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米下院、超党派で「政治混乱」回避 共和強硬派の議長解任動議を阻止、実質廃案に

産経ニュース / 2024年5月9日 9時13分

【ワシントン=大内清】米下院は8日、共和党保守強硬派のマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が提出していたジョンソン下院議長(共和)に対する解任動議を、実質的に「廃案」とすることを民主、共和両党の大多数による賛成で決めた。昨年10月にマッカーシー前議長(同)が保守強硬派の造反で解任されたのに続き、共和党の内紛に端を発する政治混乱が懸念されたが、超党派の動きで回避された形だ。

グリーン氏は、バイデン政権が進めるウクライナ支援を阻止するようジョンソン氏に圧力をかけるため、3月の段階で解任動議を提出し、その効力を保留していた。その後、ジョンソン氏が同国への支援を容認する立場に転じ、下院採決を経てウクライナ向けの600億ドル(約9兆3300億円)を盛り込んだ緊急予算が4月下旬に成立したことで、同氏とグリーン氏の対立は決定的に深まった。

この日はグリーン氏が議長解任動議の採決を求めたのに対し、共和党指導部が動議の棚上げを提案。共和、民主両党の8割超に当たる計359人が賛成し、動議は事実上、無効化された。共和党では11人が棚上げに反対し、内紛の火種が残った。

グリーン氏は、11月の大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領に近い保守強硬派の急先鋒(せんぽう)として知られる。しかし、この問題では、トランプ氏がジョンソン氏の議長留任を支持したにもかかわらず解任要求に固執。共和党内の統制の乱れが表面化していた。

一方、民主党は今回、政治の空転を避けるべきだとの立場からジョンソン氏留任を支持。昨年10月にマッカーシー氏が解任された際に、共和党内の穏健派と保守強硬派の対立で約3週間にわたって後任が決まらなかったことが念頭にあったとみられる。ジョンソン氏に恩を売り、今後の議会運営をスムーズに進めたいとの計算もありそうだ。

下院(定数435)の議席は現在、共和党217、民主党213と差はごくわずか。共和党は、数人が造反するだけで過半数を確保できない状況にある。

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