投資初心者の9割が陥る「高配当株」選びの5失敗 優良企業でも「なんとなく買う」と損することも
東洋経済オンライン / 2024年5月20日 8時30分
新NISAが始まり、多くの人が興味を持ち始めた株式投資。しかし、成功させるには経験や我慢する力、なにより知識が必要です。
児玉一希さんの新著『高配当10倍株投資 「高利回り×高成長」で資産を4倍速で増やす!』より一部抜粋・再構成してお届けします。
株式投資によって得られる利益には、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。大雑把に分けると、前者は株価の値上がりによって得られる利益、後者は配当金と言えます。
このうち、私はインカムゲインの獲得を狙う「高配当株」への投資をお勧めしています。もちろん優良銘柄であれば高配当株であってもキャピタルゲインが狙えるのですが、まずは安定して配当を獲得できる銘柄を探すのが良いでしょう。
注目するべきは「配当利回り」
こうした高配当株投資の際に重要になるのが「配当利回り」です。この数字が高ければ高いほど、株式の取得額に対して得られる配当金が大きいということを表します。
しかし、配当利回りは高ければ高いほどいい、というわけではありません。一時的に利回りが高く見えても、何かしらの要因で将来の利回りが低下してしまう場合もあるからです。
利回りの高さにつられて投資したものの株価が暴落してしまう高配当株には大きく分けて5つの共通点があります。
思わぬ損失を防ぐためのポイントをまとめました。
厄介なのは頭打ちのパターン
注意点① 売上や利益が頭打ちになって業績が伸びなくなる
株価が伸びる基本は業績です。高配当であっても株価が下落したり将来配当を減らしてしたりしてしまう企業は、やはり数年単位で売上・利益が頭打ちになります。
業績が下がっていれば今この会社は調子が良くないのだなと想像がつくのですが、厄介なのは頭打ちのパターンです。
たとえば米国の化学・電気素材メーカーであるスリーエム(MMM)は半世紀以上も増配を続ける伝統的な高配当株として有名です。ポストイットなどの身近な製品や、人々の生活に欠かせない素材を多数提供しています。
そんなスリーエムは米国を代表する優良企業として高い利益率を誇ってきましたが、近年は売上が頭打ち。2022年は物価高や化学製品における訴訟などで利益を大きく減らしてしまっています。
株価も2018年の高値から66%下落。2023年10月時点で配当利回りは6%を超えていますが、60%下落していると配当金10年分以上の損を出している計算です。
株価「急落」が顕著になったのは2021年からですが、よく見ると2018年ごろからじわじわと高値を切り下げているのがわかると思います。
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