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電車で足を組む男に注意をしたら… バッドマナーをなぜ人は繰り返すのか「男女問わず大嫌いです」「神経がわからん」人が足を組みたくなる意外な理由とは

集英社オンライン / 2024年5月9日 17時30分

電車内でたびたび目撃される、足を組んで座るバッドマナー。隣に人が座れなくなるだけでなく、前に立っている人にも足が当たってしまう可能性があり、忌み嫌われる行為としてSNSで散々注意されている。それでも人はなぜ足を組んで座ってしまうのだろうか…。

【画像】これは迷惑すぎる! 3列シートの両隣が足を組むヤカラだった

足を組む男性に注意をしたら…

電車内で足を組む人に対しての怒りの声が大きくなっている。どう考えてもマナー違反の行為をなぜしてしまうのか。実際に足を組む男性を目撃して注意した人、人体に日々触れている整体師の先生にそれぞれ話を聞いた。

5月7日、これでもかというほどに豪快に足を組んでいる男性の写真がXに投稿された。投稿したのは、40代後半の男性・鎌田貴文さん(@zf39x16847)。

〈僕が嫌いな足組み大威張り男が目の前に座ってる。足組んでる方が辛いと思うんだが強く見せたい感の方が勝るんでしょう。公共のマナーって大切だと僕は思ってますので怖い思いをすれば迷惑かけない人生今後送れるでしょう。さてやるか〉とつづり、その男性にハッキリと注意したことを明かした。

「足を組んでいたのは30代後半の首に刺青を入れた半グレ風の男でした。朝の5時頃の電車でしたので最初は混んでなく、迷惑にもなっていなかったので無視してましたが、混んできても足を大きく組んだままで、そのせいでおばあさんが座れずにいたので、注意することにしました。僕以外の周りの人たちは下を向いて、その男性と関わりたくないといった感じだったと思います。

最初、注意したときは『ナニコラ次で降りろ!』と息巻いてましたが、僕はそういうのに慣れてるので、ひるむことなく小声で『ほんとに君、俺とやるの? いいよ別に』と言ったら相手は戦意喪失したようで大人しく普通に座り直しました。平謝り してたので、『次からはお年寄りや身体の不自由な方、お子さんや妊婦さんが立ってたら譲れるくらいの男の余裕をもってね』と伝えて、僕は目的地で降りました。

僕は荒くれた人生を送ってきましたが、弱いものイジメや年寄りを騙したりとかが大嫌いです。わざわざ正義感で見回りとかはしませんが、目の前にそういうのがいたら注意して理解してもらっています」(鎌田さん)

実際に鎌田さんがその後に投稿した写真では、先ほどまで大きく足を組んでいた男性が、行儀よく座り直している。

しかしこのように実際に注意できるのは非常に稀なケース。特に女性が男性に注意できるケースはほとんどなく、泣き寝入りするしかなくなっている。特に悲惨なのは、3列シートで男性に挟まれた場合だ。 

3列シートの両隣の男性の足が!

昨年12月に、みりんちゃんさん(@nyamirinchan)が投稿した写真も話題となった。こちらは電車ではなく飛行機でのワンシーンだが、なんと3列シートの真ん中に座った女性に対して、両隣の男性が足の裏を向ける形で足を組んでいる。

少し動くだけで、靴の裏がスカートにあたってしまいそうなほど窮屈そうに見えるが、それだけでなく、ひじ掛けまで男性が独占していたという。

公共交通機関で足を組む人に対する批判の声は強く、ネット上では〈電車の狭い座席で隣に人が座ってるのに足を組む人が男女問わず大嫌いです〉〈混んでる電車で足を組むなど万死に値するっ〉〈かなり混んでる電車の中でかたくなに足を組む神経わからんわ。普段から気を使えないんだろうなぁ〉といった声があがっている。

なぜ人はこうまでして足を組んでしまうのか。わざとワルそうに見せるために足を組む人も一定数いるとは思うが、その一方で、女性やお年寄りなど、そうした意図もなく足を組んでいる人も多く見かける、カッパ整体院グループの代表取締役・遠藤敦盛さんに人が足を組んでしまうメカニズムについて聞いた。

「足を組む行動にはいくつかの要因が関与しています。今回は身体的・心理的な観点で紐解いていきます。まず、人は緊張や不安を感じると、無意識に足を組んでしまうことがあります。これは“腕を組む”のと同じように、“足を組む”と身体を保護しているような感覚が生まれ、精神的な安心感を得られるからです。
心理学的には、他者からの干渉を拒否するリアクションとしても知られています。例えば、合コンや面接などで相手が手足を組んでいたら、なんだか受け入れられていないような感覚になりますよね」(遠藤さん)

なぜ人は足を組んでしまうのか…

身体的な理由で足を組んでしまう人は、骨盤や背骨を含めた身体のバランスが崩れている可能性が高いという。

「足を組むことで片側のお尻が持ち上がるので、同じ姿勢からくるお尻への圧を解消する目的もあります。このような姿勢でいることで、疲れにくく安定するという方もいるでしょう」(遠藤さん)

人には、自分の腕や足がどういう角度で、どれくらいの位置に、どれくらいの力が入っているのかなどをイメージできる能力、ボディイメージやボディマップという考え方があるというが、これもまた、足を組む理由につながってくるという。

「このボディイメージ(自己所有感)は、さまざまな要因で不明瞭になってしまいます。低下したボディイメージを再び獲得するために、身体は無意識に刺激を求めます。それが、みなさんがよくやる『腕を組む』『片足重心で立つ』『ポケットに手をいれる』『貧乏ゆすり』などです。とにかく身体に何かしらの刺激をいれることで、手足の位置や、姿勢の感覚(自己所有感)が鮮明にわかりやすくなります。『足を組む』もその一種ですね」(遠藤さん)

また、足を組むことはただ迷惑なだけでなく、整体の観点から考えると、身体に問題を引き起こす可能性がある。

「例えば、長時間同じ姿勢で足を組んでいると、血流が制限されたり、特定の筋肉や関節に過度の圧力がかかったりすることがあります。これが続くと、不快感や筋肉の緊張、姿勢の歪みなどの問題が生じる可能性があります。そのため、座る際には可能な限り正しい姿勢を保つことが重要です。足を組みたくなったら、代わりの姿勢をとる、お尻や背中の筋肉をストレッチすることがすぐできる対処法として有効です」(遠藤さん)

迷惑をかけるつもりはなくとも、つい無意識に足を組んでしまうこともある。足を組む癖がある人は、身体が悲鳴をあげている可能性がある。ストレッチなどをして自分の身体をすぐに労わってあげよう。

取材・文/集英社オンライン編集部

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