絶されているように感じて、孤独を感じてすごく寂しかったようです。その不安から僕を求め過ぎたのかもしれないと言ってくれました」

 

どうやら佐藤さんの奥様は自分の感情をどうコントロールしていいか、本当にわからなくなっていたようです。その発端となる要因についても率直に語ってくれました。

 

 

僕だけじゃなくて、妻も同じように苦しんでいた

「夫婦間のコミュニケーション不足がそもそもの原因なことを痛感しました。特に僕が仕事の忙しさを言い訳に、ほとんど会話していなかったんです。その間に妻は家でのストレスを溜めていったんです。結果的に、お互いがプレッシャーを掛け合う状況に陥っていました」

 

佐藤さん夫婦はお互いが本音をぶつけることで、それまで疑心暗鬼になっていた部分を解消するための大きなきっかけになったようです。

 

「とはいえ妻とセックスしたくなったかといえば、そうではありません。そこは僕にとっても大きな課題でした」

 

結婚のきっかけと将来的な家族像など、夫婦の展望がどうなっているのかを佐藤さんに質問すると、深くため息をつきながらも丁寧に応えてくれました。

 

「正直、結婚当初は子どもを持つことに前向きでした。ただなかなか妊娠はしなくて、そこからレスになりました。僕としては子どもはいたら嬉しいですが、必ずしもそれが目的で結婚したわけではなくて、妻と2人で豊かな人生を歩むことを最優先に考えています。とはいえ、妻とお互いの気持ちを語り合いましたが、すぐにレスが解消とはいかず、夫婦でカウンセリングを受けることにしたんです。そこからですかね、全てが変わるきっかけになったのは」

 

このあと、カウンセリングを受けた佐藤さん夫婦には予想外の展開が待っていました。

 

 

【前編】では、性欲の不一致で夫婦間に溝ができてしまった佐藤さん夫婦についてお伝えしました。

▶つづきの【後編】では、夫婦でカウンセリングを受けて、初めて知ることになった事実についてお話いただきます。__▶▶▶▶▶

 

≪家庭関係研究所 山下あつおみさんの他の記事をチェック!≫

 

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