今月の追加利下げ、正当化する情報ない見込み=米セントルイス連銀総裁
ロイター / 2020年3月5日 9時58分
米セントルイス地区連銀のブラード総裁は4日、今月17─18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)について、追加利下げを正当化する新たなデータはあまりない見込みだとの認識を示した。写真は2018年10月、シンガポールで講演するブラード氏(2020年 ロイター/Edgar Su)
[セントルイス 4日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は4日、今月17─18日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)について、追加利下げを正当化する新たなデータはあまりない見込みだとの認識を示した。
連邦準備理事会(FRB)は今週、新型コロナウイルスの感染拡大による米経済への影響を和らげるため、FOMCを待たず、50ベーシスポイント(bp)の緊急利下げを実施した。[nL4N2AW3Z7]
ブラード総裁は講演で「3月の会合の結果を予見することは望まない」とした上で、「新たな情報はそれほどないだろう」と語った。
また、緊急利下げの適切な幅を決定する上で「われわれは最善の判断を行った」とし、FRBは現在、新型ウイルスの「かなり大規模な感染拡大への備えが整っている」との考えを示した。
総裁は「多くの感染ケースが確認される見込みだ」と認めた上で、FRBがさらに行動するには「予想を超えて現在よりも状況が深刻化する必要があるだろう」と述べた。
投資家は、新型ウイルスの感染拡大が現在想定されているよりも長く続き、より大きな経済的影響を及ぼすとみて、FRBが年内にさらに2回利下げを実施すると予想している。
緊急利下げで、フェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は1.00─1.25%となり、10年以上前の金融危機時のようにゼロに近付いている。
ブラード総裁は、FRBは新型ウイルスの感染状況について日々情報を得ており、今後2月の雇用統計など新たな情報を入手するとしたが、このような不透明な環境において当局者が3月のFOMC向けに新たな経済予測をまとめ、予測の正確さに自信を持つことは困難だとの見解を示した。
「確信が持てる(予測の)幅は非常に広くならざるをえない。引き続き不安定な環境で、われわれは新型ウイルスを巡る状況や経済への影響を注視しており、日々この問題に取り組んでいる」と語った。
ブラード総裁は今年のFOMCで投票権を持たない。
*内容を追加しました。
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